映画評「ANNIE/アニー」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2014年アメリカ映画 監督ウィル・グラック
ネタバレあり

ハロルド・グレイの原作コミックは1932年に最初の映画化が行われている。1960年代にトーマス・ミーハンが舞台化し、1970年代にミュージカル舞台化、そのミュージカル舞台版を全く畑違いのジョン・ヒューストンが1982年に最初の映画化をした。今回が二回目のミュージカル舞台版の映画化ということになるが、お話の骨子は前回と殆ど同じ。

女優崩れハニガン(キャメロン・ディアス)が国からの援助金が目的で数人の子供を里子にしているが、その中に活発な黒人少女アニー(クワヴェンジャネ・ウォリス)がいて、通りでニューヨーク市長立候補者の黒人CEOスタックス(ジェイミー・フォックス)に交通事故に遭いそうになるところを助けられる。
 このニュースで支持率が少し上向いたのに気を良くした彼の参謀ボビー・カナヴェイルのアドヴァイスが元で、スタックスはアニーを彼女を一時的に預かることにするが、なかなか賢い彼女に人間的に惹かれ、養女にしようと考え出す。
 参謀はそんな彼の考えなどお構いなく偽の両親をでっち上げて引き取らせるという決定的人気アップ作戦を敢行するが、良心に目覚めたハニガンの情報でアニーを連れ戻す。

1982年版はムードが正に19世紀のディケンズの小説そのものであったが、今回は舞台を携帯電話が幅を利かす21世紀に移した関係で画面が明るく衣装・装置がファッショナブルになっている為、お話自体は依然ディケンズもどきながら今観る分にはこちらのほうが良いかもしれない。
 スタックスとアニーのギブ・アンド・テイク関係が強調されている感じで、アニーのおかげでスタックスは秘書グレース(ローズ・バーン)と結ばれる。

リメイクに当たってヒロインと富豪が黒人になったのがいかにも昨今の映画らしく、良し悪し。

アメリカの世評は相当に悪いが、惨めな境遇にある少女を主人公にしながら全く屈託のない作りで、先日の英国ミュージカル「サンシャイン/歌声が響く街」より本来のミュージカルらしく楽しめる。

アニーよジュースを取れ。

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