ふるーい名盤CD輸入盤聴きまくりの記2011年5月上旬号

 四月初旬に大体書き終っていざ発表という時に母が入院、すぐに亡くなってしまったのでそのまま放置していました。この記事を書いている当時母はもの凄く元気だったので読み直すのも辛く、そのまま発表致します。

画像
..The Velvet Underground / THE VELVET UNDERGROUND
1969年発表(1996年Polydor盤)
内容評価☆☆☆☆☆音質評価8点
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドでございます。アンディ・ウォーホルのバナナのジャケットで有名なデビュー・アルバムと黒いジャケットの第2作「ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート」はアナログ・ディスクで持っていましたが、当時買えなかったこの第3作を今頃になって初めて聴くです。
 アヴァンギャルドだった第2作と打って変わって第1曲 Candy Says、第4曲 Pale Blue Eyes など些かナイーヴすぎるもののフォーク・ロック的で聴きやすい曲が多いので、ヴェルベット・アンダーグラウンドを初めて聴く方には一番向いているアルバムかもしれません。その一方、8曲目の The Murder Mystery はかなりアヴァンギャルド。女性ヴォーカルと男性ヴォーカルを交錯させてかなりスリリング、前衛的ながらお薦めです。
 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのレコードは音が悪いというイメージがありましたが、この第3作だけ例外的に良いようです。特にギターが良い感じ。4作目 Loaded も聴いてみたがやはり良くなかったであります。どういうこと?

画像
..Wednesday Morning, 3 A.M. / SIMON & GARFUNKEL
1964年発表(2010年Sony Music盤)
内容評価☆☆☆★音質評価7点
ご存知サイモン&ガーファンクルのデビュー作は、サイモンのオリジナル5曲、トラディショナル3曲、他者の作品3曲の計11曲構成の純フォーク・アルバム。この第1作には、後にエレクトリック・バージョンが大ヒットする「サウンド・オブ・サイレンス」The Sounds of Silence のアコースティック・バージョンが収められ、エレキ盤と比べて地味とは言え断然輝いております。「すずめ」Sparrow も良いですね。ボブ・ディランの「時代は変る」The Times - They Are A-Changing をバーズに先んじてカバーするものの今一つ弱い。サイモンのオリジナルがまだ少ないということもあって迫力不足が否めないものの、フォークだけに一緒に歌うのには丁度良いでしょう。

画像
..Fifth Dimensions / THE BYRDS
1966年発表(2008年Columbia Europe盤)
内容評価☆☆☆☆★音質評価6.5点
「霧の5次元」という邦題の付けられたバーズの第3作は、それまでオリジナルの殆どを作って来たジーン・クラークが脱退、デーヴィッド・クロスビーとジミー(ロジャー)・マッギンが主たるコンポーザーとなり、John Riley などの非オリジナル2曲を別にするとフォーク色が薄くなって宇宙的なサウンド作りを取り込み、ここにサイケデリック・ロックなるものが誕生する(と言われている)わけです。特に名曲 Eight Miles High はうねるように不協和音を奏でる12弦ギターが強烈な印象を残し、現在までサイケデリック・ロックの金字塔として残っていますね。
 ほぼ同じ頃LP「ラバー・ソウル」Rubber Soul 発表したビートルズでさえジャケットはともかく曲調はサイケデリックな感じには至っていませんから凄いと言わざるを得ません。尤もこのアルバムより二か月前に発表されたシングル「レイン」Rain はポール・マッカートニーの強力なベースによりかなりサイケデリックな感じがしますが。 

画像
..Late for the Sky / JACKSON BROWNE
1974年発表(2000年Asylum盤)
内容評価☆☆☆☆★音質評価7.5点
ジャクソン・ブラウンの第3作。彼を聴いたことがなくてもちょっとしたロック・ファンならイーグルスの「テイク・イット・イージー」Take It Easy はご存知でしょう。メンバーのグレン・フライとの共作ですが、メロディーはブラウンですね。
 人生や人間関係をテーマとした本アルバムは「テイク・イット・イージー」より感傷的な印象が強いものの、メロディーは素晴らしいですし、素直な歌い方の為に胸に迫ります。どれも名曲と言うべきですが、恋人との関係を低回的に振り返るオープニングの Late for the Sky や死をテーマにした6曲目 For a Dancer が一押し。歌詞を噛みしめたい。

