映画評「おさな妻」

☆☆(4点/10点満点中)
1970年日本映画 監督・臼坂礼次郎
ネタバレあり

僕にとって関根(現・高橋)恵子は「新・だいこんの花」(1972年)における竹脇無我の妻の楚々たるイメージなのである。後年、彼女が僕よりほんの僅か年上に過ぎないと知って驚いた。計算すると「新・だいこんの花」の放映時僅かに17歳、あの落ち着いた風情からとても想像がつかなかった。
 日活ロマン・ポルノ「ラブレター」(1982年)に出演した時「恵子、お前もか」と思った(笑)が、実は「新・だいこんの花」より前に「高校生ブルース」(1970年)や本作など、かかる性春映画に出演していたわけで、寧ろ僕の勝手な清純イメージであったと反省したものである。

この作品が発表された頃僕ら思春期の少年の間で性春小説の騎手・富島健夫の名前が知られていて、いつか読んでみようと思ったものの、結局読まないまま現在に至る。本作はその富島氏のベストセラーの映画化。性春映画・性春小説などとおちゃらかしているものの、青春期を語る時実際には避けて通れない性の問題に重心を置いたなかなか真面目な青春映画である。

高校三年生の玲子(関根恵子)は、父親亡き後一人で育ててくれた母親(坪内ミキ子)を病気で失い、伯母の家にお世話になるが、そのぐうたら息子に暴行されそうになったためアパートで独り暮らしを始める。母の遺産だけでは不十分なのでかつて自分の通った幼稚園でバイトを始める。
 園児まゆみ(佐藤久里子)に気に入られた彼女は、幼女を迎えに来たシングル・ファーザーの建築家・吉川(新克利)に好感を覚え、やがて彼から求婚される。年齢のことがあり悩んだ末に結婚するが、新婚も間もないのに彼に前の恋人である閨秀作詞家(真山知子)との浮気疑惑が浮かび、家を出て彷徨する。が、自分を慕う義娘や建築現場で指揮をする彼の頼もしい姿などを思い浮かべて家に戻る。

シャツについた口紅で浮気を疑うといった展開に見るように、思春期少女の性の問題をぞんざいに扱っていないと言うだけで、全体としては三文映画に過ぎない。初夜の契りの際における情景(脳裏に浮かんだイメージ?)の挿入も工夫は感じられるものの決して高級ではなく、関根恵子の初々しいセミヌードと未成年のベッドシーンで客を呼ぼうとした魂胆は見え見えである。
 但し、現在の水準から言えば厭らしさは全くなく、当時15歳だった彼女の大人びた風情の中に垣間見える少女らしさに捨てがたいものがあり、後味も大変爽快と言うべし。

日本女優史上最も大人っぽい15歳なのでは?

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