映画評「X-MEN ファースト・ジェネレーション」

☆☆☆☆(8点/10点満点中)
2011年アメリカ映画 監督マシュー・ヴォーン
ネタバレあり

「X-MEN」シリーズのビギニングであります。

大量生産されるアメコミの映画版が世間の皆様ほと楽しめない僕としても本シリーズは大いに買っている。
 しかし、世評とは逆に一番面白いのが忍術合戦ハリウッド版とでも言うべき第3作で、一番つまらないのが性格描写を大量に盛り込んだ第2作のいうのが僕の判断。本来ジャンル映画において性格描写だの、つまらん背景など描く必要はないのである。それがない映画は失格だなんてのは頭の固い一部映画評論家からの刷り込みで、ゲーム感覚で面白ければ十分、それだけで満足できるお話が出来ない時にそうした要素で誤魔化せばヨロシイ。性格描写なんてものは登場人物の一挙手一投足にそこはかとなく現れれば良いのであって、文芸映画ではあるまいに、くどくど描いて良い映画と勘違いさせるのはジャンル映画にあるまじきことである。

では、本作はどうかと申しますと、前作の忍術合戦的面白さを十分維持しながらしかも皆様が買う理由としている性格描写や背景説明がバランス良く織り込まれており、これなら文句を言う必要がない。それ以前に「ビギニング」である以上或る程度の人物の性格形成の歴史を描かずには成り立たないから、上でくどくど言ってきたことはさほど考慮する必要もない(失礼!)。

以上本作の総論であり、各論はアウトラインを述べることで代えさせて戴きます。

お話は戦中に始まり、ナチスに母親を殺されたテレキネシス人間エリック(少年時代ビル・ミルナー、青年時代マイケル・ファスベンダー)が仇の元ナチス軍人ショー(ケヴィン・ベーコン)と対決している最中に、人の心を読み取り遠くにいながら彼のような突然変異人間(ミュータント)を探すことが出来る上流青年チャールズ・エグゼビア(少年時代ローレンス・ベルチャー、青年時代ジェームズ・マカヴォイ)により発掘される。
 二人はCIAの一員として他の仲間と力を合せ、米ソの冷戦を利用して人類(旧人類)をやっつけようと企むショーを倒したものの、エリック即ちマグニートーは結局ショーの考えに傾倒し、ミュータントを敵視する人類に与することは出来ぬとチャールズ即ちプロフェッサーXと袂を分かつことになる。

我々人類側から見ればキューバ危機の最中に起きた外伝として楽しむことが出来る寸法で、わざとらしいパラレル・ワールド的設定を用意しなくてもこういう面白いSFは作れるという良い見本と言うべし。脚本にも参加しているマシュー・ヴォーンの監督作品では今のところ外れがない。

誉めてはみたものの、この手の作品はたまに作られてこそゴキゲンになれる。今や大量生産で有難味の減っていること甚だしい。

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