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映画評「健さん」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2016年日本映画 監督・日比遊一 ネタバレあり 僕が映画ファンになり立ての1970年代初め、昼間よくTVで高倉健の任侠映画をやっていたが、当時は洋画オンリーの子供だったので殆ど観た記憶はない。「幸福の黄色いハンカチ」(1977年)を最初に観たのもTVで(後年名画座でも観る)、映画館で高倉健をき…
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映画評「霧の波止場」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1938年フランス映画 監督マルセル・カルネ ネタバレあり マルセル・カルネの戦前の代表作で、30年ぶりくらいの再鑑賞になりましょうか。 ベトナム(と字幕には出る。インドシナと言っているかもしれないが、フランス語なので解らない)の戦線から脱走した兵隊ジャン・ギャバンがトラックに拾ってもらい…
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映画評「家族を想うとき」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2019年イギリス=フランス=ベルギー合作映画 監督ケン・ローチ ネタバレあり 作り物の面白味はケン・ローチに求められない一方、このお話は対岸の火事ではないと強く認識する必要がある。 小学生の娘ライザ・ジェーン(ケイティ・プロクター)と高校生の息子セブ(リス・ストーン)を育成する為に母親ア…
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映画評「コンフィデンスマンJP プリンセス編」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・田中亮 ネタバレあり 昨年の三月に第一作を観た。その時元気に出演していた三浦春馬と竹内結子が、本作の劇場公開前後に相次いで自殺してしまった。二人とも前回ほどの活躍ではないにしても本作で姿を見せているので、どうも怏々とした気持ちで観始め、そのせいもあってか乗れず終い。  …
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映画評「かもめ」(2018年)

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督マイケル・メイヤー ネタバレあり ロシアの作家の中でも特にご贔屓にしているアントン・チェーホフの四大戯曲の一つ。“喜劇”と名付けられた一種の悲劇である。日本劇場未公開作。 19世紀末のロシア。湖のそばにある邸で、作家志望の若者コンスタンチン(ビリー・ハウル)、時々…
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映画評「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年フランス=ベルギー合作映画 監督フランソワ・オゾン ネタバレあり アメリカ映画「スポットライト 世紀のスクープ」(2015年)と同工異曲の実話ものである。違うのは、「スポットライト」は記者が公憤の立場からカトリック教会の神父による小児性愛を暴露し、こちらは被害者たちが自ら巨大なカトリッ…
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映画評「仮面病棟」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・木村ひさし ネタバレあり 良い出来が期待できなくてもミステリー映画なら観る。原作者のミステリー作家知念実希人(ちねん みきと)は医療関係者でもあるそうで、医療関係が非常に正確・・・でもないのはご愛敬。 八王子のコンビニでピエロの仮面を被った強盗事件が起きる。交通事故…
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映画評「街燈」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1957年日本映画 監督・中平康 ネタバレあり 短編の名手・永井龍男の小説が原作というのも文学壮年オカピーの心をくすぐるが、中平康の映画をお話に重点を置いて見てもつまらないとは思う。 男子学生が定期券をわざと落として拾ってくれた女性をナンパ等するという行為がお話の発端。弟が落とした定期券を拾…
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映画評「影に抱かれて眠れ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・和泉聖治 ネタバレあり 北方謙三の名前を知って40年くらいは立つだろう。しかし、小説を実際に読むほどの興味はないので、作家としての傾向が少し解るかもしれないと思い、小手調べ的に「抱影」を映像化した本作を観ることにした。 酒場を経営する変わり者の画家・加藤雅也は、画業…
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映画評「亀も空を飛ぶ」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 2004年イラク=フランス=イラン合作映画 監督バフマン・ゴバディ ネタバレあり 「存在のない子供たち」の映画評へのコメントで常連のモカさんが紹介してくれたのがこの作品である。「酔っぱらった馬の時間」(2000年)という秀作を放ったイランの監督バフマン・ゴバディの作品だから題名は知っていた。 …
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映画評「権力に告ぐ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年韓国映画 監督チョン・ジヨン ネタバレあり 現在も裁判中という、外資による韓国大手銀行安価売却事件に絡む政治サスペンス。昨日の「暗数殺人」がまともだったので期待したが、こちらは韓国映画の悪いところが出て、平均的大衆映画に留まる。 映画は、投資会社への売却が沙汰される大手銀行の女性職…
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映画評「カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ=マレーシヤ=ポルトガル合作映画 監督リチャード・スタンリー ネタバレあり 高校時代に幻想文学の作家H・P・ラブクラフトを知ったが、結局未だに読んでいない。ロアルド・ダール、フリオ・コルタサル、スティーヴン・キングなどと並んで文学好きの映画ファンなら読みそうな作家で、先日も拙ブロ…
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映画評「グッドバイ~噓からはじまる人生喜劇~」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・成島出 ネタバレあり 太宰治最後の小説の映画化だが、序盤のうちに未完に終わったので、映画作者が色々と加えられるというメリットがある。それを生かせるかどうかは映画人の腕次第。とは言っても、本作には、その遺作から作り上げられたケラリーノ・サンドロヴィッチの戯曲があると言ってお…
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映画評「月曜日のユカ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1964年日本映画 監督・中平康 ネタバレあり ブログを始める何年か前に観ている。 Allcinemaにあるコメントの通り、「狂った果実」(1956年)でヌーヴェル・ヴァーグに影響を与えたとあれる中平康監督が、成熟したヌーヴェル・ヴァーグから逆輸入したような感覚が爆発、大いに楽しめる。原作…
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映画評「記憶屋 あなたを忘れない」

