映画評「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」

☆☆★(5点/10点満点中)
2020年アメリカ映画 監督キャシー・ヤン
ネタバレあり

予想と違って全くのメソメソくよくよ型で気に入らなかった「スーサイド・スクワッド」の続編、と言おうか、スピンオフでござる。ヒロインの名前ハーレイ・クインはハーレクイン・ロマンスのパロディでしょうな。

ゴッサム・シティに君臨するジョーカーの恋人であった為傍若無人の行為が見逃されていたハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)が、彼と切れたことが知られ、恨みを持つ連中たちから追われる中で、悪の王として益々の権力を握ろうと企むボスのサイオニス(ユワン・マクレガー)が狙う大金の在り処を記した情報を収める巨大ダイヤを盗んだアジア系少女カサンドラ(エラ・ジェイ・パスコ)を守らざるを得ない状況に追い込まれ、彼女を追っていた女刑事(ロージー・ぺレス)、サイオニスの下で働くが裏切ろうとしている女歌手にして運転手(ジャーニー・スモレット)、自分の家族を皆殺しに附した悪党を次々と殺し続ける遺児で弓矢の名手(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)と手を組み、自分達を苦しめているサイオニスたちと闘う。

というお話は、女性の解放を主題としたフェミニズムの内容で、女性VS男性の構図が露骨に前面に押し出されている。しかし、余りに露骨であるが故に、同じテーマで作られながら遠慮気味のところがなくもない最新版「チャーリーズ・エンジェル」より却ってすっきり見られるかもしれない。
 闘う女性たちの顔触れが、北方系白人、ラテン系白人、ヒスパニック、黒人、東洋人(少女)とバランスを取っているのがいかにも今らしく、徹底しているわいと苦笑が洩れるではありませんか。

女性たちの連続的なアクションは、恐らくはスタントウーマンを上手に使って、なかなか見応えあり、悪くない。
 ただ、小出しに過去を見せる「スナッチ」(2000年)式の見せ方はまだるっこく、しかももはや古臭く感じられるので買えない。

フェミニズムを忍ばせた映画やポリ・コレ推進派の映画が問題なのは作り方が型に落ちることである。僕がそれを別の言い方で表現すると、差別心があるなどと全く関係のないことを言われる。僕は女性を早く解放した文化圏ほど繁栄していると考え、例えばイスラムの女性解放を訴えているわけで、フェミニズムの目標そのものに何の異論もない。ポリ・コレについても同じである。しかるに、多様性を謳いながら、多様な映画の作り方を認めない彼らは矛盾している。アカデミー賞の新基準を評価した学者も、現実を余り逸脱しない範囲の内容で作られるべきであると言っている。それが正しい考えでありましょう。

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