映画評「ジュラシック・パーク」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1993年アメリカ映画 監督スティーヴン・スピルバーグ
ネタバレあり

WOWOW頼りの新作鑑賞スケジュールがオープンになった。僕の基準では再鑑賞するには新しすぎる作品だが、現在頭が回らない状態なので気軽に見られるスティーヴン・スピルバーグのこのSF大作を選んでみた。原作はマイケル・クライトン。

富豪リチャード・アッテンボローが琥珀に残された蚊の血液から取り出したDNAを使って蘇らせた恐竜群を見世物にしようとアトラクション・パークを建設中。箔を付けようと恐竜学者サム・ニールやその恋人の古代植物学者ローラ・ダーン、数学者ジェフ・ゴールドブラムを呼びつけ、孫二人も招待する。
 が、見学中レールに沿って走るジープもどきが動かなくなった折にティラノサウルスが現れて襲撃したり、パークを管理するコンピューターをリセットする為に電源を落とした時に色々な肉食恐竜たちが管理区域や管理棟に入って来るなど、大騒ぎになる。

コナン・ドイルの「失われた世界」とH・G・ウェルズの「モロー博士の島」を合せたようなお話だが、「キング・コング」の逆バージョン的発想とも言える。

プロダクション的には、実際の恐竜を誰も知らないという有利さがあるとは言え、公開当時動物を扱ったCGに初めて不満を覚えなかった作品として記憶している。恐らく終盤管理棟で暴れまわる恐竜はアニマトロニクスで動かしたものではないかと思うが、いずれにしてもそれまでにない生き生きとした恐竜だった。

この手の作品で最も注目すべきサスペンス醸成はスピルバーグらしくやはり優秀。「激突!」「ジョーズ」などに比べて強力ではないにしても間の取り方は絶妙で、かなりヒヤヒヤさせられる。また、ティラノサウルスが初めて登場する時にコップの水に波紋が湧くアイデアは重量を映像で描いて秀逸、恐怖醸成に寄与している。それを別の場面で水溜まりに応用している辺りも上手い。
 電源を落としている時に高圧電流網を超える二ールと子供たちと電源を復帰させるローラのカットバックでは意図的に観客の呼吸とずらしたところに工夫が見られる。ずれた分だけサスペンスが増幅されるのだ。下手な監督がこれをやればずれたまま終わってしまうだろう。

映画黎明期の観客のように紙芝居を見る感覚で観て貰いたい。

動く恐竜図鑑。それで結構。

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