テーマ:映画 や・ら・わ行

映画評「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2018年フィンランド映画 監督クラウス・ハロ ネタバレあり 盲目の聖職者と元女囚の交流を描いた「ヤコブへの手紙」(2009年)という作品に甚だ感心させられたフィンランドの監督クラウス・ハロの最新作。モチーフ的に前述作と重なるところがある。 72歳の老画商オラヴィ(ヘイッキ・ノウシアイネン…
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映画評「ようこそ映画音響の世界へ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ミッジ・コスティン ネタバレあり 今月のWOWOWはヴェネツィア映画祭特集などで結構充実している(かつ長い作品が多い)ので、5本特集される映画絡みのドキュメンタリーを全部観るのはなかなか難しい状況なのだが、配信が残っていれば全部観ておきたい。 初日の本作は、縁の…
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映画評「ワンダーウーマン 1984」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年アメリカ=イギリス=スペイン合作映画 監督パティ・ジェンキンズ ネタバレあり 二番煎じはそれだけでおいしくないわけだが、最近は二作目のほうが面白いというシリーズ作品が少なくない中、本作は文字通り弱点が目立つ作品となった。それでも本作のベースとなっている「スーパーマン」の近作などよりは楽し…
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映画評「ライブ・フレッシュ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1997年スペイン=フランス合作映画 監督ペドロ・アルモドバル ネタバレあり ペドロ・アルモドバル監督の作品は大体見て来たが、新作以外で珍しく本作は未鑑賞。多分WOWOWに出て来なかったのだろう。 1970年戒厳令下のスペインで、娼婦(ペネロペ・クルス)がバスの中で出産する。  ビクトル…
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映画評「ルース・エドガー」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ジュリアス・オナー ネタバレあり ティム・ロスとナオミ・ワッツの白人夫婦がエチオピアの隣国エリトリアの難民少年を引き取って白人のような名前を授けてから十年後のこと。  頗る優秀な黒人生徒になった彼ケルヴィン・ハリスン・ジュニアが、黒人の歴史教師オクタヴィア・スペンサ…
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映画評「野球少女」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年韓国映画 監督チェ・ユンテ ネタバレあり この題名の韓国映画は、普通の枠であれば観なかった可能性があるが、【W座からの招待状】で取り上げられる作品だから観た。尤も、野球が絡む映画は大概観るので、普通の枠でも観たかもしれない。 珍しくも高校の野球部に投手として所属する少女チュ・スイ…
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映画評「レオナルド~知られざる天才の肖像~」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2021年イタリア=アメリカ=イギリス=フランス=スペイン合作映画 監督ダニエル・パーシヴァル、アレクシス・ケーヒル ネタバレあり WOWOWで放映された8回に渡るTVシリーズである。  半世紀近く日本のドラマ・シリーズ(厳密にはシリアル。日本の刑事ものなど読み切りをシリーズと言う)を僕は観てい…
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映画評「リンドグレーン」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2018年スウェーデン=デンマーク合作映画 監督ペアニル・フィシャー・クリステンセン ネタバレあり 先年初めてスウェーデンの児童文学「長靴下のピッピ」を読んだ。楽しい児童小説だが、本作はその作者アストリッド・リンドグレーンの知られざる若い日々の苦闘を描いた伝記映画である。 因循な村に生活す…
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映画評「ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ジョー・タルボット ネタバレあり 仲の良い黒人二人を主人公にしながら、最近アメリカ映画に溢れている直球の社会派映画になっていないところが良い。この間観た邦画「糸」に似て、大雑把に言えば “故郷は良い” という内容で、主人公を演じるジミー・フェイルズの自伝的作品というこ…
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映画評「私の知らないわたしの素顔」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年フランス=ベルギー合作映画 監督サフィ・ネブー ネタバレあり 中年シングルマザーの孤独な心理をなりすましができるネットを手段に描き出した心理サスペンスである。 前半はサスペンス性は殆どなく、二人の男児の母親である文学・文学史の教授クレール(ジュリエット・ビノシュ)が、年の離れた恋…
