映画評「ファイナル・スコア」

☆☆(4点/10点満点中)
2018年イギリス映画 監督スコット・マン
ネタバレあり

試合中のスタジアムでのテロを扱った作品に「パニック・イン・スタジアム」(1976年)がある。しかし、本作はかの作品と比較するより「ダイ・ハード」(1988年)のスタジアム版と言った方が感じが掴める。

旧ソ連の小国家(地図を見ると黒海沿岸の国なので南オセチア辺りがモデルだろう)での革命に失敗した兄弟の弟レイ・スティーヴンズが死んだと見せかけて英国に亡命した兄ピアース・ブロスナンをやっつけようと、母国と英国のサッカー(フットボールだ、くそったれ by ラルフ・ブラウン)の試合が行われるスタジアムに配下を引き連れて爆弾を仕掛け、制御室を制圧する。
 折しも姪と称するかつて彼の指揮下で戦死した部下の娘ララ・ピークとサッカー観戦に来ていた元ネイビー・シールズ隊員デーヴィッド・バウティスタがなかなか娘が席に戻って来ないのを心配し、スタジアムの監視員アミット・シャーに接触する。
 頼りの制御室から反応がないので、二人はのこのこ現場に行くことにするが、本当の担当者の名札を付けた胡散臭いロシア人がいたものだから大格闘。

というところから始まるお話で、テロリスト・グループとほぼ一人で闘い、なかなか死にそうもないというところは「ダイ・ハード」そのものだが、彼が娘を何としても守ろうとする構図は最近のリーアム・ニースンのサスペンス・アクションに近い。流行を取り込んだということですな。ニースンほど無敵という感じではなく、その代わり不死身である、という辺りはなかなか良い。

しかし、良いのはここまでで、カメラワークは芳しからず、例によって例の如くアクションになるとカメラを揺らし出す。特に格闘場面では動く人間に合わせるようにカメラも動き、しかも細かくショットを刻むので非常に見苦しい。何をやっているのかよく解らず、おじさんは見事撃沈しました。

ストーリーにも大いに疑問があり、その死に罪悪感を抱いてきた部下の娘とは言え、彼女一人の為に観衆を犠牲にするかもしれない道を躊躇なく選ぼうとする態度は元軍人としてはどうなのか。それを言うとお話が始まらないが、少なくとも少し悩む表情くらいはあっても良かったように思う。

選抜高校野球の中止決定。70%くらいの人が中止に賛同しているようだが、首相のイベント自粛要請に応えた、過剰な反応と思う。要請の肝は観客にあるはずで、いくら大阪・兵庫で感染者が増えて来たとは言え、現状のレベルでは、選手が自由気ままに遊び廻らない限り感染するはずもない。決まったことは仕方がない。夏の甲子園があるのならば、今回の32校を代表に加えて最大81校でやれば良い。その32校が地方での優勝チームである可能性があるから、多分70試合くらいになる。すると5日開催期間が長くなるが、十分ありだろう。(追記)3回戦までは一部の試合を甲子園以外でするという手もある。そうすれば日程も短縮できる。

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