映画評「日曜日が待ち遠しい!」 ☆☆☆★(7点/10点満点中) 1982年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり 順不同で取り上げてきたトリュフォー特集もこれが最後。遺作なので、これを途中で取り上げるわけには行かなかった。 彼は本作製作の2年後52歳で夭逝した。彼の敬愛するヒッチコックの死から僅かに4年後である。「天国でヒッチコックと… トラックバック:0 コメント:2 2006年12月24日 続きを読むread more
映画評「柔らかい肌」 ☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1963年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり ヌーヴェルヴァーグではなくニューシネマ時代に映画を本格的に観始めた世代であるから、本作を実際に目をしたのはトリュフォー後期の傑作「隣の女」より後で、同作の強烈なイメージに引きずられて堪能したものである。 しかし、今日見返すと… トラックバック:3 コメント:6 2006年12月17日 続きを読むread more
映画評「暗くなるまでこの恋を」 ☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1969年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり 「経験では映画は語れない、」と遠回しに僕を批判した人がいた。映画を批評する時に大事なのは鋭い意見ではなく、(経験なしには為しえない)高い精度なので彼の意見は的外れと思うが、それとは別の形で反論しよう。 例えば、このフランソワ… トラックバック:0 コメント:0 2006年12月10日 続きを読むread more
映画評「トリュフォーの思春期」 ☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1976年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり フランソワ・トリュフォーは後期古典的な作風に変っていったが、その中でこれはスケッチ集的作品で、トリュフォーの作品の中でも最もヌーヴェルヴァーグ的な作品と言っても良いくらい天衣無縫な印象がある。それもそのはずで、本作は「大人は判… トラックバック:5 コメント:10 2006年12月03日 続きを読むread more
映画評「緑色の部屋」 ☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1978年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり フランソワ・トリュフォーが自ら主演する作品はいずれも、トリュフォーの三つの分野に入らない作品である。 1928年頃、先の大戦で生き残ったことが苦痛になっている新聞社編集部員ジュリアン(トリュフォー)は、また、新婚早々死んで… トラックバック:2 コメント:4 2006年11月26日 続きを読むread more
映画評「恋愛日記」 ☆☆☆★(7点/10点満点中) 1977年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり フランソワ・トリュフォーの中では面白味の薄い作品だが、過去の作品と関連付けてみれば楽しめる部分が多いし、役者も良い。 飛行機会社の技師をしているらしい主人公シャルル・デネは足フェチで、足を基準に女性にモーションを掛け、かな… トラックバック:2 コメント:4 2006年11月19日 続きを読むread more
映画評「野性の少年」 ☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1969年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり フランソワ・トリュフォーには大きく分けて三つのタイプに分けられるが、この作品はどれにも当てはめることが出来ない。心理学と生物学の分野でよく知られる<アヴェロンの野生児>をテーマにしているのである。 フランス革命勃発から9… トラックバック:4 コメント:13 2006年11月12日 続きを読むread more
映画評「逃げ去る恋」 ☆☆☆★(7点/10点満点中) 1978年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり フランソワ・トリュフォーの長編第1作「大人は判ってくれない」で悲劇的ムードで始まった自伝的連作映画小説<ドワネルもの>も第二作から喜劇調に変調して、いよいよ最終第5作である。 前作「家庭」から7,8年後、印刷所に勤め、あの… トラックバック:2 コメント:2 2006年11月05日 続きを読むread more
映画評「あこがれ」 ☆☆☆(6点/10点満点中) 1957年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり フランソワ・トリュフォーの長編デビュー前に発表した17分の短編。 物語は2000年にジュゼッペ・トルナトーレが発表した佳作「マレーナ」の前半に似たローティーン少年たちの思春期らしい可愛い煩悩である。 憧れのベルナデット・… トラックバック:2 コメント:4 2006年10月29日 続きを読むread more
映画評「黒衣の花嫁」 ☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1968年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり フランソワ・トリュフォーの娯楽寄りの作品は明らかに過小評価である。「裏窓」の原作者でもあるコーネル・ウールリッチの代表作を映画化したこのサスペンスもかなり完成度が高いが、不評の理由が全く解らない。 名前も名乗らない謎めい… トラックバック:3 コメント:20 2006年10月29日 続きを読むread more
映画評「恋のエチュード」 ☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1971年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり フランソワ・トリュフォーはアンリ=ピエール・ロシェの小説「ジュールとジム」を映画化して傑作「突然炎のごとく」を作ったが、ロシェのもう一つの作品「二人の英国女性と大陸」を映像化したドラマである。そして、この二作は表裏一体の作品なの… トラックバック:7 コメント:8 2006年10月28日 続きを読むread more
映画評「アデルの恋の物語」 ☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1975年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり 30年前に映画館で観て以来二度目の鑑賞になろうか。 この映画の主人公であるアデルは、「レ・ミゼラブル」で有名なフランスの文豪ヴィクトル・ユゴーの次女である。その彼女の半生を綴ったフランセス・V・ギールの小説「アデル・ユゴ… トラックバック:4 コメント:10 2006年10月22日 続きを読むread more
