映画評「未知との遭遇(ファイナル・カット版)」

☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1977年アメリカ映画 監督スティーヴン・スピルバーグ
ネタバレあり

スティーヴン・スピルバーグの劇場用映画第3作だが、傑作TV映画「激突!」を劇場で観た日本人にとっては第4作のイメージが強い。

25年前に僕が映画館で見たのは「特別編」(132分)と称されたもので、このファイナル・カット版(138分)とは上映時間が6分違う。オリジナル版(135分)は観ることが難しいようだ。

フランスの科学者フランソワ・トリュフォーがメキシコの砂漠で1945年に行方不明になった米軍軍用機を発見、次に米国インディアナ州で大規模の停電が発生しアイスクリーム型UFOが目撃される。
 目撃者の一人リチャード・ドライファスはそれ以来岩山のイメージが頭をよぎり、何とか再現しようとするが、異様な様子に妻子は逃げ出す。が、TVの有毒ガス報道によりその岩山が実在するのを知り、幼い息子に失踪された女性メリンダ・ディロンと共に岩山に接近、一度は当局により排除されるが再度近づいた結果、地球人と異星人の初めての遭遇が試みられようとしている現場を目撃することになり、さらに...。

5年後に作られる傑作「ET」を経験した目には中盤のサスペンス小出しは物足りないが、やはり終盤の、あの音と映像を利用した相互接近場面と、シャンデリアのようなUFOには今でも興奮を呼び起こされる。
 物足りないとは言ったものの、サスペンスの小出しはなかなか巧く、「激突!」で披露されたスピルバーグの天才性を再び感じずにはいられない。

スピルバーグ以上に僕が評価する映画監督トリュフォーが出演しているのも嬉しいが、スピルバーグとトリュフォーという天才二人の間にどんな会話があったのか知りたいものである。

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この記事へのコメント

かよちーの
2006年03月23日 00:26
トラバしたつもりなのですが、反映されていなかったら言ってください~。
シャンデリア型のUFOはお気に入りです。
オカピー
2006年03月23日 01:31
かよちーのさん、お世話になります。
TBは大丈夫でしたよ~。ちょっと時間がかかるのかな?
あのシャンデリアを真似したのが、「竹取物語」でしたね。
2006年03月29日 13:40
 TBありがとうございました。『未知との遭遇』や『ジョーズ』の頃って、スピルバーグ監督の評価はかなり低かったのが、不思議でした。
 シリアス物が評価されやすい、アカデミー賞の姿勢は好きではなく、カンヌやヴェネチアでの評価の方を信頼します。より映画的なものが高評価を受ける、後述の賞が、より価値が高いのではないかと思います。ではまた。
オカピー
2006年03月29日 17:10
 用心棒さん、こんにちは。
 確かにアカデミー賞はシリアスものが強く、文学性(主題)が純粋な映画性に優っている印象がありますね。
 僕は初期から一貫してスピルバーグの演出力を高く評価しています。基本に忠実なんですね。正攻法で面白くがっちりした映画を作れる人は今、スピルバーグ以外に殆どいません。ティム・バートンやタランティーノなど変化球ばかりです。変化球にはその良さがありますけど、その評価が長続きしない可能性があります。
 カンヌやヴェネチアはここ20年ほど先鋭すぎるのではないかという気がしますし、審査員長によって傾向がころころ変わりすぎませんか。ガス・ヴァン・サントの「エレファント」など、監督賞はともかく作品賞には疑問でした。いずれにせよ、賞や世間の評価に関係なく、映画を見極める力を持ちたいものですね。
Johannes
2006年06月27日 21:12
TBありがとう御座います。

オリジナル版(135分)は興味沸きますねぁ。
トリュフォーはどの場面で出演していたのだろうか?

オカピー
2006年06月28日 17:04
Johannesさん、こんにちは。
こちらこそTBとコメント有難うございます。
あれっ、トリュフォーは例の音の解読をしたりする、例の科学者ですよ。
135分のオリジナル版を観たいんですよ、実際。
またお越しくださいね。こちらもお伺いします。
PANA
2006年12月15日 21:40
ラストの音楽と映像に圧倒されます。未知の相手との友好精神がETに引き継がれていくのでしょうね。スピルバーグの精神が分かるような気がします。
オカピー
2006年12月16日 02:50
PANAさん、こんばんは。
この作品の延長が「ET」であることは疑う余地はありませんが、比べるとどうしても「ET」のほうが緻密ですね。
スピルバーグは平和的なんですね。
「ET」を作った頃「ピーターパン症候群だ」などとアメリカの批評家に揶揄されましたが、その意味するところは一体何なのでしょうか。そのせいか本作や「ET」は批評家が絶賛した日本の方が観客レベルでも評価が高いようです。

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