映画評「黒い賭博師」

☆☆☆(6点/10点満点中)
1965年日本映画 監督・中平康
ネタバレあり

当初観る予定に入れていなかったが、中平康が監督と知って急遽観ることにした。

ギャンブラーの小林旭がカード賭博で美人・富士真奈美と組む小池朝雄に勝ち、小池の命を受けた富士女史につけまわされる一方、国際賭博団の一員の中国人・高橋昌也に命を狙われていると白人女性から助けを求められ、早速彼とポーカーで対決、インチキを見破れずに見事にしてやられる。
 資金集めに奔走してくれた仲間たちを殺された後小林は中国人と再戦、トリックを見破って今度は勝つと、さらにレセプションに擬した大賭博大会に参加して大ボス相手に勝利をもぎ取るが、「会場から出れば無法地帯だよ」と脅迫されたところへ、刑事・谷村昌彦が飛び込んでくる。

スパイと悪漢一味をギャンブラーに変えたようなサスペンス・アクション仕立てで、特に当時大人気だった「007」を意識しているらしく、車から大量のビー玉が転がり出し、追って来る車を走行不能にするなんて模倣アイデアにはニヤニヤさせられる。ビルからビルへ渡るサスペンスではこの二年前に公開された「シャレード」から拝借した印象があり、彼らが通る窓に面した部屋に住む外国人夫婦の反応を挿入した辺り外国映画風で誠に興味深い。元子爵・益田喜頓と娘の富士女史に絡む一連のお話はビリー・ワイルダー的趣味であろうか。

終幕部分で刑事一人が張り込んでいるというのは少々考えにくい設定ではあるが、一網打尽と思いきやその後から来た警官が偽物だった為大捕物を逃した谷村刑事が干される幕切れは面白い。

全体として何ということはないものの、中平監督らしいスピーディーな展開はここでも見られて、さすがである。

小林旭はアクションに相当頑張っている。僕には「奥さまは18歳」以来コメディエンヌのイメージしかなかった富士真奈美が太る気配を伺わせながらまだそれなりに細くて外国人女優のようにエキゾチック。当時27歳なり。

変な映画も多いけれど、日活アクションは捨てがたい。

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