映画評「名もなき生涯」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年アメリカ=イギリス=ドイツ合作映画 監督テレンス・マリック ネタバレあり テレンス・マリック監督は最近まで非常な寡作であったが、近年は精力的に活動している。概して内容は純文学という以上に哲学的で、正確に理解するのはハードルが高い。その点本作はタッチは従来通りながら、実話に基づいた内容は…
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映画評「グッドバイ~噓からはじまる人生喜劇~」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・成島出 ネタバレあり 太宰治最後の小説の映画化だが、序盤のうちに未完に終わったので、映画作者が色々と加えられるというメリットがある。それを生かせるかどうかは映画人の腕次第。とは言っても、本作には、その遺作から作り上げられたケラリーノ・サンドロヴィッチの戯曲があると言ってお…
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映画評「男と女 人生最良の日々」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年フランス映画 監督クロード・ルルーシュ ネタバレあり クロード・ルルーシュの作品の邦題に「男と女」とあるのが数多くあるので、どれがどれか解らなくなっているが、本作は彼の出世作「男と女」の正式な後日談で、1986年に作られた「男と女Ⅱ」に次ぐシリーズ第三作にして(関係者の年齢を考えると)最…
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映画評「フィーシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年イギリス映画 監督クリス・フォギン ネタバレあり 二日続けて英国製の音楽絡みで、それも地方色を打ち出すという共通性がある。フィッシャーマンズ・フレンズというフォーク(民謡)・グループをめぐる実話もの。 ロンドンの音楽マネージング会社(?)の社員ダニエル・メイズが、上司らと訪れたコ…
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映画評「ワイルド・ローズ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年イギリス映画 監督トム・ハーパー ネタバレあり 音楽を巡るドラマ映画は色々あるが、カントリー畑は割合少ない。僕が観たのは本作でも絡んでくるグランド・オール・オープリーを開催するナッシュヴィル市をテーマにしたその名も「ナッシュビル」(1975年)、ロレッタ・リンの伝記映画「歌え!ロレッタ愛…
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映画評「夜の来訪者」(2015年)

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2015年イギリス映画 監督アスリング・ウォルシュ ネタバレあり チャールズ・ブロンスン主演のスリラーに「夜の訪問者」(1970年)という邦題の作品があるが、全く関係ない。英国の人気大衆文学作家J・B・プリーストリーの戯曲のTV映画化である。日本でも文庫本が出たほどの人気作で、TV映画を中心に何…
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映画評「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督ボー・バーナム ネタバレあり エイス・グレードというのはアメリカ教育制度における8年生のことである。どうも現在のアメリカは大体4-4-4制らしいので、中学(Middle)の最終学年ということ。 間もなく高校へ進む大人しい少女ケイラ(エルシー・フィッシャー)は、自信…
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映画評「楽園」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・瀬々敬久 ネタバレあり 吉田修一の短編集「犯罪小説集」収録の短編二編を組み合わせて作ったドラマ。 長野県の限界集落で、学校帰りの小学3年生くらいの女児・愛華が行方不明になる。直前まで一緒にした同級生・紡は喧嘩別れした後なので自分のせいのように感じる。  12年後似…
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映画評「スキャンダル」(2019年)