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映画評「ルーシー・イン・ザ・スカイ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ノア・ホーリー ネタバレあり リサ・ノワックという女性宇宙飛行士が起こした事件をベースにしたフィクション。日本劇場未公開。 ビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」は直接的には関係ないが、映画の半分を過ぎたところで、リサ・ハニガンによるカバ…
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映画評「ライド・ライク・ア・ガール」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年オーストラリア映画 監督レイチェル・グリフィス ネタバレあり あらゆるスポーツの中で女性が男性と伍することができる競技は馬術と競馬ではないかと思う。勿論どの競技においてもトップの女性選手は、98か99%の男性より速かったり強かったりするわけだが、オリンピックで一緒に競技させるわけには行か…
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映画評「ランボー ラスト・ブラッド」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ=香港=フランス=ブルガリア=スペイン=スウェーデン合作映画 監督エイドリアン・グルンバーグ ネタバレあり 第4作が作られた時もびっくりしたが、それから11年も経ち、ランボーのシルヴェスター・スタローンも撮影時72歳くらいになったのだから、第5弾製作にはそれこそビックリでござる。…
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映画評「ユンボギの日記」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1965年日本映画 監督・大島渚 ネタバレあり プライムビデオの大島渚作品はほぼ全て期限が終了してしまったが、この25分の短編ドキュメンタリー(厳密には映像詩と言うべきか?)は残っている。 イ・ユンボギという韓国に実在した少年の作文的な日記がベース。大島渚が韓国で撮ったスティル写真に、その…
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映画評「夜歩く男」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1948年アメリカ映画 監督アルフレッド・L・ワーカー ネタバレあり 戦前終戦後の映画を少なからず見ているが、アルフレッド・L・ワーカーという監督は初めてかもしれない。  本作は第2次大戦後にアメリカで流行ったセミ・ドキュメンタリー(ジュールス・ダッシン「裸の町」等)に分類される作品。つまり、原…
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映画評「ワイルド・スピード スーパーコンボ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督デーヴィッド・リーチ ネタバレあり シリーズ第9作ではなく、スピンオフらしい。違いはヴィン・ディーゼルが出て来ず、グループではなくコンビで活動するところだろうか?  ロンドン。MⅠ6の女性捜査官ヴァネッサ・カービーが味方と共にテロ組織のトラックを急襲、一人生き残っ…
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映画評「我輩はカモである」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1933年アメリカ映画 監督レオ・マッケリー ネタバレあり マルクス兄弟の代表作と目されるコメディー。昨年再鑑賞したルネ・クレール監督「最後の億萬長者」(1934年)に極めて似た設定と雰囲気で始まるので、あの映画をパロディーとして取り込んだのかと思って製作年度を見たら、どうも逆である。失礼しまし…
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映画評「レディ・マエストロ」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2018年オランダ=ベルギー合作映画 監督マリア・ペーテルス ネタバレあり 今でも女性の指揮者は少ないが、90年程前に指揮者として確立した地位を得た最初の女性となったアントニア・ブリコの成功までの格闘を描いた伝記映画である。 オランダ系移民のウィリーことウィルヘルミナ(クリスタン・デ・ブラ…
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映画評「ワイルド・ローズ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年イギリス映画 監督トム・ハーパー ネタバレあり 音楽を巡るドラマ映画は色々あるが、カントリー畑は割合少ない。僕が観たのは本作でも絡んでくるグランド・オール・オープリーを開催するナッシュヴィル市をテーマにしたその名も「ナッシュビル」(1975年)、ロレッタ・リンの伝記映画「歌え!ロレッタ愛…
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映画評「夜の来訪者」(2015年)

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2015年イギリス映画 監督アスリング・ウォルシュ ネタバレあり チャールズ・ブロンスン主演のスリラーに「夜の訪問者」(1970年)という邦題の作品があるが、全く関係ない。英国の人気大衆文学作家J・B・プリーストリーの戯曲のTV映画化である。日本でも文庫本が出たほどの人気作で、TV映画を中心に何…
