映画評「バレエ・カンパニー」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2003年アメリカ=ドイツ映画 監督ロバート・アルトマン
ネタバレあり

ナイトクラブでバイトをしながらバレエ・ダンサーとして成功を目指すネーヴ・キャンベルが、代役として主役の座を得て絶賛されても満足できない。私生活が不調だからで、シーズン最後の大舞台では転倒して今度は代役を立てられ、それでもバレエ団は何もなかったように続くのである。

「代役の代役でも成功するほどの甘い世界なのか」という意見もあるようだが、それは逆であろう。成功するほどの技術を持っている才能が埋もれている厳しい世界なのではないか。

それはともかく、この作品の主役はネーヴではない。彼女の所属するバレエ団"ジョフリー・バレエ・オブ・シカゴ”である。彼女は狂言回しの役目を負っているだけに過ぎず、従って、彼女の生活を真剣に見ても余り意味がない。バレエについてはそれほど造詣は深くないが、舞台はなかなか美しかったと思う。

監督がロバート・アルトマンというのはびっくりだが、彼としては練習風景や私生活を捉えたドラマ部分を限りなくドキュメンタリー(あくまでカメラワーク上の意味であり、そのリアリティではない)に近づけ、事実上のドキュメンタリーと言って良いバレエの実景を捉えた部分とを一体化しようとしたのではないか。さもなくば、彼が製作メンバーの一人として名を加えている理由が分らない。

ネーヴに関して言えば、どうもバレエの素養がありそうなので彼女がこの企画の言い出しっぺのような気がする。

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この記事へのコメント

2005年11月06日 11:52
子供の頃、バレエが近所の子供達の間ではやっていて、わたしも習ったのですが、熱心になりすぎて、夜中に眠っているのに踊りだしたとかで、止めさせられてしまいました。
だけど今でもバレエは好きです。
オカピー
2005年11月06日 18:32
遠く離れた金沢にいる友人の細君も仕事が終わった後バレエの練習に励んでいますが、最近音信がなく話も出来ないのが寂しいです。バレエをやった人と一般人ではやはり印象も違うでしょうね。
2005年12月05日 19:42
コメント&トラックバックありがとうございました。
どうしてもアルトマン作品に乗りきれず、作品全体を評価できなかったのですが、この記事を読み、また解説いただいたおかげでちょっとすっきりしました。
今後ともよろしくお願いいたします。
オカピー
2005年12月06日 17:48
Akoさん、こんばんは。
生意気を申しまして済みません。これに懲りずまたお越しください。
ぶーすか
2008年03月09日 13:34
TBとコメント有難うございます。
私もバレエには造詣は深くないのですが、なかなか引き込まれる舞台が紹介されていて面白かったです。しかしこれをアルトマンが監督したといのが、いつものシニカルな視線があまり感じられなかったので、ちょっと以外な感じもしました。
オカピー
2008年03月10日 01:14
ぶーすかさん、こんばんは。

「今宵フィッツジェラルド劇場で」を見た後では本作にも似た意図があったのだな、と思わされますが、内容が薄味である理由を探ると、登場する人物はバレエ団を紹介する狂言回しに過ぎないのだと鑑賞時には感じましたね。
実際にもそんなところでしょう。^^

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  • <バレエ・カンパニー> 

    Excerpt: 2003年 アメリカ・ドイツ 113分 監督 ロバート・アルトマン 脚本 バーバラ・ターナー 撮影 アンドリュー・ダン 音楽 ヴァン・ダイク・パークス 出演 ロレッタ・ライアン(ライ):ネー.. Weblog: 楽蜻庵別館 racked: 2005-11-06 11:35
  • ジェームズ・フランコ「バレエ・カンパニー」「ジェームズ・ディーン物語」

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