映画評「わが恋せし乙女」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1946年日本映画 監督・木下恵介
ネタバレあり

終戦直後「大曾根家の朝」と同じ1946年に木下恵介が発表した青春映画。舞台が地元に近い浅間牧場なので親しみやすい。

お話の発端は1920年代終わり、牧場に捨てられた女の赤ん坊が男児のいる牧場主により我が子同様にのびのびと育てられる。終戦後戦地から無事に帰還した【兄】原保美が美しく成長した【妹】井川邦子に強く思慕するが、彼女が青年会の好青年を愛していることを知って静かに身を引く。

およそ現実味のない物語などと簡単に片付けること勿れ。これは戦争終了により訪れた国民の解放感をかかるロマンスに象徴させたドラマなのである。牧歌的なのんびりとしたムードの中に展開するロマンスとしても楽しめれば益々結構である。馬で逃げる妹を同じく馬で兄が追う場面や馬車で祭りに出かける場面にリリシズムが爆発。彼女が歌う場面の牧歌的なムードも良いなあ。

何故か中学生時代に読んで感激したアンデルセン「即興詩人」のセンチメンタリズムを思い出しました。

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この記事へのコメント

ぶーすか
2006年07月10日 16:07
TB&コメント有難うございます。「女」とダブリますが、こちらにもTBさせて下さい。キャンプファイアーを囲んで歌声喫茶みたいな歌を合唱というのが時代を感じますが^^;)、牧歌的な雰囲気がイイですねー。原保美が菓子パンを食べる次郎のほほをつねるシーンがホロリと泣けて好きです。
オカピー
2006年07月11日 00:38
ぶーすかさん、こちらこそ有難うございます。
この作品に★四つを進呈したぶーすかさんに乾杯。ほぼ同じ程度の評価でありましょう。傑作とまでは言わずとも、見る価値は絶対あります。
特に戦争からの解放感を味わってもらいたいものです。

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