映画評「TRICK トリック-劇場版2-」

☆☆★(5点/10点満点中)
2006年日本映画 監督・堤幸彦
ネタバレあり

TVドラマは見ないが、テレビ朝日系列「トリック」は数回観たことがある。通して観たのは劇場版第1作だけだが。(笑)

詐欺師のトリックを見破り事件を解決するお馴染みのかけあい漫才的二人組、山田奈緒子(仲間由紀恵)と上田次郎(阿部寛)の珍プレイを描く劇場版第2弾。
 TV「アンビリバボー」でも紹介された英国の奇術師ジャスパー・マスケリンがスエズ運河を巡る攻防の一環でエジプトのアレキサンドリアをナチス空軍の攻撃から守る為に消してしまったお話がモチーフになっている。

不毛なので名付けられた富毛村からやってきた青年(平岡祐太)の依頼を受け、10年前に村から姿を消した少女の美沙子を探し出すことになった珍コンビが関東東部沖合に浮ぶ筐神(はこがみ)島に乗り込む。島は筐神佐和子(片平なぎさ)を教祖とする新興宗教団体に乗っ取られた状態で、入信するふりをして施設内に潜入、隠し部屋に閉じ込められていた美沙子(堀北真希)を発見して富毛村に連れ帰る。

前半の見せ場は、若き佐和子が大きな岩を険しい山を登らせてしまうトリック。トリックとしては珍しいものではない滑車の原理で、これが終盤コンビが沼に落ちそうになる場面でも応用される。その前に彼らが一方を蹴落とそうとするのはお門違いで、片方が落ちた瞬間に自分も落ちてしまう。(お笑いとは言え)奇術師・科学者の割に阿呆やね。
 美沙子を救い出す場面にはドラマ的に穴があり、後から入ってきた信者二人が普段は消えているはずの電灯の付いているのを怪しまない方はない。信者も阿呆やね。

後半は、富毛村での奈緒子と、美沙子を返さねば村を消すと脅迫する佐和子との一騎打ちである。
 佐和子の見守る前で奈緒子が村を消してみせる。鏡を使った古典的なトリックであるが、一行が諦めて帰ったと思いきや村人もびっくり。本当に村が消えてしまったのだ。
 トリックは内緒にしておくが、マスケリンに対するナチスとは事情が全く異なり土地勘のある村人がこのトリックに引っ掛かるとは思えない。

僕が小学生の時に買った「ミステリー入門」レベルのトリックばかりで全く大したことはないが、本作の本質はパロディーである。一番大事なのは二時間ドラマの女王こと片平なぎさを起用しテレビ朝日系「土曜ワイド劇場」を諧謔的に再現したこと。崖をフィーチャーし、人情を交えて展開した辺りは正に王道である。寧ろ先が読めてしまう安心感の為に前作より僕は楽しめたくらい。
 その他細かく随所に出てくるが、TVのお笑いに関心がないのでそちらの方面は大して解らず、「仮面ライダー」「ウルトラマン」「マトリックス」「幸福の黄色いハンカチ」「リング」「グラン・ブルー」といったTV/映画絡みの小ネタに多少受けるものあり。

上田次郎は70年代に活躍した阪神投手。ヨロシクね!

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