映画評「赤い橋の下のぬるい水」

☆☆☆☆(8点/10点満点中)
2001年日本映画 監督・今村昌平
ネタバレあり

2002年映画鑑賞メモより。簡素ですみません。

前作「うなぎ」は良くも悪しくも今村昌平の油ぎった感触、ねちっこさが控えめだった。そのおかげで大変気に入ったとも言えるのだが、同じ主演コンビを擁した本作は本来のねちっこさが蘇り、見事なまでに生と性を謳いあげている。

原作は辺見庸の同名小説。

会社を首になり妻とも別居状態の役所広司が、死んだ老ホームレスの生前の言葉に従って、彼の宝物を回収しに能登半島の一軒家を訪れる。
 妙齢女性・清水美砂が頭のボケた老婆・倍賞美津子と暮らしている。彼女は真の娘ではないが、菓子屋時代からの付き合いで一緒に住んでいると言い、そんな話をしながら彼女はセックスを半強制する。
 彼女は自分の“ぬるい水”(ご推察されたし)を恥じているが、それは並大抵ではない。“ぬるい水”は2階から階下へさらに川にまで流れていく。
 彼は彼女に惹かれ、離婚してこの町に住み着くことを決意、漁師になる。

そして気付くのだ。老婆もかつて彼女と同じ宿痾(しゅくあ)を持ち合わせて、それこそ死んだ老人の宝物だったのだ、と。

今村は実年齢以上に老け込んでいるが、その外見に反して作る作品のパワーはもの凄い。猥雑と言える部分もあるが、瑞々しさには脱帽だ。

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