画像 
..Absolutely Essential Collection / HANK WILLIAMS
2009年発表(2009年Big 3盤)/録音期間1947~52年
内容評価☆☆☆☆☆音質評価4~5.5点
実質6年間の活動で数多くの名曲を残したカントリー史上(ロック史的な観点で)一番重要なシンガー・ソングライター、ハンク・ウィリアムズのお徳用コレクション。3枚組で60曲収められ536円、折り畳み式のケースに3枚ディスクが入っているだけでシンプル至極ですが、音質は全く問題なく、お買い得でした。
 彼の曲で日本で一番有名なのは恐らくカーペンターズがカヴァーした「ジャンバラヤ」Jambalaya (On the Bayou) でしょう。I Saw the Light、Hey, Good Lookin'、I'm So Lonesame I Could Cryもよく知られているのでは?
 しかし、ロック・ファンにとって必聴は Move It On Over。1948年発表のこの曲があって、1955年ロックンロールが市民権を得たビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツの「ロック・アラウンド・ザ・クロック」Rock Around the Clock が生まれたということは一聴すれば解ります。そっくりと言っても良いです。

画像
..Panorama / THE CARS
1978年発表(2010年Rhino盤)
内容評価☆☆☆音質評価8点
カーズの第3作は、僕が彼ら(というよりリーダーのリック・オケイセクか)に対して抱いている明るいイメージを全く覆す、陰鬱な感じが強く、世間的にも余り評判が良くないようです。僕はオケイセクのメロディーは割合好きなのでなんとなく聞いてしまいますが。二曲目の Touch and Go のリード・ギター(エリオット・イーストン)は一聴する価値があるんじゃないでしょうか?
 ヴォーカルはオケイセク(5曲)とベースのベンジャミン・オール(4曲)が分担していますが、殆ど全ての曲を作ったオケイセクが全部歌っているものと今までずっと思っていました。よく聴くと声質が違いますし、オールの方がよりニューウェーヴっぽい歌い方。

画像
..Aretha Now / ARETHA FRANKLIN
1967年発表(2009年Rhino盤)
内容評価☆☆☆☆★音質評価6点
昨年すっかり歩けなくなった父親を介護タクシーを使ってストレッチャーのまま入院中の病院から移動して診て貰った巨大病院の待合室にいると、このLPに入っている「小さな願い」I Say a Little Prayer が聞えてきたのには驚きました。その後も色々なミュージシャンのR&B系の曲が延々とかかった上に、別のところでは自動演奏ピアノが成り始める。さらに100インチくらいのTVはあるわ、受付はホテルみたいだわで、全くたまげた病院もあったものです。
 閑話休題。このアルバムを一般的に紹介するなら、ディオンヌ・ワーウィックのバージョンも有名な「小さな願い」が入ったアルバムということで良いのでしょうが、この曲はむしろ例外で、Think、Seesaw、A Change といったサザン・ソウルやゴスペル風味のエネルギッシュなR&Bが基調となっています。聴けば多分元気が出ますよ(笑)。

画像
..The Soul Album / OTIS REDDING
1966年発表(2009年Rhino盤)
内容評価☆☆☆☆音質評価7点
オーティス・レディング第4作。彼のアルバムはローリング・ストーン誌が言うように、どれも素晴らしいので☆★を付ける作業に大した意味はないのでしょうが、本作は人口に膾炙している曲が入っていない為に評価が下がりがち。天邪鬼にも地味な第2作で逆らうかのように☆☆☆☆★を進呈したものの、同じ手は二度と使えないでしょう(笑)。
 冗談はともかく、R&Bファンならサム・クックの Chain Gang やスモーキー・ロビンスンの It's Growing 辺りに要注目でしょうか? しかし、断然秀逸なのはレディングも曲作りに加わったオリジナル Cigarettes and Coffee と思われます。実に味わい深い。