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年アメリカ=カナダ合作映画 監督ジェイ・ローチ ネタバレあり 「スキャンダル」という邦題の映画はやたらにあるので、困ります。この映画の主題はどう考えてもスキャンダルではないが。 ドナルド・トランプが大統領から退いたので、少なくとも3年後くらいまでは日本で関心を持たれることが少なくなる…
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映画評「木曜組曲」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2002年日本映画 監督・篠原哲夫 ネタバレあり 篠原哲雄という監督は「深呼吸の必要」(2004年)で感覚が面白いと思って以来気づけば観ることにしているが、なかなかその時の印象に及ぶものがない。と言っても、同作が彼の最高傑作という意味ではない。  本作はそれより2年前の作品で、当時は知らなかった…
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映画評「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしの作り方」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督ジョン・チェスター ネタバレあり ドキュメンタリー映画。日本的大衆に向けたサブタイトルが煩いものの、内容は実に良い。 キリスト教的あるいはアメリカ的な考えの難を指摘する意見を読んだが、農場の経営者であり作者でもあるジョン・チェスターは既にその問題に気付いている。…
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映画評「犯罪河岸」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1947年フランス映画 監督アンリ=ジョルジュ・クルーゾー ネタバレあり 1980年代に観たことがあり、我がライブラリーにビデオもあるが、画質が上であろうプライムビデオで観る。アンリ=ジョルジュ・クルーゾーの日本における出世作である。 第二次大戦直後のパリ。ピアニストのベルナール・ブリエは…
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映画評「月曜日のユカ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1964年日本映画 監督・中平康 ネタバレあり ブログを始める何年か前に観ている。 Allcinemaにあるコメントの通り、「狂った果実」(1956年)でヌーヴェル・ヴァーグに影響を与えたとあれる中平康監督が、成熟したヌーヴェル・ヴァーグから逆輸入したような感覚が爆発、大いに楽しめる。原作…
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映画評「弥生、三月-君を愛した30年-」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・遊川和彦 ネタバレあり 長きに渡るロマンスでござる。 スタートは1986年。正義感が強く押しの強い女子高生・波留は、血液の病気(血友病?)を患っている同級生・杉咲花と仲が良く、彼女の大好きなサッカー男子・成田凌との恋の成就に奔走するが、告白させる前に親友は死んでしま…
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映画評「悪人伝」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年韓国=アメリカ合作映画 監督イ・ウォンテ ネタバレあり 韓国映画は映画論的にはなっていない(洗練度が低い)ものが多いのだが、皮肉なことにそこに日本あるいは世界の大衆に買われる理由がある。  例えば、韓国映画ではギャグとシリアスさが同じ作品に同居する。それらが適度にちらばっているのであれ…
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映画評「ニューオリンズ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1947年アメリカ映画 監督アーサー・ルービン ネタバレあり プライムビデオの無償リストに観ていない洋画は(ドキュメンタリー、TV映画を別にすると)殆どないが、この日本劇場未公開映画は初鑑賞。音楽の見識を増やそうと観てみた。 1917年のニューオリンズはベイズン・ストリートからお話は始まる。…
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映画評「記憶屋 あなたを忘れない」

☆☆(4点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・平川雄一朗 ネタバレあり 織守(おりがみ)きょうやという作家によるホラー小説の映画化であるが、映画版はホラーの印象はなく、ファンタジーを仕込んだ青春映画の趣きである。 プロポーズした恋人・杏子(蓮佛美沙子)にすっかり忘れられてしまった広島出身の大学生・遼一(山田涼介)…
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映画評「ある船頭の話」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年日本映画 監督オダギリジョー ネタバレあり この間観たグルジア映画「とうもろこしの島」で老人と孫娘がいかだで川を横切るのを観たばかりだが、本作でも似たような絵柄が見られる。水難と放火の違いはあるが、小屋を失う幕切れも似ている。  そう言えば、この作品にはどこか中央アジアの薫りが漂う。監…
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映画評「地の群れ」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1970年日本映画 監督・熊井啓 ネタバレあり プライムビデオの無償ラインアップに発見したので、観てみた。朝観終わり、たまたま図書館に出かける日だったので、予定の本に加えて急遽井上光晴の同名小説を借りて来、本稿の粗稿を書く前に完読した。  映画に解りにくいところがあったからだが、逆に映画を観て…
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映画評「シェイクスピアの庭」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年イギリス映画 監督ケネス・ブラナー ネタバレあり ちょうどウィリアム・シェイクスピアの最初の戯曲「ヘンリー六世」を読もうと思っていたところ。  偶然ではないが、本作は逆に最後の戯曲「ヘンリー八世」上演の際に主催するグローブ座が焼失した為劇作家を引退してロンドンから自宅に帰った後のシェイ…
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