映画評「惡の華」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・井口昇 ネタバレあり 「悪の華」と言えば、文学愛好家にはボードレールの詩集である。コミック・ファンには押見修造なる作者のコミックということになるらしい。  しかし、そのコミックはボードレールの「悪の華」がモチーフになっているので、間接的にコミック・ファンもボードレールを…
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映画評「サイレント・トーキョー」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・波多野貴文 ネタバレあり サスペンス映画を作ると日本映画はどうしても情が絡み過ぎて成功しない。「感染列島」はサスペンス要素は多かったのに情が絡んで矛盾だらけになって話が成立しないレベルに終わった。その点本作は話は辛うじて成立しているが、少なからず点出される情以上にプロパガ…
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映画評「アンティークの祝祭」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年フランス映画 監督ジュリー・ベルトゥチェリ ネタバレあり 一月前に観た幻想的コメディー「今宵、212号室で」では確執の相手が夫だったキアラ・マストロヤンニが、今度は母親を確執の対象とする、これもまた一種の幻想譚である。但し、主人公はその母親である。 80歳絡みで認知症の問題も多少抱…
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映画評「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・田部井一真 ネタバレあり 5か月前にエミール・クストリッツァ監督「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」を観ているので相当損をしている部分があるが、観ていない人には得るところが多いだろう。観ていても得るところと思われることを記してみる。 上述作でも…
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映画評「チア・アップ!」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ=イギリス合作映画 監督ザラ・ヘイズ ネタバレあり 高齢者が何か思い切ったことをやるというのは「最高の人生の見つけ方」(2007年)以来一ジャンルを形成しつつあるが、本作もそれに沿った内容。 末期ガンを患う元教師ダイアン・キートンが都会の住居を去って、ある町にある老人ばかり…
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映画評「喜劇 愛妻物語」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・足立紳 ネタバレあり 「百円の恋」という優れた脚本作のある足立紳が自らの脚本を映像に移した(一種の)ホーム・コメディーで、コミカルすぎるくらいの内容なのに平成以降の家族・夫婦関係のリアルさに甚だ感心させられた。足立の経験に基づくお話だろうと見当がつく内容である。 …
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映画評「悪魔スヴェンガリ」

☆☆★(5点/10点満点中) 1931年アメリカ映画 監督アーチー・メイヨ ネタバレあり ダフネ・デュ・モーリアの祖父ジョージ・ルイ・デュ・モーリアの小説「トリルビー」の何度目かの映画化。映画の誕生と共に作られた人気作で、トーキーではこれが初めてと思う。戦後では「魔人スヴァンガリ」(1954年)という邦題になった作品が我が邦に…
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映画評「一度も撃ってません」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・阪本順治 ネタバレあり 阪本順治監督は時々嬉しい傑作を発表してくれる。些かマニアックな内容なので万人受けしないかもしれないが、本作は正にそれである。 ハードボイルド作家として御前零児というペンネームを持つ老人・市川(石橋蓮司)の裏の顔は、元刑事のフィクサー石田(岸…
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映画評「フランクおじさん」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2020年アメリカ映画 監督アラン・ボール ネタバレあり アマゾン・プライム配信による日本公開。 脚本・監督のアラン・ボールはTV畑の人だが、サム・メンデス監督の秀作「アメリカン・ビューティー」(1999年)の脚本を書いている実力者。今回はかの作品よりぐっと解りやすい。 1973年の…
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映画評「野球少女」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年韓国映画 監督チェ・ユンテ ネタバレあり この題名の韓国映画は、普通の枠であれば観なかった可能性があるが、【W座からの招待状】で取り上げられる作品だから観た。尤も、野球が絡む映画は大概観るので、普通の枠でも観たかもしれない。 珍しくも高校の野球部に投手として所属する少女チュ・スイ…
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映画評「僕のワンダフル・ジャーニー」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ=中国=香港=インド合作映画 監督ゲイル・マンキューソ ネタバレあり 「僕のワンダフル・ライフ」の続編。 孤独な初老男性イーサン(デニス・クェイド)が、転生を続けるワンちゃんのおかげで、今は孫もいる初恋の女性ハンナ(マージ・ヘルゲンバーガー)と結ばれた前編最後の直後からお話…
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映画評「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1985年日本映画 監督・森崎東 ネタバレあり 森崎東監督シリーズ第2弾。雷雨によりうまく録画できなかったので、WOWOWの配信による鑑賞(初トライ)。  昨日の「喜劇 女は男のふるさとヨ」の焼き直し、少なくとも全く似た要素・構図のお話である。 どさ回りストリッパーのバーバラ(倍賞美津子…
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映画評「喜劇 女は男のふるさとヨ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1971年日本映画 監督・森崎東 ネタバレあり 森崎東監督の「喜劇」シリーズ(?)を観るのはこれで三本目である。脚本は、年下だが映画界では先輩に当たる山田洋次と共同で書いている。山田が加わっていることもあって、「男はつらいよ」と共通する要素も少なくないが、落語的な山田と違って森崎監督のタッチは漫才…
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映画評「ケンネル殺人事件」