☆☆(4点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・平川雄一朗 ネタバレあり 織守(おりがみ)きょうやという作家によるホラー小説の映画化であるが、映画版はホラーの印象はなく、ファンタジーを仕込んだ青春映画の趣きである。 プロポーズした恋人・杏子(蓮佛美沙子)にすっかり忘れられてしまった広島出身の大学生・遼一(山田涼介)…
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映画評「河」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1952年フランス=インド=アメリカ=イギリス合作映画 監督ジャン・ルノワール ネタバレあり 正確には憶えていないが、初めて観たのは30年以上前である。  英国の閨秀作家ルーマー・ゴッデンが英国統治時代のインドを舞台に書いた自伝的小説をインドで映画化したもので、 Allcinema の諸氏が…
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映画評「五人の斥候兵」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1938年日本映画 監督・田坂具隆 ネタバレあり 1938年の戦意発揚映画である。しかし、太平洋戦争開戦前でまだ映画作家も言いたいことがある程度言え、この作品からその思いは伝わって来る。単なる戦意発揚映画とこき下ろしてはなるまい。 本作は我が家のライブラリーにあるが、ビデオなので、大分マシ…
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映画評「恐竜が教えてくれたこと」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年オランダ=ドイツ合作映画 監督ステーフェン・ワウテルロウト ネタバレあり アンナ・ウォルツという英国の女流児童文学者の作品のオランダでの映画化。 オランダ北部の島に家族とバカンスにやって来た11歳の少年サム(ソニー・コープス・ファン・ウッテレン)が、地元の風変わりな同じ年頃の少女テ…
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映画評「下女」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1960年韓国映画 監督キム・ギヨン ネタバレあり 僕が1970年頃映画を本格的に観始めて以来1986年の「桑の葉」まで韓国映画が正式に日本に輸入された記憶がない(それ以前のことは解らない)。「桑の葉」は官能映画で、一般的な映画は1999年の「八月のクリスマス」「シュリ」辺りまで待つことになる。…
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映画評「黒い賭博師 悪魔の左手」

