映画評「リンダ・リンダ・リンダ」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2005年日本映画 監督・山下敦弘
ネタバレあり

素人同然の女子高生がバンドを組むお話と言えば、誰もが「スウィングガールズ」を思い出すだろうが、山下敦弘監督がメガフォンを取った本作もなかなか良い。

文化祭の最終日に行われるコンサートに向けて練習にいそしんでいたガールズ・バンド。が、本番まで三日という時になってギタリストが指を骨折した為オリジナル曲を諦めて日本パンクロックの勇ブルーハーツの曲を演奏することにする。残った三人(前田亜季=ドラムス、香椎由宇=ギター、関根史織=ベース)は韓国留学生のソンさん(ペ・ドゥナ)をボーカルに迎え入れて練習開始、最初は全く駄目だったが、徐々に形になっていく。

バラバラだった演奏が一つにまとまるというお話は彼らの友情の状態の象徴でもあるわけだが、物語的には似ている部分があっても、フィクショナルな面白味と作りの巧さで構成されていた「スウィングガールズ」とは作り方が全く違い、創作めいた要素を極力排除し等身大の女子高生像に作り上げようとした印象が強い。カメラワークや編集が必要以上に凝っていないのがリアルな感触に反映されている。

いずれの作品にも夫々の良さがあり、映画としてどちらが優れているとは一概には言えないが、こちらの女子高生たちのほうに親しみが湧く。一生懸命になりすぎず程々に真面目なのが好ましいのである。

余談。
 本作の撮影に使われたのは群馬の前橋と高崎の高校らしい。我々の高校生時代、群馬の市町村名が付いた普通高校は全て男女別学で、男子校に通っていた僕は同一高校内での男女間の付き合い方について全く見当も付かない。中学に比べて年齢的に微妙なところなので実際はどんなものだろうか。
 僕らの現役時代は男女生徒間で名前を呼び捨てにすることはなかったので未だにこれには抵抗があるが、それは別として、本作の男女生徒間の関係はなかなか爽やかでありました。

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