喪中映画評「シャッター アイランド」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2009年アメリカ映画 監督マーティン・スコセッシ
ネタバレあり

現在喪中であります。喪失感以上に罪悪感に苦しめられております。為に理解もままならない状態で鑑賞したり、頭が整理できないまま書いたものは“喪中映画評”というタイトルとし、他の映画評とは区別することに致しました。そんな状態で映画評などと称するのも甚だ失礼とは存じますが、悪しからず。なるべく早く自分である程度納得できるものが書けるように努めます。

原作が「ミスティック・リバー」のデニス・ルヘーンと言えども、マーティン・スコセッシが今更映画化する必要があるとも思えないサイコ・スリラーである。

シャッター島と言われる孤島にある精神病院で三人の子供を殺めた女性が失踪する事件が起き、本土から保安官レオナルド・ディカプリオと助手マーク・ラファローが捜査に訪れるが、病院関係者の態度はどこか非協力的であり、やがて離れの灯台に何か秘密がありそうだと探索しようとしたディカプリオにも色々難儀が降りかかる。

というお話で、結論から言えばどんでん返しを眼目としている作品である。「シックス・センス」と比較される方が多いようだが、どんでん返しという仕掛けはともかく、お話の着想としては「シークレット・ウィンドウ」のほうに近い。後者については僕は主観ショットを客観ショットに見せようとする意図が余りに露骨に目立った挙句唐突に真相を示すという作りが気に入らなかったが、こちらはどちらかと言えばヒントを小出しにしていて卑怯な感じが希薄な分ある程度素直に作品として受け入れられる。

配給会社の宣伝に批判が多い。しかし、“謎”を強調しすぎたらしい点については劇場で予告を見てしまった観客に同情するものの、「シックス・センス」以降に作られたサスペンス映画は多かれ少なかれ観客に構えて見られがちである。観客を含めた映画界全体の潮流だから、一般論として配給会社だけに非があるとは言いにくい。

僕自身は「シックス・センス」にそれほど傾倒していないが、よく出来た映画であることを認めた上で、あの映画がそれ以降のサスペンス映画に残したマイナス面(観客がスクリーンの中の出来事にヒヤヒヤせず、作者との知恵比べに勤しむようになったこと)は大きいと思っている。しかしさすがに最近は落ち着いてきて正攻法なサスペンスが復権気味だなあ、と喜んでいた矢先に、こういう大作が作られると模倣する作品が続くのではないかとまたぞろ心配になって来る。日本ではともかく、アメリカでの評価が相当高い(Imdbで8.0)から余計に。

"喪中映画評「シャッター アイランド」" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント