テーマ:小津安二郎

映画評「東京暮色」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1957年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり この小津安二郎作品は、前作「早春」(1956年)に続いてまたまた異色作である。とりあえず梗概から始めよう。 銀行のお偉方・笠智衆が帰宅すると、長女・原節子が一人娘を連れて来宅している。大学で講師をしている夫に愛想をつかして出て来、暫く帰ら…
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映画評「早春」(1956年)

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1956年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 「東京物語」(1953年)に続く小津安二郎の監督作品。久しぶりに観るが、戦後の小津作品の中で異色と言える要素があり、実に面白い。 蒲田から丸の内の煉瓦会社本社オフィスに勤めるサラリーマン池部良は、数年前に息子を失って以来、妻・淡島千景とし…
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映画評「秋日和」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1960年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 先月から今日(12月11日)あたりに観る予定だったので全く偶然だが、結果的に先日亡くなったと伝えられた原節子の追悼鑑賞になった。俳優としての偉業は高倉健に勝るとも劣らない方でありながら、50年以上の前に引退されているので追悼番組はNHK-BSが…
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映画評「浮草」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1959年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり NHK-BSで放映したのを録画して観る。本作自体は久しぶりの再鑑賞だが、ほぼ同じお話のオリジナル「浮草物語」(1934年)を10年くらい前に観たばかりなので、それほど久しぶりという気がしない。 旅役者の一座がある町を興行に訪れる。座長・中…
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映画評「生れてはみたけれど」

☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1932年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 欧米と違い、日本の戦前映画は焼失したものが多く余り観られないので、堂々とは言えないのであるが、少なくとも僕が観た戦前の日本映画のうちでは一番の傑作であると思う。一番最初は自主上映か何かで文字通りの無声状態で観た。本当に感動したのはTVで弁士…
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映画評「麦秋」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1951年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 今月(2010年1月)のWOWOW新作部門は不作、そんな時に限って留守録を忘れるケースも多く、再鑑賞の連発となっている。今回も録画ミスの為にスケジュールが空いたので、新聞を見てたまたまNHK-BS2でやると気付いた小津安二郎の傑作中の傑作を観…
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映画評「宗方姉妹」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1950年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 時間が空いたので久しぶりに小津安二郎の戦後作品を観ようとマイ・ライブラリーから選んだ本作。評判の良い作品だが、僕は弘法ならぬ小津も筆の誤りと言いたい残念な気持ちで観終えた(再鑑賞ですけどね)。  因みに、タイトルは「むねかたきょうだい」と読むら…
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映画評「鏡獅子」

☆☆★(5点/10点満点中) 1935年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 小津安二郎最初のトーキー映画は唯一のドキュメンタリーだったというのが面白い。 日本の古典芸能にも多少は興味があるが、なかなか観る時間がない。たまにNHK教育の「芸術劇場」などで歌舞伎狂言を観ることもあるが、独立した歌舞伎舞踊は避け気味でござ…
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映画評「朗らかに歩め」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1930年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 2000年映画鑑賞メモより。 まだ種々の作品を作っていた頃の小津安二郎監督のサイレント映画。 序盤は掏り騒動である。  小太りの吉谷久雄を紳士風の高田稔が追い詰めて詰め寄り、何事かと人々が集まる。  吉谷は何も持っておらず群れは散…
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映画評「(学生ロマンス)若き日」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1929年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 小津安二郎のサイレント時代の佳作。現存する最古の作品(8作目)である。 テーマ的にはまだ模索中といったところかもしれないが、環境描写から入っていく作風は既に確立している。ヒッチコックを引き合いに出すまでもなく、本論に入る前の環境描写は些細…
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映画評「青春の夢いまいづこ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1932年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 今となっては観られるものが少ないが、小津安二郎も初期には青春ロマンスも随分作っている。日本でのサイレント末期に当たる1932年に発表されたこのロマンスは実に清々しい作品である。昭和恐慌の影をちらつかせ、完成度も高い。 友人達と遊びまわり学…
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映画評「晩春」

☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1949年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 小津安二郎のベストを選ばさせれば大概の人が「東京物語」かこの作品を選ぶ。純粋に芸術的な面のみで評価すればこの作品がベストというのは間違いないところであろう。個人的には「東京物語」を愛する僕であるが、凄みではこちらに軍配を上げたい。 自…
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映画評「出来ごころ」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1933年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり この作品は1982年9月以来再鑑賞していないので、当時の甚だおぼつかない文章を転載する次第であります。<喜八もの>第1作に当たりますが、当時は<喜八もの>という言葉を知らずに観ていたことが伺われます。 小津安二郎の戦前の名作。ここでは未…
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映画評「浮草物語」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1934年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり ジョージ・フィッツモーリスの「煩悩」の翻案と言われる小津安二郎戦前の代表作。 旅芸人一座座長の喜八(坂本武)は4年ぶりにおつね(飯田蝶子)と中学生になるその息子・新吉(三井秀男)のいる田舎町に興行にやってくる。新吉は彼の実の息子で、養育…
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映画評「父ありき」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1942年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 長野、中学(旧制)の数学教師・笠智衆は引率した先で生徒が水難死した為責任を取る形で職を辞し、故郷での役所勤めも居心地が悪く、東京でサラリーマンをやって収入を得ることを決意すると、息子(津田晴彦)を寄宿舎に入れて旅立っていく。  十数年後、大学…
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映画評「風の中の牝鶏」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1948年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 戦後の小津安二郎の作品の中では珍しく劇的要素のある作品である。メロドラマと言っても良い。 終戦より数ヵ月後の東京、夫が復員していない時子(田中絹代)は、新婚時代の衣服などを売りさばいてまだ幼い息子を養育しているが、ある時息子が急病に倒れる…
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映画評「突貫小僧」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1929年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 先週(2003年12月)亡くなった青木富夫氏が題名と同じ突貫小僧の芸名で主演した小津安二郎の短編映画。物語はO・ヘンリーの短編小説「赤酋長の身代金」をベースにしているらしい。 かくれんぼをしていた5歳くらいの突貫小僧を人さらいの斎藤達雄が…
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映画評「一人息子」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1936年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 1936年のこの作品では小津安二郎はまだあの独自の演出スタイル(特に捨てカットによる場面転換)、テーマ(家及び家制度の崩壊)を完全には確立していない。戦後の作品と共通する要素も多いが、まだ家族の関係に望みを持っていたようである。日本に個人主義と…
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映画評「母を恋わずや」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1934年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 小津安二郎としては「一人息子」と同じく、珍しく母と息子の関係を扱ったサイレント末期のドラマである。 夫亡き後も母・吉川満子は二人の息子をしっかりと育てるが、大学入学の際に岩田祐吉扮する長男は弟とは異母兄弟であることを知る。母が弟だけを厳し…
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映画評「東京の宿」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1935年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 小津安二郎の中でも<喜八もの>と言われる作品群はストレートに感情に訴えるタイプと言って良い。この作品などは典型ではないか。  1935年というから世界恐慌の余波が日本にまだ残っていた頃が舞台で、失業者がテーマになっている。 失業中の喜八…
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映画評「戸田家の兄妹」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1941年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 資産家・戸田家の当主が急死すると、残された老母(葛城文子)と未婚の三女(高峰美枝子)が邪魔者扱いされる。天津へ赴任していた次男(佐分利信)が帰国した際その事実に気が付き、当主となった長男(斎藤達雄)とその妻(三宅邦子)、未亡人の長女(吉川満子)…
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映画評「東京物語」

☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1953年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり   何と言っても一番好きな小津作品である。芸術的には「晩春」は勿論「麦秋」にも劣るかもしれないが、主役の老人を演ずる笠智衆が今は亡き祖父に見えて仕方がない僕にはこの作品が好きにならずにいられないのである。よって、細かいことには触れないでおく。…
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映画評「淑女は何を忘れたか」

☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1937年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり   戦後の小津安二郎には本格的な喜劇作家のイメージは希薄だが、戦前には多様な喜劇をものしており、これはその中でソフィスティケーテッド・コメディーと言われるもの。そもそもこの類のコメディーはなかなか邦画では観られないのだが、話術の見事さに「これ…
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映画評「お茶漬の味」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1952年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり   久しぶりの再鑑賞。 ああ、これは自身の傑作「淑女は何を忘れたか」の焼き直しであったのか!   かかあ天下の紳士(佐分利信)が最後には奥方(木暮実千代)に認められる、という構図だけでなく、紳士と姪(津島恵子)の関係、姪と紳士の後輩との関…
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