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映画評「楽園」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・瀬々敬久 ネタバレあり 吉田修一の短編集「犯罪小説集」収録の短編二編を組み合わせて作ったドラマ。 長野県の限界集落で、学校帰りの小学3年生くらいの女児・愛華が行方不明になる。直前まで一緒にした同級生・紡は喧嘩別れした後なので自分のせいのように感じる。  12年後似…
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映画評「弥生、三月-君を愛した30年-」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・遊川和彦 ネタバレあり 長きに渡るロマンスでござる。 スタートは1986年。正義感が強く押しの強い女子高生・波留は、血液の病気(血友病?)を患っている同級生・杉咲花と仲が良く、彼女の大好きなサッカー男子・成田凌との恋の成就に奔走するが、告白させる前に親友は死んでしま…
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映画評「ロマンスドール」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年日本映画 監督タナダユキ ネタバレあり 初めて観た「百万円と苦虫女」(2008年)での感覚が大いに気に入った女性監督タナダユキは、僕の印象ではその後同作を超える作品を作れていない。良い部分は相変わらずあるが、自分の小説を映像に移した本作も少し足りない気がする。 美術大出身のフリータ…
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映画評「誘惑」(1957年)

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1957年日本映画 監督・中平康 ネタバレあり プライムビデオに加入させられた(笑)関係で、しかも、金欠の僕が無償のものしか見ないと知る常連投稿者たちから色々と紹介され、有難い。実際観ても優れた作品が多く、投稿の方々に感謝するばかり。  この作品はほぼ同郷・同世代の浅野佑都さんから紹介された中…
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映画評「野性の呼び声」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2020年アメリカ=カナダ合作映画 監督クリス・サンダーズ ネタバレあり ジャック・ロンドンの有名な小説の十数回目となる映像化(映画として日本で公開されるのは恐らく4回目)で、今この作品を作る理由は、お話以上に、素晴らしいVFXで犬を筆頭とする動物たちの生々しい動作を見せることではないかと思う。…
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映画評「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ウッディー・アレン ネタバレあり 多作なのでいつまでも追いつかないウッディー・アレンの最新作でござる。今回は、現時点でまだ本当の最新作が日本で公開されていないので、何とか追いついた形。  例の問題で、アメリカでは本作も最新作も観られないのだそうだ。日本もそうだが、個…
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映画評「ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ=カナダ=コロンビア合作映画 監督ジョナサン・レヴィン ネタバレあり シャーリーズ・セロンが出ているのは知っていたが、セス・ローゲンが共演ですか。例によって下ネタのオン・パレードでしょう。 辞職したように見えて実は首になったらしい記者ローゲンが、友人に誘われて出かけたチャリ…
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映画評「ロベレ将軍」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1959年イタリア=フランス合作映画 監督ロベルト・ロッセリーニ ネタバレあり 10年近く前にNHK-BSが放映したハイビジョン版を持っていたが、それを収めたブルーレイ・ディスクが再生不能になった(某メーカーの或るシリーズで、録画から数年後にかなりの確率で起こる)ので、幸いにもプライムビデオで無…
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映画評「読まれなかった小説」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2018年トルコ=北マケドニア=フランス=ドイツ=ボスニア・ヘルツェゴヴィナ=ブルガリア=スウェーデン=カタール合作映画 監督ヌリ・ビルゲ・ジェイラン ネタバレあり 「雪の轍」で初めて本格的に知ったヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督は、テオ・アンゲロプロス以来の重量派ではないだろうか。前回が196分、…
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映画評「我等の町」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1940年アメリカ映画 監督サム・ウッド ネタバレあり 高校の英語のリーダーに本作の原作戯曲の一部があった。アイスクリーム・ソーダを主人公の男女二人が食べる部分で、薬局pharmacyという単語を憶えたような気がする。 その原作とは半年前に読んだばかりの、ソーントン・ワイルダー「わが町」(…
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