映画評「ストレイト・アウタ・コンプトン」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年アメリカ映画 監督F・ゲイリー・グレイ
ネタバレあり

1991年頃録音源として利用してきたNHK-FMがまともな形で曲をかけなくなったので、世界初の衛星放送音楽専門局セント・ギガと契約して10年ほど聴いた。その間に洋楽ベスト20に入った曲は大半をテープ後期はCDに収めていたので、ラップは当時から今に至っても興味がないものの、本作に出て来るアイス・キューブとDr.ドレの名前は知っていた。当時は昨年観た「オール・アイズ・オン・ミー」の主人公2パックも有名だった。尤も、アイス・キューブは映画にも出ているので、それで余計に知っているわけである。

アイス・キューブ(オシェア・ジャクスン・ジュニア)とDr.ドレ(コーリー・ホーキンズ)がルースレスというレコード・レーベルの持主であるイージーE(ジェイスン・ミッチェル)などと組み、ユダヤ人マネージャー(ポール・ジアマッティ)とバックアップを受け、大手会社からN.W.A.というラップ・グループとして売り出すが、作詞能力に長けたアイス・キューブとしては自分に入って来る印税が少ないことに反発にて脱退、Dr.ドレはマネージャーが横領的なことをやっていると指弾してイージーEと喧嘩して脱退、結局二人とも大成功する。
 かくしてN.W.A.は弱体化し、残ったイージーEも最終的なマネージャーの悪行に気付くが、再結成を考えるも時既に遅し、末期のエイズを発症して実現することなく亡くなってしまう。

最後に死んでしまうイージーEをめぐるお話と考えて良いだろう。
 メンバーの亀裂は他のロックやジャズの映画でも色々と描かれているのでほぼ型通りとは言いたくなるものの、「オール・アイズ・オン・ミー」でもそうだったようにアーティストは半ばチンピラ、ラップ専門のレコード会社は半ば暴力団みたいな感じで、必然的にしかし実際には必要もないのにロス市警が人種偏見極まりない圧力をかけてくるのが、日本人から見ると一種風俗映画的に興味深い。

「ファック・ザ・ポリス」という曲ではFBIが放送禁止にするなど強硬な措置を取って、N.W.A.は官憲と激しく対立することになる。アーティストが大人しい(政治的発言はご法度に近い)日本ではまずありえず、語弊があるが楽しめる。

F・ゲイリー・グレイのタッチも即実的でかなり感じを出しているが、ラップではロック関係の映画ほどワクワクできない。

アイス・キューブ役の俳優は、彼の実の息子だそうだ。

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