映画評「暴力の街」

☆☆☆(6点/10点満点中)
1950年日本映画 監督・山本薩夫
ネタバレあり

終戦の混乱も収束した昭和20年代半ばに埼玉県本庄町(現・本庄市)を舞台に繰り広げられた本庄事件を摘発した朝日新聞記者のルポを映画化した力作。

映画の中では東条町という名称に変えられているが、この町がヤミ織物の中心地であることは周知の事実であるのに誰も告発しようとしない。それは何故か。町の副議長も勤める議員(三島雅夫)を中心に、検事や警察署長など町の実験を握る人物がこぞって暴力団とつるんでいるからである。が、一人の警官が街中でヤミ織物が発見されたことから記者が動き出し、青年会の類が次々と発起し、大きな波となって、暴力団組長の逮捕、汚職議員、悪徳検事や署長を辞職に追い込む。

数え切れない人物が交錯して誰が主人公とも言いにくいのはルポの映画化らしく、興味深い内容ではあるが、社会派の山本薩夫監督としては散漫な印象を与えている。セミドキュメンタリーとしての迫力はあるが、映画としての潤いに欠け、余り気に入らない。

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