映画評「イン・アメリカ 三つの小さな願いごと」

☆☆☆☆(8点/10点満点中)
2002年アイルランド=アメリカ映画 監督ジム・シェリダン
ネタバレあり

「マイ・レフトフット」が評判になったジム・シェリダンとしてはそれ以上の作品と言っても良い。監督一家の実話に基づく物語で、脚本には娘二人も参加している。

アイルランドからカナダを経てアメリカへ入国した役者パディー・コンスダインの一家の苦労話であるが、危難に遭遇した時に10歳くらいの長女サラ・ボルジャーが事故死した弟に3つのお願いをするという挿話が実に可憐な味わいを生み出している。
 おんぼろアパートに越し、父がどこから拾ってきたのか古いクーラーを手に抱え階上の部屋まで持っていくが、プラグが合わずがっかり。変換プラグを買ってやっと涼しい風が入ってきたと思った瞬間に過電流で電源が切れてしまう、といった挿話も呼吸が良く実に楽しい。

そういう楽しさの合間に、息子の事故死に苦しむ父親の姿や、それを非難する母との葛藤、一見怖そうな黒人画家ジャイモン・フンスーが親しくなった後にエイズで死ぬ重い話が入るが、重苦しいだけにしなかったのが良い。母親が新たに男児を生み、その子供に画家の名前を付けるなど味わい深い。

肩の力が抜けた小さな佳作と言って良いが、末娘エマ・ボルジャーの可愛らしさが作品の好印象に貢献ししている。

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この記事へのコメント

オカピー
2005年10月19日 00:52
Lisaさん、トラックバック有難うございます。
冷静に映画評を書きましたが、こういう映画は熱のこもった感想文スタイルで書いてみたいですね。気に入って貰って安心しました。良い映画にも色々種類がありますが、この作品などは哀しいだけではなく、力が抜けて良い気持ちにもなれますよね。
chibisaru
2006年05月06日 13:41
こんにちは♪
妹役の子は、ほんと天使みたいに愛らしかったですね。
私は自分自身が長女ということもあり、お姉ちゃん役の子にかなり感情移入してしまいました。肩に力が入るような作品と違い、哀しみを乗り越えながらも暖かな気持ちになれるそんな作風がとっても良かったです。
ど派手な映画ばかりがもてはやされる昨今、とても秀逸だと思いました。
オカピー
2006年05月07日 01:30
chibisaruさん、こんばんは。
ええ、ええ。末娘はお気に入りでした。また、上の娘の健気がところにじ~んと来ましたね。
クーラーの挿話も呼吸宜しく大変楽しめました。
十瑠
2008年04月29日 10:49
先日NHK-BS放送を録画して観ました。
「マイ・レフトフット」は随分前に観たので忘れてしまいましたね。

貧しいけれど楽しい我が家。だけどやっぱり乗り越えなければならない・・。
子供の視点で描いているのが、後味の良さでしょうか。

TBいたしました。
オカピー
2008年04月29日 22:27
十瑠さん、こんばんは!

これねえ、保存版DVDを作ろうと思いましたが、結局止めてしまいました。

>子供の視点
そうですねえ、三つの願い事が利いて、後味の良い映画になりましたね。
ボルジャー姉妹、可愛さ爆発。
ボー
2009年02月11日 13:19
こんにちは。
いい映画でしたね。さっと感想を書いてから、あ、E.T.とか、ゲームで散財とか、いろんな挿話があったけど書かなかったなと思い返しました。
家族を失ったという深い悲しみから、さわやかな、ポジティブな方向へ持っていくのがいいです。
ボルジャー姉妹も、いいですねえー!
オカピー
2009年02月12日 02:01
ボーさん、こんばんは。

家族の喜怒哀楽を色々と織り交ぜ、非常に爽やかな後味を残しましたよね。
ボルジャー姉妹が本当に可愛らしくて、それだけでも観る価値あると思いまする。

で、昨年の4月に保存版を作りませんでしたが、今回再び放映がありましたのでHDDに録画、今度こそ作ることに決定。近日中に実行に移します!

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