映画評「野良猫ロック マシン・アニマル」

☆☆☆(6点/10点満点中)
1970年日本映画 監督・長谷部安春
ネタバレあり

シリーズ第3作「セックスハンター」は脚本家(大和屋竺と藤井鷹史)の独善が目立ちがっかりしたが、この第4作は麻薬がテーマなのに脚本がラリっていなくて快調。

米軍脱走兵・山野俊也と友人・岡崎二朗とスウェーデンへの密出国を計画する青年・藤竜也が密航費用捻出の為にLSD500錠の販売を仲介してもらうべく横浜のゴーゴー喫茶のバーテンに接近するが、これを町の麻薬を取り仕切るグループ“ドラゴン”に奪われてしまう。
 彼らに同情的な梶芽衣子をリーダーとする不良少女グループが取り返しに協力するが、脱走兵はMPに逮捕され、岡崎は銃撃され出航する船舶を目前に死んでいく。

画像

密出国費用捻出の為に用意されたLSDの奪い合いという単純な物語なのだが、暴力が全編に溢れる中で海外脱出という夢がテーマになっているのが爽やかで宜しい。この話なら寧ろ外国を舞台に望郷をテーマにすれば、文字通り「望郷」そっくりの映画になって味わいも増したと思うが、それは【ないものねだり】というもの。

第1作におけるCB750ら大型バイクの爆走に引き続き、今回は女性陣の乗るダックスホンダ軍団が楽しい。ダックスホンダは亡き祖父も乗っていた人気の小型バイクだ。「ミニミニ大作戦」のバイク版てな雰囲気で、迫力はないものの、デパートを潜り抜けたり、楽しさではシリーズ随一である。

画像

第1作と第3作に引き続き監督を担当した長谷部安春は歯切れ良く展開しただけでなく、逆方向に進む対象を上下に二分割して同時に描いたマルチ画面、修羅場のオーヴァーラップのたたみ掛けなど画面構成にも凝って楽しませる。

このシリーズは音楽の特典が多いが、尾崎紀世彦「また逢う日まで」の原曲になったズー・ニー・ヴーの「ひとりの悲しみ」が聞けたのが今回の収穫でした。

梶芽衣子=柴咲コウ+藤村志保÷2

"映画評「野良猫ロック マシン・アニマル」" へのコメントを書く

お名前
ホームページアドレス
コメント