映画「ラ・ボエーム」

☆☆★(5点/10点満点中)
2008年オーストリア=ドイツ映画 監督ロバート・ドーンヘルム
ネタバレあり

プッチーニの有名なオペラの映画化で、舞台を収録したものではない。プッチーニ生誕150周年を記念して作られた由。しかし、僕はオペラは題名くらいしか知らない似非インテリで後学の為に観たようなものにつき、クラシック音楽的な観点からの批評は全くできません。悪しからず。

所謂ボヘミアンの生活をしている詩人ロドルフォ(ローランド・ビリャソン)が、友人たち即ち画家のマルチェッロ(ジョージ・フォン・ベルゲン)、哲学者コッリーネ、音楽家ショナールらと気ままの生活を送っているある日、隣室のお針子ミミ(アンナ・ネトレプコ)がカンテラの日を借りに来たのを契機に恋に落ちる。
 ここで僕が唯一知っている「冷たい手を」と「私の名はミミ」が演じられる。

ここまでが第1幕で、アイリス・アウトの使用がクラシック、サイレント映画を見ているような気分にさせる。解説者がリリアン・ギッシュ主演でキング・ヴィダーが監督した「ラ・ボエーム」(1926年)を意識していると仰っているのはこの辺りかもしれない。

マルチェッロと浮気っぽい恋人ムゼッタ(ニコル・キャベル)とのなかなかユーモラスな恋の駆け引きが中心になるのが第2幕だが、ロドルフォがミミにボンネット(帽子)を贈るエピソードがある。このボンネットは第3幕で意味を成してくる。

第3幕では、憔悴したミミが「ロドルフォが嫉妬深くて逃げてしまった」とマルチェッロに助けを求めるが、彼が重病のミミを助ける為に身を引いたのが真相。これをこっそり聞いてしまったミミは別れを決意、ロドルフォに思い出の為にボンネットだけは取っておいてほしいと頼む。

第4幕。ムゼッタに連れられてやって来たミミが倒れ、ロドルフォの前で息を引き取る。

19世紀半ばに書かれたアンリ・ミュルジェールの小説を基にしたお話は映画として観るとなるとさすがに古めかしく、加えて台詞の殆ど全てが歌により処理されるのでどうしても展開が鈍重となり、僕のようなオペラ・ファンではない一般鑑賞者の眠気を誘うのは必至。
 監督はロバート・ドーンヘルムで俯瞰撮影などを駆使してムード醸成に努めかなり映画的にまとめているが、歌曲を憶えない限りはそれほど楽しめないだろう。アンナ・ネトレプコはなかなかフォトジェニック。

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