テーマ:溝口健二

映画評「愛怨峡」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1938年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 溝口健二が監督した本作は既に観られないと思われていた作品であったが、比較的近年この不完全版(108分のところ89分)が発見されてDVD化され、隣町の図書館に置いてあったので借りて来たという次第。 信州の温泉宿で女中をしているふみ(山路ふみ子…
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映画評「わが恋は燃えぬ」

☆☆★(5点/10点満点中) 1949年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 戦後(1940年代後半)の溝口健二は民主主義やら女性解放やらイデオロギー映画流行の機運に乗って映画を作ろうとしていた節が見受けられるが、「夜の女たち」を除いてはそれほど上手く行っていない。その「夜の女たち」にしても先日「女性の勝利」で述べたように看…
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映画評「女性の勝利」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1946年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 溝口健二の戦後第一作。  そもそも溝口監督は戦前から女性映画を作り続け、1930年代には「浪華悲歌」(1936年)や「祇園の姉妹」(1936年)といった鬼気迫る傑作をものしている。その基底にあるのは社会に埋もれる女性の悲劇で、戦後になると民主主義…
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映画評「女優須磨子の恋」

☆☆★(5点/10点満点中) 1947年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 島村抱月と松井須磨子は演劇史に留まらず文学史的にも重要な位置を占めている。それはともかく、溝口健二が二人の活動を描いたこの作品は初鑑賞の筈なのに観たことがある気がするのは、故意か偶然か同じ年に衣笠貞之助が作って競作となった「女優」を観ていたからであ…
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映画評「夜の女たち」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1948年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 戦争を挟んだということもあり1940年代の溝口健二は不調であったと言っても良いと思うが、40年代の作品としては秀作と言える唯一の作品と言っても良いのではないかと思う。特に20代前半で観た時は後半圧倒されっ放しで、相当良い星を進呈したが、今回は欠点…
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映画評「浪華悲歌(エレジー)」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1936年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 一昨年NHK-BS2の特集では取り上げられなかった溝口健二戦前の傑作。30年くらい前に自主上映で観たが、保存状態が悪くて音声が半分くらい聞き取れなかったので、初見同然。 薬種問屋の電話交換手を務めるOLアヤ子(山田五十鈴)は、父親の横領…
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映画評「噂の女」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1954年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 溝口健二が「山椒大夫」と「近松物語」を挟んで発表した現代劇だが、両名作に挟まれた格好で溝口ファン以外には忘れられた感のある作品である。 東京で学生生活を送っていた置屋の娘・久我美子が失恋して自殺未遂、母・田中絹代のいる京都に連れ戻される。失…
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映画評「祇園囃子」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1953年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 京都の祇園にも二つあるそうで、「祇園の姉妹」で描かれた祇園は下の方(乙部)、こちらで描かれているのは上の方(甲部)ということになるらしい。  川口松太郎の花柳小説を溝口健二が映画化した風俗劇。 売れっ子芸者の小暮実千代の許に、かつての仲間…
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映画評「近松物語」

☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1954年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 井原西鶴の「好色五人女」でも取り上げられた<おさん茂兵衛密通事件>を近松門左衛門が「大経師昔暦」として浄瑠璃化、それを川口松太郎が戯曲化し、さらにお馴染みの依田義賢が脚色、溝口健二が映像化した。 17世紀の京都、宮中の暦を独占販売する大…
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映画評「雨月物語」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1953年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 今回のNHK-BS2の特集からは洩れた「西鶴一代女」(国際賞)に続いてヴェネチア映画祭で受賞(銀獅子賞)した溝口健二の代表作。恐らく映画ファンに投票させたらこれが一番人気のある溝口作品ということになると思う。 原作は未だに読むことができな…
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映画評「山椒太夫」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1954年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 児童向けには「安寿と厨子王」として知られる、長者没落伝説に取材した森鴎外の同名小説を溝口健二が映像化した悲劇で、溝口がヴェネチア映画祭で三年連続受賞(銀獅子賞)の快挙を遂げた作品。 平安時代末期、筑紫に流された元国守(くにのかみ)の父を訪ね…
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映画評「残菊物語」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1939年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 村松梢風の小説を本作の主演を務めている花柳章太郎の要望で巌谷慎一が脚色した新派悲劇を溝口健二が映像化した芸道もの。1939年と言えば戦雲の色濃くなり思想の面で映画作りが難しくなった頃で、映画界全体として芸道ものや時代劇が多くなったようだが、溝口も…
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映画評「宮本武蔵」

☆☆★(5点/10点満点中) 1944年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 有名な吉川英治ではなく菊池寛の「宮本武蔵」をベースにしているので、従来の宮本武蔵とは大分印象が違う。吉川版ほど精神的に剣に殉ずる求道者としての生き方をしていない。  脚色は川口松太郎。 一乗寺の決闘で吉岡一派を全滅させた武蔵(河原崎長十郎)…
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映画評「新・平家物語」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1955年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 原作は吉川英治のベストセラー。その序盤部分の映画化で、三部作の第一作に当たる。この後第二部を衣笠貞之助、第三部を島耕二が担当して完結しているが、残念ながら第二部、第三部は観ていない。  溝口健二は女性の悲劇をテーマにしてきた映画作家だが、これは珍…
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映画評「祇園の姉妹」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1936年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 「浪華悲歌(エレジー)」と並ぶ溝口健二戦前の代表作である。脚本は「浪華悲歌」以降殆ど全ての溝口作品の脚本・脚色を担当した依田義賢。 京都の祇園、梅吉(梅村春子)とおもちゃ(山田五十鈴)は芸者で生計を立てている姉妹。梅吉のお世話になった旦那…
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映画評「雪夫人絵図」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1950年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 没後50年ということでNHK-BS2で溝口健二の特集が組まれている。「夜の女たち」も「浪華悲歌」もないのは寂しいが、入門編に必要な作品は全て網羅されております。本作は耽美主義作家・舟橋聖一が1948年から50年にかけて発表した同名の代表作を映画化し…
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映画評「大阪物語」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1957年日本映画 監督・吉村公三郎 ネタバレあり 「日本永大蔵」など井原西鶴の作品を溝口健二が映画用に作り変えた原案を依田義賢が脚色、それを逝去した溝口に代わって吉村公三郎が映像化した大映作品。 借金に追われて農村を夜逃げした仁兵衛(中村雁治郎)が妻(浪速千栄子)と二人の子供と大阪へ到着…
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