映画評「おっぱいバレー」

☆☆★(5点/10点満点中)
2009年日本映画 監督・羽住英一郎
ネタバレあり

昭和54年、赴任したばかりの女性国語教師・綾瀬はるかが、部員5人でまともにレシーブすらできない男子バレー部の顧問(監督)になる。思春期真っ盛りの彼らから「地区大会で勝ったらおっぱいをみせてください」と言われ、適当に約束すると、1年生のうまい生徒を加えて練習に励み、見る見る強くなる。
 が、不戦勝した1回戦の後その変な交渉が学校にばれてはるか嬢は首になり、2回戦の第1セットでは強豪相手に零封されてしまう。そこへ先生が戻って来ると第2セットを取って喜ぶのも束の間、その相手は二軍で一軍が出てくるや第3セットは簡単に取られてしまうが、この6人には良い思い出ができましたとさ。

というお話で、思春期らしい気分は良く出ているが、ヒロインが途中で舞い戻るのは羽住英一郎監督の旧作「銀色のシーズン」の繰り返しで苦笑いが出る。但し、こちらの作品の方がぐっと自然で、全体的に彼の代表作「海猿」シリーズのように大袈裟になっていないのも好感が持てる。

昭和54年僕は既に大学生だったが、時代考証的には疑問が残る所が若干ある。例えば男女の生徒間で「さん」「君」付けはまだ残っていたのではないか、先生への口のきき方が若干今風すぎるのではないか、当時なかったはずの言葉遣い、その他機械類など。
 70年代の自動車はよく集めたと感心させられるが、近い昔に関しては時代考証は正確であるに越したことがない。江戸時代でこの年間はこうだったはずといったのは重箱の隅をつつくような類だが、30年前では事情が違う。やはり当時の気分が完全には再現されていないのがすっきりせず、彼等と同じ若しくは近い世代には失望感が残ると思われる。

北九州弁が出ないのも手抜きだが、こういうのは寧ろ標準語にして解り易くするという狙いがはっきりしているので個人的には構わない。70年代の曲が色々かかる中で永井龍雲の「道標(しるべ)ない旅」が非常に懐かしかった。

中学生くらいは何でもモチベーションになる、というのは確かでしょう。

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