映画評「バイオハザードⅢ」

☆☆(4点/10点満点中)
2007年イギリス=ドイツ=フランス映画 監督ラッセル・マルケイ
ネタバレあり

ゲームの映画化は設定ばかりが優先されサスペンスの基礎となる人間の血や肉が感じられずつまらない作品ばかりだが、その中で「バイオハザード」前2作はサスペンス醸成が上手くなかなか面白かった(と言っても評価は☆☆★)。
 一方、本作は本格的映画ファンであればあるほど楽しめない可能性が高いシリーズものなので戦々恐々としながら観始め、シリーズものとは関係ない別の理由で、ものの見事に退屈致しました。他のゾンビ映画と大して変わりばえしないというのがそもそもいけない。

開巻直後は前2作から引き続く主人公ミラ・ジョヴォヴィッチがゲーム的な危険な仕組みをすり抜けるお楽しみだが、あっさり倒されてしまう。しかし、ご安心あれ、このミラ嬢はアンデッド(ゾンビ)生みの親であるアンブレラ社に何百体もある実験用クローンの一つにすぎない。
 という発端は悪くないが、この後<この映画はゲームである>宣言にも等しい設定解説的なナレーションがあるのが甚だ興醒め。最近のSF、サスペンス映画はこうした身も蓋もない解説で始まるので、映像や最小限の台詞から状況を掴んでいく興趣に欠ける。

さて、アンブレラ社がゾンビ抗体製造の為に探し回っているオリジナルのミラ嬢は砂漠を逃走中に、徒党を組んでゾンビ軍団から逃げ回るかつての知人たちと再会、アラスカへ移動する途中通りかかったラスヴェガスで野心的な博士イアン・グレンが作り上げたスーパーゾンビに襲われるが、博士自身がゾンビに襲われてしまう大間抜け。そもそもスーパーゾンビを作る理由に説得力がない上に、博士自身が抗体を打ちまくって怪物化するのも定石でパッとしない。

つまらなくなった一番の理由は後で絡み合ってくる三要素の並行描写を長々と続けたことにある。本来行動を共にしたり交錯すべき複数の存在を勿体ぶってなかなか集結させなければ、散漫になるか要領を得ずしてつまらなくなるのは半ば必然である。

最後に、ミラ嬢の顔が「ウルトラヴァイオレット」ほど極端ではないがCGで処理されているのに苦笑。昔からブロマイドではそういうインチキがあったが、コンピューター時代故に映画本体でもできるようになったというわけですな。

サイボーグ女優誕生!

"映画評「バイオハザードⅢ」" へのコメントを書く

お名前
ホームページアドレス
コメント