画像
..Let's Stay Together / AL GREEN
1972年発表(2006年Demon Records UK盤)
内容評価☆☆☆☆★音質評価6.5点
アル・グリーン第3作は彼の最高傑作と言われるし、僕もそう思います。タイトル曲はグリーン独自の囁きスタイルを完全に確立した名曲。この歌い方ではビー・ジーズのカバー「傷心の日々」How Can You Mend a Broken Heart が印象に残ります。そう言えば、先日観たアメリカ映画「ザ・ウォーカー」は開巻直後のBGMがグリーンのこのカヴァーでした。

画像
..All Shook Up / CHEAP TRICK
1980年発表(2008年Sony BMG盤)
内容評価☆☆★音質評価5.5点
単独で売れると踏んだのかスタジオ録音第4作 Dream Police はボックスセット5枚組には入っていません。チープ・トリックで一番好きな Voices が収められたアルバムなので残念ですが、気を取り直してこの第5作に参りましょう。
 ところが、内容を云々する気にもなれないくらい音質が劣悪。この時代のものとしてはダイナミック・レンジが小さく、音の抜けが著しく悪い。ボーナス・トラックはそこそこクリアな音質なのにどうしたことでしょう? ビートルズを聴けば解るように、プロデューサーのジョージ・マーティンはこういう音は好みではないはずですがねえ。ボリュームを大きめにすると耳が錯覚して一応聴ける音質になります。
 で、内容ですが、それまでのアルバムのように図抜けて良い曲がないせいでアルバム全体に精彩を欠く印象。第3作 Heaven Tonight が音質も内容も良かっただけに大きな落差を感じます。とにかく問題は音質ですよ。

画像
..Third / SOFT MACHINE
1970年発表(2010年Sony Import盤)
内容評価☆☆☆★音質評価6.5点
ソフト・マシーンの第3作は、完全に前衛ジャズロックになっていまして、もはやこの頃結成されたウェザー・リポートの前衛フュージョンと区別が難しく、ロックとジャズという出身の差を感じさせません。全4曲で75分を超える大作主義で、アナログは二枚組で片面1曲ずつという編成だった模様。
 かなり抽象的ですが、最初の曲 Facelift はキング・クリムゾンの「21世紀の精神異常者」21st Century Schizoid Man に似た感じで比較的プログレッシブ・ロック的に聴けるかもしれません。次の Slighty All the Time もその延長上にありますが、残る二曲は良く解りませぬ(泣)。

画像
..Mysterious Traveller / WEATHER REPORT
1973年発表(2007年Columbia / Legacy Euro盤)
内容評価☆☆☆★音質評価8点
こちらはそのウェザー・リポートの第4作で、第2作 I Sing the Body Electric の難解さに比べると、恐らく我々が通常イメージするフュージョンに大分近づき、我々素人にも親しめる要素が増したと思います。特に一見さんにはスリリングで攻撃的な第1曲 Nubian Sundance などお薦めかと。ウェイン・ショーターのソプラノ・サックスとジョー・ザイヴィヌルのピアノがデュエットする第5曲 Blakcthorn Rose はマニアックな楽しみ方ができそう。

画像
..It's Uptown / GEORGE BENSON
1965年発表(2007年Columbia / Legacy Euro盤)
内容評価☆☆☆☆音質評価7.5点
ジャズ・ギタリストのジョージ・ベンスンが一般の方にも知れ渡ったのは、1976年フュージョン的に様変わりして発表したLP「ブリージン」Breezin' からでしょうか。甘いボーカルで有名になったのが良かったのかどうか解りませんけどね。日本で人気が出たのは1980年LP「ギブ・ミー・ザ・ナイト」Give Me the Night でかな。この頃CMで使われていたような気がしますが、いずれにしてもあのアルバムはブラック・コンテンポラリー的でありました。
 で、本作はバンドリーダーになって間もない頃の作品で、ウェス・モンゴメリーに影響を受けた奏法で華麗にして爽やかなギターを聴かせます。映画ファンの皆様には、ラロ・シフリンが書いた「ブリット」主題曲を聴くような感じと言えば当らずとも遠からず、でしょうか。また、Summertime など二曲で早くも歌を披露していますが、後年のものより土っぽいR&B風。

"ふるーい名盤CD輸入盤聴きまくりの記2011年5月上旬号" へのコメントを書く

お名前
ホームページアドレス
コメント