映画評「終電車」 ☆☆☆★(7点/10点満点中) 1980年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり フランスでアカデミー賞に当たるセザール賞を10部門も獲得したフランソワ・トリュフォーの代表作。 ドイツ軍占領下のパリ、モンマルトル劇場の花形女優であるカトリーヌ・ドヌーヴは、経営者でユダヤ人演出家の夫ハインツ・ベネントが逃… トラックバック:2 コメント:9 2006年10月15日 続きを読むread more
映画評「華氏451」 ☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1966年イギリス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり マイケル・ムーア監督の「華氏911」というタイトルを目にした時懐かしい本作を思い出した方も少なくないであろう。フランソワ・トリュフォーとしては初めて一般ドラマから離れた記念すべき第一作で、レイ・ブラッドベリの原作は映画化前からS… トラックバック:8 コメント:4 2006年10月08日 続きを読むread more
映画評「家庭」 ☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1970年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり フランソワ・トリュフォーの自伝的シリーズ、アントワーヌ・ドワネルもの第4作。 前作「夜霧の恋人たち」で結ばれたアントワーヌ(ジャン=ピエール・レオー)がクリスティーヌ(クロード・ジャド)と正式に結婚した直後から始まる。 … トラックバック:2 コメント:2 2006年10月01日 続きを読むread more
映画評「隣の女」 ☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1981年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり 僕は不倫の絡む恋愛映画に好きなものが多い。「逢びき」「イノセント」「ライアンの娘」そしてこの「隣の女」。映画館で三度も観たほどのお気に入りだ。 文学でも「緋文字」や「ボヴァリー夫人」といった不倫が絡んだものに心が揺さぶら… トラックバック:4 コメント:39 2006年09月24日 続きを読むread more
映画評「夜霧の恋人たち」 ☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1968年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり フランソワ・トリュフォーのアントワーヌ・ドワネルもの第3作。 故・淀川長治さんはジャン=ピエール・レオーがトリュフォーその人に見えると仰ったが、彼自身をモデルにしたドワネルものに主演し続けたので、それはトリュフォー・ファンに… トラックバック:2 コメント:4 2006年09月17日 続きを読むread more
映画評「アントワーヌとコレット」(「二十歳の恋」フランス篇) 日曜日に掲載してきたアルフレッド・ヒッチコック大特集、即ち名付けて<ヒッチ曜日>が先月50本(残り2本)をもってひとまず完了致しました。ご愛顧有難うございました。 さて、次の日曜特集は何にしようか思っていましたが、やはり、この人しかいないようです。<日曜日が待ち遠しい>・・・そうです、敬愛するフランソワ・トリュフォーです。皆様に待ち… トラックバック:2 コメント:4 2006年09月10日 続きを読むread more
映画評「突然炎のごとく」 ☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1961年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり 贔屓中の贔屓フランソワ・トリュフォーの長編第3作は、文学以上に文学を感じる大傑作である。劇中歌「つむじ風」もお気に入り。 第一次大戦前夜のパリ、ドイツの文学青年ジュール(オスカー・ウェルナー)とフランスの文学青年ジム(… トラックバック:7 コメント:6 2006年02月14日 続きを読むread more
映画評「アメリカの夜」 ☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1973年フランス=イタリア映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり 大分昔に映画館で観たが、今回は前以上に楽しめた感がある。トリュフォーの傑作中の傑作で、楽屋裏映画としても映画史に残る秀作と言って良い。 この作品の監督トリュフォー自ら演ずるフランスの映画監督が様々な障壁にぶつ… トラックバック:2 コメント:10 2006年01月22日 続きを読むread more
映画評「大人は判ってくれない」 ☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1959年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり フランソワ・トリュフォーの長編第1作で、所謂<アントワーヌ・ドワネルもの>第1作。<ドワネルもの>は約20年に渡り同一俳優ジャン=ピエール・レオーを起用して作られた成長記録であり、全世界でも例のないものであります。「二十歳の恋… トラックバック:5 コメント:8 2006年01月16日 続きを読むread more
映画評「私のように美しい娘」 ☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1972年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり 下は、1987年4月に記した古いものです。悪しからず。 フランソワ・トリュフォーとしてはそう名高い作品ではないが、傑作である。話術の巧さで師匠とも言うべきアルフレッド・ヒッチコックに並ぶ。誠に惜しい人を若くして亡くした(… トラックバック:3 コメント:6 2006年01月16日 続きを読むread more
映画評「ピアニストを撃て!」 ☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1960年フランス映画 監督フランソワ・トリュフォー ネタバレあり フランソワ・トリュフォーは僕の大好きな映画作家であるが、この作品と親戚関係と言ってもよい「日曜日が待ち遠しい」を残して53歳で夭逝してしまった。悔しくてたまらない。 「大人は判ってくれない」で鮮烈なデビューを果たしたトリュフォ… トラックバック:2 コメント:3 2005年12月04日 続きを読むread more