映画評「南極料理人」

☆☆★(5点/10点満点中)
2009年日本映画 監督・沖田修一
ネタバレあり

南極でも有名な昭和基地ではなくドームふじ基地の料理人を務めた西村淳氏のエッセイを沖田修一が映画化。

平均気温がマイナス57度で病原菌も存在しない極寒高地にある基地で、西村氏(堺雅人)が賄う相手は、雪氷学者(生瀬勝久)とそのサポートをする学生(高良健吾)、気象学者(きたろう)、医療担当(豊原功補)、車両担当、大気担当、通信担当の皆様方。
 娯楽と言えば1分740円の国際電話、マージャン、卓球、ボウリングに野球の真似事くらいしかないので、やがてホームシックやフラストレーションなどでアップアップになってくる者が現れる。

そんな環境の中で最高のお楽しみはやはり西村氏の作る料理なのだ、というお話で、「かもめ食堂」の南極男性版という形容が当らずとも遠からずだが、前半こそ南極での共同生活が一通り紹介され興味深いものの、本作におけるカニではないが目新しい材料が出尽くす後半は些か退屈させられる。

そこでもっと南極の過酷さを強調するという手もあったかもしれないが、すると持ち味であるほのぼのとしたトーンが崩れてしまうという別の大きな問題が発生するので、それより現状の内容を15分くらい絞るだけで面白さはぐっと向上するような気がする。

また、ユーモラスな瞬間が多いとは言え、シリアスな場面でも笑っているように見えてしまう堺雅人の起用には疑問が湧かないでもない。

「黄金の七人」ならぬ「白銀の八人」。

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