映画評「マルサの女2」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1988年日本映画 監督・伊丹十三
ネタバレあり

説明するまでもなく、大ヒットした「マルサの女」の続編。伊丹十三フィルモグラフィー中唯一のシリーズとなった。再鑑賞作品。

マルサの敏腕査察官・宮本信子はいち早く地上げ屋に目を付け追及、大物・三國連太郎が脱税の隠れ蓑に使っている新興宗教団体【天の道】を捜査する。秘密の部屋から持ち出した証拠から、彼の部下である暴力団幹部、団体関係者は勿論、議員(小松方正)まで芋づる式に挙げられ、最後は三国までもが暗殺未遂の憂き目に遭うのである。

この作品が作られた1988年と言えばバブル全盛期で、地上げ屋即ち事実上の暴力団が暗躍していた時期。【法の華】を思わせる新興宗教団体を地上げ屋と組み合わせた誠にタイムリーな物語だったわけであり、出来栄えはともかく、不気味さは第一作の比ではない。
 つまり、国会議員を動かすほどの力を持ち一連の脱税陰謀のトップに立っているはずの三國までも暗殺されそうになるというお話から、実はもっと大きな存在即ち国家に極めて近い人間が背後にいて、かつ、悠々と生きていることを暗示、黒澤明の傑作「悪い奴ほどよく眠る」のどず黒い不気味さが蘇るのである。
 前半の住民追い出し作戦も凄まじい。

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