映画評「パンダコパンダ」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1972年日本映画 監督・高畑勲
ネタバレあり

忙しくて時間が取れない。かと言ってブログをスキップするのも避けたい。というわけで、WOWOWの高畑勲監督特集で録っておいた作品群からこの短編(34分)をピックアップ。初鑑賞でござる。

しかし、実質的に、監督より脚本や画面設計を担当した宮崎駿御大の作品世界で、結論から言うと、「となりのトトロ」(1988年)の原型である。

一人で育ててくれた祖母が親類宅へ暫し出かけることになり、両親のいない小学生ミミ子(声:杉山佳寿子)が一人で竹林の中にある家で過ごしていると、コパンダ(声:太田淑子)、続いてそのパパの巨大パンダ(声:熊倉一雄)が現れ、程なくパパンダをパパ、ミミ子をママ、コパンダを子供とする疑似家族が出来上がる。
 彼らが動物園から逃げ出したパンダであることが判明し、急流にコパンダとミミ子が落ちてヒヤヒヤさせられる大事件の後、パンダ親子は動物園に帰る。しかし、ミミ子の家からの通勤なのだ。めでたしめでたし。

というお話で、パンダ親子は造形、笑い方、跳ねる動きなどトトロ親子そのもの。ミミ子は外観は“メイ”だが、ママたる立場は“サツキ”であり、ミミ子が二少女に分離して「となりのトトロ」に発展すると考えられる。

お話は、子供向けでありながら子供には真価が解らない「トトロ」に比べればずっと単純なお子様向けの内容ながら、天衣無縫のミミ子を通して母親不在というモチーフが隠されているような気がする。
 とは言え、ひたすら子供が楽しめるような内容を貫き通し、アニメとしての純度としては理屈が色々絡む後年の作品よりぐっと高い。

いずれにしても、“御大(宮崎駿)にもこんな時代があった”という意見には僕は賛同できず、寧ろ“三つ子の魂百まで”と思わされる次第。

動物園の観客にルパン三世、次元大介、不二子ちゃんらしき三人とオバケのQ太郎を発見。前者は御大が原画を書いた関係からのおふざけらしい。

「オバケのP子」という曲が超絶的に可愛らしい。歌っている水垣洋子が素晴らしいのだ。

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