映画評「アントマン」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年アメリカ映画 監督ペイトン・リード
ネタバレあり

世界で恐らく僕一人が考えたこと。マーヴェル・コミックスの展開ぶりには、バルザックの「人間喜劇」に通ずるものがある。何ということはない。同じ人物が他の作品に出てくるということだ。

さて、だいぶ以前からこの種の作品は作られすぎると有難味が減る、と述べてきたが、この認識が今、日本の映画ファンの間に広まっている、「飽きてきた」という少し違う言葉で。それでいて実際観てみるとなかなか面白く感じるというのも、当方と同じであるが、飽きて観ない人が増えるのは興行的にマイナスであり、マーヴェル映画には発表のスパンを広げたほうが良いと進言したい。

人間を1.5cmに縮小する技術を開発して自らに実施、アントマンとして活躍した博士ハンク・ピム(マイケル・ダグラス)はその技術の問題に気づいて封鎖した為に自ら興した企業を追われるが、現経営者ダレン・クロス(コリー・ストール)がその技術を悪用しようとしているのを知り、窃盗で逮捕されて出所したばかりスコット・ラング(ポール・ラッド)に目をつけて二代目アントマンに勝手に任命、クロスに信用されている娘ホープ(エヴァンジェリン・リリー)の内部情報をもとに、妨害活動を始める。

というお話は、構図としては、他の作品と似たり寄ったりながら、ヒーローの身長が1.5cmと小さいことにより新味と面白味を生み出している。小ささに加え、蟻を操作できる能力も出てきて、冒険映画の気分があるのが良い。この能力を利用して、防御を厳しくした敵基地に色々と悪さをする箇所が特にお楽しみ。他方、最後の格闘など小さくなったり大きくなったりすることで勝負するのは「小ささ」に拘ると少々物足りない見せ方と言いたくなる。
 お話の進行が速いのも良し悪しで、目まぐるしすぎて疲れを感じかねない。

コミカルなタッチや、別れた妻から遠ざけられて主人公がなかなか会えない娘キャシー役のアビー・ライダー・フォートスンちゃんの可愛らしさは、プラス要素。

マーヴェルは続くよ、どこまでも。

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