映画評「バイオハザード:ザ・ファイナル」

☆☆★(5点/10点満点中)
2016年アメリカ=フランス=ドイツ合作映画 監督ポール・W・S・アンダースン
ネタバレあり

2010年代に入りゾンビ映画の類はもう御免と観ないことに決めたが、本シリーズは全部観てきたので、この第6作(一応最終作)も観る。そもそも第一作は、ゲームの映画化の中では純度が高くサスペンスフルなので買ったのだ。

本作は、ヒロインであるアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)のナレーションという形で、初めて観る人にも基本設定と流れが解るように作られている。ナレーションで始まる映画は余り好きではないものの、シリーズ(厳密にはシリアル)の場合はある程度やむを得ない。

アリスは、アンブレラ社の人工知能“レッド・クイーン”の裏切り的情報により、アンデッド化を進めるウィルスを死滅させるワクチンのある場所を目指し、アンブレラ社アイザックス博士(イアン・グレン)がそうはさせじと繰り出す様々な作戦や難所をクリアし、再会した仲間クレア(アリ・ラーター)らと手を取り合ってワクチン奪取をもくろむ。

シリーズの脚本全てを書いてきたポール・W・S・アンダースンが監督だが、アクション描写が細切れでわけが分からず、全く気に入らない。
 その代わりに、脚本はなかなかよく出来ている。ゾンビの描写が少なく、クローン人間のアイデンティティを絡めたSF的内容に興味深く、アリスと“レッド・クイーン”とアンブレラ社創設者の娘アイリスとの関係が楽しめる。しかし、アンブレラ社がウィルスを作った理由が、「インフェルノ」と同工異曲なのには苦笑するし、こういう社会派めかしたおためごかしは余り歓迎できない(現実問題として、人口が増えすぎて食料が決定的に足りなくなることはないと考えている)。

若い人は、あんなわけの解らないアクション描写に満足できるのだろうか?

「ソウ」シリーズも本シリーズも、前作に見られた瑕疵をごまかすように次の作品を作っているような気がする。

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