☆☆★(5点/10点満点中) 1966年日本映画 監督・中平康 ネタバレあり 「誘惑」が中平康のテクニックが存分に観られて楽しかったので、またプライムビデオでの無償鑑賞でござる。  中平監督はシリーズ(氷室浩次シリーズ?)第6作その名も「黒い賭博師」を撮っていて、007やビリー・ワイルダーをムード的に引用してなかなか面白かっ…
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映画評「風をつかまえた少年」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年イギリス=マラウィ合作映画 監督キウェテル・イジョフォー ネタバレあり 相変わらず実話ものが多い。しかし、本作は、アフリカの小国マラウィが舞台なのが興味深く、監督が男優キウェテル・イジョフォーの初監督作というのが注目に値する。 2001年マラウィは旱魃に襲われる。  14歳くら…
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映画評「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年フランス=ベルギー合作映画 監督レジス・ロワンサル 重要なネタバレあり。ご注意願います。 本好きで翻訳家を目指したことがある。小説の類の翻訳は極めて狭き門で挫折したので、その意味でも興味を惹かれて観たが、WOWOW【W座からの招待状】の案内人・小山薫堂氏ほどには感心できない。  ダン・…
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映画評「黒い司法 0%からの奇跡」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督デスティン・ダニエル・クレットン ネタバレあり ブライアン・スティーヴンスンという黒人弁護士が自分の活動を記したノンフィクションの映画化。第二の「アラバマ物語」(1963年)と言うべき内容で、若き日の著者が主人公である。 1980年代後半から90年代半ばくらい。…
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映画評「コレヒドール戦記」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1945年アメリカ映画 監督ジョン・フォード ネタバレあり 中学の時に地上波(当時は地上波しかなかったわけだが)のゴールデン・タイムに放映された際は観ず終い。それから半世紀近く経ってやっと観たが、ジョン・フォードの戦争映画の中でも高品位の作品と感心させられた。 映画が作られたのは太平洋戦争…
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映画評「カイジ ファイナルゲーム」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・佐藤東弥 ネタバレあり “カイジ”という名前は知っているので、すっかり旧二作を観た気になっていたが、どうも最終作と言われる本作がシリーズ初見らしい。 2020年の東京オリンピックが終了して景気が冷え込んで(恐らく国の借金が問題になって円が暴落し)ハイパー・インフレが…
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映画評「過去を逃れて」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1947年アメリカ映画 監督ジャック・ターナー ネタバレあり 日本では劇場未公開に終った有名なフィルム・ノワールで、監督はジャック・ターナーことジャック・トゥルヌール。  ターナーは代表作たる本作や「キャット・ピープル」(1942年)が日本ではお蔵入り(TV放映とビデオ化あり)した、ある意味不…
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映画評「家族にサルーテ! イスキア島は大騒動」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年イタリア映画 監督ガブリエレ・ムッチーノ ネタバレあり 昔はこういうイタリアの家族映画も日本でそれなりにヒットしたものだが、最近は若者に傾く日本映画が当たり、さもなくばスペクタクルな米英のメジャー映画がヒットするだけ。映画興行界が比較的若い年齢層にターゲットを絞っている為、欧州のドラマ映…
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映画評「恋人たち」(2015年)

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2015年日本映画 監督・橋口亮輔 ネタバレあり 【キネマ旬報】の批評家選出で2015年度ベスト1に選ばれた橋口亮輔監督の群像劇。気になっていたが、何故かここまで出て来なかった。  橋口監督の作品は「ニ十才の微熱」(1993年)と「ハッシュ!」(2001年)を観たことがあるが、前者は苦手な男性…
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映画評「間諜」

☆☆★(5点/10点満点中) 1937年イギリス映画 鑑賞ヴィクター・サヴィル ネタバレあり 1931年にマレーネ・ディートリッヒ主演で「間諜X27」、グレタ・ガルボ主演で「マタ・ハリ」という戦争絡みのスパイ映画が相次いで作られたのは、やはり将来のドイツとの闘いを意識していたのではないかと想像する。31年はまだナチスの勢力が確…
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映画評「カーライル ニューヨークが恋したホテル」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督マシュー・ミーレー ネタバレあり インタヴュー形式のドキュメンタリーはどうも千篇一律で面白味を欠く。本作もその印象を否めないが、総合的に楽しい映画である。 まずセレブの顔触れの凄さ。日本ではすっかりセレブは金持ちと同義語になってしまったが、白金台のマダムが亡くなっ…
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