映画評「SUPER8/スーパーエイト」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2011年アメリカ映画 監督J・J・エイブラムズ
ネタバレあり

少年時代から映画を撮っていたスティーヴン・スピルバーグ(と恐らくご本人)の人生を踏まえてJ・J・エイブラムズが彼にオマージュを捧げた“エリア51”ベースのSF映画。スピルバーグ本人も製作に加わっている。

工場の事故で母親を失った少年ジョエル・コートニーは、ライリー・グリフィスが監督を務めるホラー映画の化粧係として友人たちと楽しく過ごして気を紛らわしている或る日、女優役の少女エル・ファニングを加えて撮影中に貨物列車と自動車の衝突事故に遭遇、一堂危険を察知して慌てて現場から立ち去るが、その直前事故を故意に起した張本人たる学校の老教師から「誰にも見たことを言うな」を口止めされる。
 間もなく現場にやって来た軍隊は現場にフィルムの空箱を発見した為町を捜査すると共に、翌日から街の犬が消え、行方をくらます人も出た街を封鎖する。消えた人々の中にエルもいたことから少年たちはジョエル君の父親である保安官カイル・チャンドラーの協力を得て、彼女を救出すべく封鎖された街の中に入っていく。

スピルバーグの監督作「未知との遭遇」(1977年)「E・T」(1982年)「宇宙戦争」(2005年)を足して割ったようなお話をスピルバーグが原案を起して製作に回った「グーニーズ」(1985年)の乗りで作ったと言えばほぼ当っていると思われる内容で、基底に流れる精神も「未知との遭遇」「E・T」に通ずる。即ち、平和主義であり、人をさらって食べるエイリアンが本当に悪者なのかという疑問を投げかけながら構成しているのである。

かくして新味は薄いし、21世紀も最初の10年が過ぎた時代の作品としては刺激が薄いかもしれないが、子供の主役にして何となくのんびりしているのが却ってヨロシイ。

スピルバーグ版「宇宙戦争」を別にすると、1966年生まれのエイブラムズがティーンエイジャーだった時代に作られた作品がモチーフになっていることから、彼が当時観たにちがいないスピルバーグ作品に多大な影響を受けて映画製作の道に入ったことが想像される。そう言えば少年たちが作っているゾンビ映画も70年代終わりくらいから流行り始めたわけで、エイブラムズもローティーンの頃からスピルバーグと似たようなことをしていたのだろう。

エリア51、昨年に続いて調子が今一つ。何の話かって? 勿論イチローですよ。

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