映画評「ナイト&デイ」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2010年アメリカ映画 監督ジェームズ・マンゴールド
ネタバレあり

ヒッチコック・タイプの巻き込まれ型サスペンスだが、巻き込まれるのは女性キャメロン・ディアスで、巻き込むトム・クルーズとダブル主演の趣きなので、必ずしもヒッチコックに近い印象は受けない。

妹の結婚式に向かうキャメロンが空港でハンサム男性クルーズと衝突、その後一度は満席で乗れないと言われた飛行機に急遽乗れることになり、乗ってみるとガラガラ。
 というところからスタートし、その後クルーズはパイロットを含め乗っている全員を殺し、自らとうもろこし畑に不時着する。ハンサムだと思って悪い気がしなかったキャメロン嬢がパニックになるが、彼からは接近する人物には十分注意しろと言われる。
 その後目覚めると自宅に戻っているが、結局今度はCIAを名乗るピーター・サースガードの一行に連行され、そこへ現われたクルーズが彼等と猛烈なカー・チェースを演ずることと相なり、以降彼女が眠っては意外なところで目覚めてとんでもない災難に巻き込まれる展開を繰り返し、やがて彼女自身がすっかりスパイ気分になって色々と活躍を始める。

という誠に屈託のないスパイ・アクションで、実はある若者が作った発明品を巡っての争奪戦という趣向。どちらもCIAに所属しているのは事実で、キャメロン嬢には暫しどちらを信用していいのか解らない状況で進行するという一応のアングルを付けた形で進行するが、本作のようなストレートな作り方でまして演じているのがクルーズでは基本的に観客は彼の味方になって応援するしかないので、これで作品が格別に面白くなるわけではない。

一時代流行った言葉で言えば、ジェットコースター式のサスペンス・アクションで、作者が積み重ねる布石を観客が確認しつつ観て行く面白さはないが、色々盛り込んでいるので素直に眺めていれば退屈しないように仕立てられている。最近のサスペンスは理屈っぽいのが多いが、こういう屈託のない作品の方が精神衛生上良い。

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