☆☆★(5点/10点満点中) 1933年アメリカ映画 監督マイケル・カーティス ネタバレあり 本格推理の分野に大きな足跡を残し、アガサ・クリスティにも大きな影響を残した筈であるS・S・ヴァン・ダインのファイロ・ヴァンスもの第6作の映画化。  ウィリアム・パウエルがヴァンスに扮するシリーズとしては第5作で、このシリーズで私立探…
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映画評「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年日本映画 監督まんきゅう ネタバレあり イラストレーターよこみぞゆりの生み出した不思議なキャラクターたちが活躍するアニメ。 すみっこで過ごすのを好むペンギンや猫、にせつもり(かたつむりのふりをするナメクジ)やと偽とかげ(実は恐竜の生き残り)、とんかつやかきふらいの食べ残しなどのグル…
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映画評「お名前はアドルフ?」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年ドイツ映画 監督ゼーンケ・ヴォルトマン ネタバレあり フランス人二人組による「名前(ファーストネーム)」という戯曲をドイツの監督ゼーンケ・ヴォルトマンが映画化。なかなかの人気作品で、既に何度か映像化されているが映画は初めて・・・ということらしい。 文学教授シュテファン(クリストフ・…
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レッド・ツェッペリン「胸いっぱいの愛を」・・・僕拝借しちゃいました音楽シリーズその10

一日中オリンピック漬けで映画など見る暇がないと思いましたが、朝のうちに時間ができる時を見計らって少し観ることができると解りました。その時間帯も、BS放送でトライアスロンやマウンテンバイクなどを観ましたが、毎日は無理でも少しは映画も観られる。  従って、ページ稼ぎの記事は思ったほど必要ではなくなりそうであるものの、あと一週間ありまだ足り…
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映画評「ディック・ロングなぜ死んだのか?」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ダニエル・シャイナート ネタバレあり タイトル通りの内容を扱ったブラック・コメディーである。日本人には面白味が解らないところがあるし、アメリカ人でも品の良い方は眉をひそめるかもしれない。IMDbでは、後者を主たる理由とする 6.3 という平均得点なのかもしれない。 …
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映画評「トスカーナの幸せレシピ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年イタリア=ブラジル合作映画 監督フランチェスコ・ファラスキ ネタバレあり 悪い内容ではない。しかし、つまらない。その最大要因は発端が5カ月前に観た「だれもが愛しいチャンピオン」と全く同じだからである。 実力ある人物が短気が災いして軽い暴力事件を起こし、服役の代わりに障碍者グループを…
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映画評「カセットテープ・ダイアリーズ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年イギリス=アメリカ=フランス合作映画 監督グリンダ・チャーダ ネタバレあり ビートルズの「ゲット・バック」は当初パキスタン人差別を歌う内容であったと言う。パキスタン人を差別するのではなく、パキスタン人差別を皮肉るつもりだったらしい。しかし、それでも誤解を招いては困ると思ったのか、結局現…
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