映画評「糸」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・瀬々敬久 ネタバレあり 瀬々敬久監督は近年の邦画界では珍しいサムライで、「感染列島」のような大衆的な作品から「ヘヴンズ ストーリー」のような純文学まで幅広くものすが、欠点もある監督である。彼の作品は、タイプを問わず、大袈裟なのである。  特に「感染列島」のような完全な大…
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映画評「ある女優の不在」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2018年イラン=アメリカ合作映画 監督ジャファル・パナヒ ネタバレあり ジャファル・パナヒ監督の前作「人生タクシー」はメタフィクションとして非常に面白く観た。本作も前回同様監督が映画監督として出演もし、やはりメタフィクション的ではあるが、本作はドキュメンタリーとフィクションの中間を行く作品とし…
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映画評「今宵、212号室で」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年フランス=ベルギー=ルクセンブルク合作映画 監督クリストフ・オノレ ネタバレあり 昔のフランス恋愛映画はお話も面白く、演出も洒落ているものが多かったが、ヌーヴェル・ヴァーグ定着以降に作られた恋愛映画はどうも理屈が先行して余り面白くない。  本作も超現実的内容を交えているのに洒落っ気が不…
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映画評「オーソン・ウェルズ IN ストレンジャー」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1945年アメリカ映画 監督オーソン・ウェルズ ネタバレあり 1990年代に衛星放送で観た。オースン・ウェルズの監督作品ながら依然日本劇場未公開だが、出来栄えは決して悪くない。同時代の日本で公開されなかったのは、恐らくGHQがナチスをテーマにしている本作の占領下日本での公開を嫌がったのであろう(…
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映画評「星の子」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・大森立嗣 ネタバレあり 今村夏子の同名小説を大森立嗣が映画化したドラマ。 現在中学3年生のちひろ(中学時代:芦田愛菜)は生まれた時から病弱で、生後間もないうちの湿疹に手を焼いた時にある新興宗教が売る水を使って(偶然かもしれないが)回復、父(永瀬正敏)と母(原田知世)…
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映画評「アス」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年アメリカ映画 監督ジョーダン・ピール 重要なネタバレあり。未鑑賞の方は要注意デス。 デビュー作の「ゲット・アウト」が当たったジョーダン・ピール監督の第2弾。一度当ててしまうと次作のハードルが高くなって大概の監督が苦労するのだが、さてピール監督の首尾はどうか?  少女時代遊園地でドッ…
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映画評「アドリフト 41日間の漂流」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年アメリカ=イギリス=香港合作映画 監督バルタザール・コルマウクル ネタバレあり 海洋でのサバイバルものと言えば、「オープン・ウォーター」(2004年)という、プロダクションとしては誠に貧弱ながら、観客の本能的な想像力に訴えて商業的に成功した作品がある。  本作は邦題が示す通り乗っていた…
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古典ときどき現代文学:読書録2021年上半期

