テーマ:黒澤明

映画評「まあだだよ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1993年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明の第30作にして遺作は、作家・内田百閒と法政大学教授時代の教え子との30年近い交流を描いた伝記的ドラマである。 法政大学退官から10年後の昭和18年、内田(松村達雄)は教え子たち(井川比佐志、所ジョージ、由井昌油樹、寺尾聰ら)を越し…
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映画評「八月の狂詩曲(ラプソディー)」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1991年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明第29作はテーマ的に第15作「生きものの記録」の作り直しと言って良い。 8月、長崎市から少し離れた山村に住む80歳くらいの老女・鉦(かね=村瀬幸子)に預けられた4人の孫たち(吉岡秀隆、大寶智子、伊崎允則、鈴木美恵)は長崎市の原爆資料…
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映画評「乱」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1985年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明の第27作は、28年前の「蜘蛛巣城」でも取り上げたウィリアム・シェークスピアの四代悲劇から今度は「リア王」を翻案して作り上げた大型時代劇である。 戦国の乱世、猛将として周囲に名を馳せた戦国大名の一文字秀虎(仲代達矢)が寄る年波の為に…
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映画評「影武者」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1980年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明第26作は武田信玄を中心とした権謀術数を描く戦国絵巻である。若い時御大には<応仁の乱>を映像化するアイデアがあったらしいので、本懐を遂げた形と言って良いのだろう。 元亀四(1573)年、信玄(仲代達矢)が徳川家康の家臣の放った銃弾…
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映画評「デルス・ウザーラ」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1975年ソ連映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明第25作はウラジミール・アルセーニェフの探検記を原作とした力作だが、日本人として誠に恥ずかしいことに、ソ連映画である。映画の不況期を迎え、国内に黒澤の完全主義に付き合える製作会社がなくなったのだ。1965年以降10年間で「赤ひげ」を含めて3本…
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映画評「どですかでん」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1970年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明第24作は初めてのカラー作品。御大お気に入りの作家・山本周五郎の小説「季節のない街」の映画化だが、学生時代にオールナイトで観た時は相当変な作品という印象ながらかなり楽しめた記憶がある。全体の印象はその時と余り変わらない。以前ゴーリキーを映画化…
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映画評「赤ひげ」

☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1965年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり デビュー作「姿三四郎」以来黒澤明は一貫してヒューマニズムの作家であったが、最後のモノクロ作品である本作は初見時から黒澤ヒューマニズムを集大成したという印象が強い。原作は山本周五郎の時代小説。 江戸時代、西洋医学を修めたことをひけらかす…
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映画評「どん底」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1957年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明第17作は、マクシム・ゴーリキーの四幕戯曲を幕末の日本に翻案した時代劇である。東京に暮らしていた学生時代にオールナイトの四本目として、眠い目を擦りながら(多分たまに眠りながら)観たのが最初で、その後映画館でもう一度見直している。 荒…
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映画評「蜘蛛巣城」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1957年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明第16作は再び時代劇。ウィリアム・シェークスピアの四代悲劇の一つ「マクベス」を戦国時代の日本に舞台を移して翻案した野心作である。 マクベスに相当するのが三船敏郎演ずるところの一の砦の大将・鷲津武時。ある戦国大名の下、二の砦の大将・三…
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映画評「生きものの記録」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1955年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 10年前の今日黒澤明が亡くなった。従って、代表作「七人の侍」あたりの映画評をアップするのがふさわしいが、既に雑文の形で出してしまっているので、NHK-BS2の放映順に沿ってこの地味な作品と参りましょう。 「七人の侍」に次ぐ黒澤明第15作は核へ…
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映画評「生きる」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1952年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明長編第13作は、昨年TVでリメイクもされた有名作。個人的には大学時代に初めて見て感激した一編で、今回は都合4回目になると思う。しかし、今回NHK-BS2での放映版を見落としたので、若干画質の落ちるライブラリーより観るしかなかったのは残念。 …
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映画評「白痴」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1951年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 僕がロシア語ロシア文学を専攻したのはプーシキン、ツルゲーネフ、チェーホフが好きだったからで、大御所ドストエフスキーとトルストイについてはそれ程詳しくない。悪しからず。 さて、本作は黒澤明が長編第12作としてそのドストエフスキーの代表的長編の一…
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映画評「醜聞<スキャンダル>」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1950年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明通算第10作は松竹で撮ることになったが、配役の関係もあってそれほど松竹らしくはなっていない。 新進画家の三船敏郎が人気歌手と偶然旅館にいるところを写真に撮られ、それに俗悪なカストリ雑誌が適当な文章を付けた為にスキャンダルに発展するが、気…
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映画評「静かなる決闘」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1949年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 「酔いどれ天使」の成功で完全に一流監督の仲間入りをした黒澤明通算第8作、戦後第4作。この作品から2年後の「白痴」まで東宝で作品が撮れない時期が続く。本作は大映製作である。  今回の印象は最後にまとめることにして、まず30年くらい前の大学時代に書い…
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映画評「野良犬」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1949年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明通算第9作、戦後第5作はサスペンス映画である。 ある猛暑の夏の日、新米刑事・三船敏郎が混雑して人いきれのするバスの中で拳銃をスリに奪われ、最初にスリを働いた女・岸輝子を執拗に追いかけ回し、ありそうな場所のヒントを貰う。  そこから辿り…
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映画評「一番美しく」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1944年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明第2作は、恐らく最も国策映画の作られた1944年製作ということもあって国策映画(戦意高揚映画)である。いつ頃そうなったのか定かではないが、戦中作られた映画は、内容を問わずタイトルの前に「撃ちてし止まむ」の文字を入れることになっていた。 …
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映画評「虎の尾を踏む男達」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1945年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明第4作は、源義経の奥州落ちを題材にした能「安宅」とその翻案である歌舞伎十八番「勧進帳」をベースにした時代劇。短いせいもあって子供時代から何度か観ている作品だ。 1938年以降戦中戦意高揚を目的としない現代劇は作りにくかったので映画作家た…
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映画評「續姿三四郎」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1945年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 言うまでもなくデビュー作の続編で、通算第3作。 修行の旅から帰ってきた三四郎(藤田進)が小柄な車夫をいじめた水兵を海に放り投げる。前作の開巻のリピートに過ぎないが、この車夫は後に入門する。彼の出世がショットのオーヴァーラップで示される場面が僕…
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映画評「姿三四郎」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1943年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明監督第一作としてのみ評価される傾向がある作品だが、とんでもない、黒澤作品の中でも最も映画的な躍動感に富んでいると言っても良い傑作である。 太平洋戦争もたけなわの1943年に作られ同年完全版が初公開された後、残念ながら翌44年に検閲で20…
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映画評「羅生門」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1950年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 偶然にも本作がNHK-BS2で放映された日の昼間、芥川龍之介が「羅生門」と「藪の中」の材を求めた二作が入っている「今昔物語 巻第二十九」を読んだ。 本作はその「藪の中」を橋本忍が脚本化、黒澤明が映像化した作品である、なんてことは映画ファン…
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映画評「椿三十郎」(1962年版)

