映画評「日本以外全部沈没」

☆☆(4点/10点満点中)
2006年日本映画 監督・河崎実
ネタバレあり

僕はブログでは10段階で評価を下しているが、個人用には5点刻みの100点満点の20段階で評価している。そのうち95点以上は付けないことにしているので実質18段階、かつ10点以下は付けたことがない。つまり15~90点が実際に付けた採点であるが、21世紀になってから35点以下を付けていない。レンタルでしかお目にかかれないような明らかに粗悪な作品を観なくなったからである。
 ということで、ブログでは40点の作品を1点、60点の作品を5点という風に翻訳していて、10段階方式でも99.9%はカバーできると思っている。昔のように悪食を始めれば別だが。
 どちらも数字ではなく☆★なのは、非数学的な温かみを感じさせる為と、【凡そ】という思いを含めたいからである。

さて本論であるが、最低の15点を付けた2作品のうちの一本であるビデオ映画「美乳大作戦 メスパイ」を作ったのが本作の河崎実監督である。70年代初頭に大ベストセラーになった小松左京のSF小説をパロディ化した筒井康隆の同名小説の映画化だけに、さすがにあの迷作と比べれば遙かに面白い。こんな立派なものを作ると、河崎監督は日本のエド・ウッドにはなれないかもしれないですな(笑)。

2011年、アメリカが1週間で沈み、続いてユーラシア大陸、アフリカ大陸と続き、遂に日本と極端な高地以外は全て沈んでしまい海外から難民が流入、日本人は外国難民の上に立つ特権階級になる。
 結局日本も沈む運命にあって、アメリカに頭を下げて北朝鮮の脅威から守ってもらい、中国や韓国のご機嫌を伺うという屈辱に長年耐えてきた日本人が滅びの前に儚い花を咲かせました...というお話で、最終的には日本だ日本人だなんて騒いでも意味ないよ、というブラックなお笑いとして終わる。

但し、中途半端なシリアス場面があることで狙いが曖昧になった印象が残り、馬鹿をやるならもっと馬鹿に徹したほうが楽しめたであろう。或いはその逆にシリアスに徹底して落差を楽しませるという方法もあった。

例によって全編に渡り極めてチープな作りだが、パロディだけに「日本沈没」オリジナル映画版を意識した特撮についてはあのままで良い。当時の特撮でももうちょっとしっかりしている、と文句の一つや二つ付けたいですがね。

一番気概を感じるのは「日本沈没」の映画とTV版で主人公を演じた藤岡弘、と村野武範を防衛庁長官と首相役に起用していることで、余りに楽屋落ち的ではあるが、評価したい。現在観る分には彼らの演じる役名(石山防衛庁長官、安泉純二郎首相)も面白い。
 役名と言えば、落ちぶれるトム・クルーズもどきの男優の妻の名前がエリザベス・クリフト。恐らく恋人同士だったと噂されるエリザベス・テイラーとモンゴメリー・クリフトから取ったと思われ、ニヤニヤしておりました。 

監督以外全部沈黙。

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