大したことができないうちに半年が経ち、その速さに呆然とするオカピーであります。 コロナのワクチン接種が視野に入って来ました。当方、来週胃カメラを撮りに行った時に、かかりつけ医と相談の上で決めて来るつもり。予約が満杯らしく8月になってしまうようですが、僕も最初からオリンピック観戦後という腹積もりでいたので、さほど問題なしであります。…
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映画評「ソワレ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・外山文治 ネタバレあり 面白いかつまらないかを別にして、本作のように、真剣に人を見つめるオリジナル脚本の作品が多く作られることが望まれる。現在日本では青春映画が多いが、コミックにばかり頼るのでは映画ファン層はやがて空中分解して消失するだろうと危惧している。  実際本ブロ…
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映画評「ハワーズ・エンド」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1992年イギリス=日本合作映画 監督ジェームズ・アイヴォリー ネタバレあり E・M・フォースターは20世紀前半における重要な作家であるが、日本では余りお馴染みではなかったのではないか。かく言う僕自身、デーヴィッド・リーン監督「インドへの道」(1984年)で紹介されるまで全く知らなかった。その翌…
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映画評「ブルーノート・レコード ジャズを超えて」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2018年スイス映画 監督ソフィー・フーバー ネタバレあり 中学から高校にかけて「FMレコパル」「サウンド・レコパル」に触れるうちに向上心が芽生えて、ジャズも聴いてみたいと思った。音楽やオーディオ初心者向けのこれらの雑誌でも紹介されていた名盤の呼び声高いソニー・ロリンズ「サキソフォン・コロッサス…
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映画評「ドロステのはてで僕ら」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・山口淳太 ネタバレあり 若者たちが歴史(と言っても個人的なことなのだが)を変えないように努力するタイムマシンものの傑作「サマータイムマシン・ブルース」(2005年)を生み出した劇団【ヨーロッパ企画】が演劇の映画化ではなく、オリジナルの映画として作ったという点が興味。また…
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映画評「最高の花婿 アンコール」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年フランス映画 監督フィリップ・ド・シャーヴロン ネタバレあり フランスで大ヒットした風刺喜劇の第二弾。 第一作は、四人姉妹がそれぞれ違う人種・民族と結婚するという一家民族るつぼ状態に達した両親特に父親クリスチャン・クラヴィエの困惑を描いて可笑しかったが、底が浅くて面白い(興味深い)…
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映画評「バルーン 奇蹟の脱出飛行」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年ドイツ=フランス=アメリカ合作映画 監督ミヒャエル・ヘルビヒ ネタバレあり 東ドイツから西ドイツへの脱出を描いたドイツ製映画では「トンネル」(2001年)がドラマ性もサスペンスも充実、超弩級と言っても良いくらいの秀作だった。最近観た「僕たちは希望という名の列車に乗った」は一種の青春映画と…
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映画評「TENET テネット」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2020年アメリカ=イギリス合作映画 監督クリストファー・ノーラン ネタバレあり 文字通り時間がどんどん逆行して展開する映画「メメント」(2000年)を出世作とするクリストファー・ノーランとしては、自身頗る興味のあるテーマに再び取り組んだと言えましょう。しかし、何故か「メメント」に言及する人が少…
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映画評「女吸血鬼」

☆☆★(5点/10点満点中) 1959年日本映画 監督・中川信夫 ネタバレあり タイトルは客寄せの為のインチキで、女吸血鬼なるものは出て来ない。女性の血だけを吸う偏った吸血鬼(西洋のものも何故か圧倒的に女性が吸われる)が出て来るだけである。 新聞記者の和田桂之助が婚約者の池内淳子の誕生日祝いの為に、その父親たる科学者中村…
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映画評「私の知らないわたしの素顔」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年フランス=ベルギー合作映画 監督サフィ・ネブー ネタバレあり 中年シングルマザーの孤独な心理をなりすましができるネットを手段に描き出した心理サスペンスである。 前半はサスペンス性は殆どなく、二人の男児の母親である文学・文学史の教授クレール(ジュリエット・ビノシュ)が、年の離れた恋…
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映画評「瀧の白糸」(1933年版)

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1933年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 泉鏡花の同名戯曲を溝口健二が映画化したサイレント映画。1980年代以来の再鑑賞。衛星放送を録画したものを保存してあるが、今回はプライムビデオで観た。 江戸時代の風俗もまだ残る文明開化の明治半ば。水芸人として一世を風靡する滝の白糸こと水島友(…
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映画評「母との約束、250通の手紙」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年フランス=ベルギー合作映画 監督エリック・バルビエ ネタバレあり 文学史には詳しいと思うが、現代文学には甚だ疎く、本作の原作に当たる自伝小説「夜明けの約束」を書いたロマン・ガリも知らない。  Wikipediaによると、僕が非常に気に入った映画「これからの人生」の原作を書いたエミール・…
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映画評「事故物件 恐い間取り」

☆★(3点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・中田秀夫 ネタバレあり 題名に興味が湧いたので観てみたが、お粗末にすぎる。松原タニシという芸人の体験(を記したノンフィクション)を映画化したホラー映画。  ホラーに実績のある中田秀夫が監督をしたのにこの出来栄えでは誠にがっかりさせられる。割合好評なallcinemaの投稿…
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