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1962年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 後に外国の映画界に少なからぬ影響を残すことになる「用心棒」のヒットに気を良くして東宝が黒澤明に作らせたと言われる続編だが、こちらには山本周五郎「日々平安」という原作がある。続編として成立させる為に換骨奪胎したというほうが正確。  今回はリメイクが…
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映画評「ジャコ万と鉄」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1949年日本映画 監督・谷口千吉 ネタバレあり 2001年映画鑑賞メモより。 昨日の「銀嶺の果て」とほぼ同じスタッフで作られているダイナミックなドラマ。脚本に谷口千吉監督自身が加わっているのが違うだけ。しかし、そのせいか通常の黒澤明的でない部分もある。役者の顔ぶれのせいかもしれない。 …
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映画評「銀嶺の果て」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1947年日本映画 監督・谷口千吉 ネタバレあり 2001年映画鑑賞メモより。 黒澤明の脚本を谷口千吉が映像化した極限ドラマだが、黒澤らしく線が太くて見事である。同時代の米国映画のような感覚で観られる作風なのも有り難い。 三人の銀行強盗犯が雪山へ逃げ込む。一人は発砲が原因の雪崩で死に…
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映画評「夢」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1990年日本=アメリカ映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 公開当時のレビューです。 80年代に入ると海外の映画人に支えられて世界の大巨匠・黒澤明に接する機会が70年代よりぐっと増えた。喜ばしいことではあるが、一方で、日本人としてこれほど恥ずかしいこともない。  本作もスティーヴン・スピル…
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映画評「天国と地獄」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1963年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明通算第21作(オムニバスの1編を除く)、戦後第17作。 世界に誘拐ドラマは数多いと言えど、これほど重厚な演出で見せ切った作品は例がないのではないか。原作は有名なエド・マクベインの犯罪小説で、「悪い奴ほどよく眠る」とほぼ同じ脚本メンバー…
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映画評「悪い奴ほどよく眠る」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1960年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明通算第18作、戦後第14作。黒澤プロ第1作でもある。 建築公団副総裁(森雅之)の娘(香川京子)と建築会社の社員(三船敏郎)との結婚式が行われ、それを観ながら記者連中がきな臭い話をする。ウェディング・ケーキは何と数年前にその建設を巡り自…
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映画評「酔いどれ天使」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1948年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明戦後第3作。以前の作品もヒューマニズムに裏打ちされていたが、黒澤の方向性が決まった記念碑的作品ではないかと思う。 幹部がいなくなり幅を利かせるようになっていたヤクザ・三船敏郎が結核にかかっていることが判明、医師・志村喬にかかり、酒を飲…
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映画評「素晴らしき日曜日」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1947年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明の長編第6作で、戦後第2作。再鑑賞作品。 戦地から帰国したばかりの貧しい青年・沼崎勲と恋人・中北千枝子は日曜日にしか会えず、本日の持ち金は併せて35円(饅頭1個5円、コーヒー1杯5円の時代)。35円でいかに一日を過ごそうかという物語であ…
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映画評「わが青春に悔なし」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1946年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 黒澤明の長編第5作で、戦後第1作。 農村出身で共産主義を信奉する京大学生・藤田進と恋に落ちた大学教授令嬢・原節子が父の反対を押し切って結婚、彼が獄中で死んだ後も彼の実家で百姓稼業に精を出し、戦後農村のリーダーとして迎えられる。 戦後流行…
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映画評「隠し砦の三悪人」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1958年日本映画 監督・黒澤明 ネタバレあり 25年ほど前に観た時より遥かに楽しめた。その時の採点(ブログとは違う百点満点星取表)を確認したら同じ点でびっくりしたが、必ずしも納得して付けたものではないようだ。 舞台設定は「七人の侍」より多少前ではないかと想像される戦国時代である。  …
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