映画評「トイ・ストーリー3」

☆☆☆☆(8点/10点満点中)
2010年アメリカ映画 監督リー・アンクリック
ネタバレあり

今年の四月に母が亡くなった後家の中を少し整理することになったが、僕は物に関して独自の考えを持っているのでなかなか捨てられなかった。自分や母が使っていたものは愛着から捨てられないのは勿論、使っていない物も使われる為に“生れて来た”のに使われないまま捨てられるのは冒涜のような気がするのである。母がどう感じていたかは今知る由もないが、とにかく物を大事にする人だった。その血を引いた僕も未だに捨てられないでいるものでいっぱいである。

そんな思いを抱きながら観たせいか、今までは評判に届かない印象のあった「トイ・ストーリー」シリーズに初めて本当に感銘を受けた。擬人化されたおもちゃではなく、純粋に捨てられる物の側に立って見ていたからだろうか。

持ち主のアンディが大学に行くことになり、カウボーイのウッディ以外のおもちゃたちは屋根裏部屋に持ち運ばれることになるが、手違いでごみ収容車で運ばれそうになる。それを回避した彼らはウッディの説得も聞かずサニーサイドという託児所で過ごす道を選んだものの、見た目と実際は大違い、まだ年齢の行かない幼児たちはおもちゃを乱暴に扱い、しかもぬいぐるみの親分ロッツォが子分を使って脱出できないように監禁・監視をしているのだ。さて、そこからどう脱出するか。

という微に入り細を穿ってなかなかよく出来たお話で、ピンチの連続にハラハラドキドキ、最後まで楽しませてもらった。勿論擬人的に観れば友情の物語として十分感動できるし、物を大事にする必要性も伝わってくる。あのように破壊されていくのが物悲しく思え、少なくとも物を捨てる前には合掌して「今までありがとう」と言いたい気分になりますです。

豊かになるのも考えもの。

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