映画評「1917 命をかけた伝令」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 2019年アメリカ=イギリス=インド=スペイン=カナダ=中国合作映画 監督サム・メンデス ネタバレあり 最近のサム・メンデス監督作品では「007スカイフォール」が面白かったものの、あれは寧ろ脚本の力であったろう。本作もまた総合的に優れていると言って良いと思うが、それ以上に映画論的に語りたくなる…
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映画評「サラトガ本線」

☆☆★(5点/10点満点中) 1944年アメリカ映画 監督サム・ウッド ネタバレあり 「カサブランカ」(1942年)以降のイングリッド・バーグマン主演映画は大体観ているが、本作は大作にも拘わらず、未鑑賞だった。  現在の評価を考えると是非とも観たいという作品ではないものの、イングリッドの主演であれば観ておかないわけには行かな…
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映画評「大統領のカメラマン」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2020年アメリカ映画 監督ドーン・ポーター ネタバレあり 不勉強で大統領専属のカメラマンという仕事があるとは知らなかった。  1980年代にロナルド・レーガン、2009年から2016年までバラク・オバマの専属カメラマンを務めたピート・スーザという人をめぐるドキュメンタリーである。 共和…
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映画評「私は殺される」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1948年アメリカ映画 監督アナトール・リトヴァク ネタバレあり 1980年代に地上波民放での深夜放送を録画して観て以来の再鑑賞。あの時はCMカットはあっても89分の作品なのでノーカットだったかもしれない。 心臓病でベッドから動けない製薬会社のお嬢さんバーバラ・スタンウィックが、副社長の夫…
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映画評「また、あなたとブッククラブで」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督ビル・ホルダーマン ネタバレあり 本好きということもあって、本絡みの映画には心動かされることが多いので期待したが、それらしい知的な要素は最小限で、「セックス・アンド・ザ・シティ」の老婦人版という趣きである。些かがっかり。 しかし、出て来る女優たちが僕らの世代にはお…
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映画評「無頼」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・井筒和幸 ネタバレあり 井筒和幸の最新作は本格的なヤクザ映画である。彼の作品はヤクザでなくとも、チンピラや不良少年を主人公にする、概ね僕が苦手とする作品が多いが、「パッチギ!」(2005年)は「ウエスト・サイド物語」(「1961年)の日本版として作っていたのがよく解って楽…
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映画評「パリのどこかで、あなたと」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年フランス=ベルギー合作映画 監督セドリック・クラピッシュ ネタバレあり ばかに採点が良いではないか、と訝しく思われる人もいらっしゃるかもしれないが、理由がある。以下、参照の程。 セドリック・クラピッシュをデジタル時代のフランソワ・トリュフォーと言い出して久しい。前作「おかえり、ブ…
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映画評「映画 モンスターハンター」

☆★(3点/10点満点中) 2020年アメリカ=中国=日本=南ア=ドイツ=カナダ合作映画 監督ポール・W・S・アンダースン ネタバレあり 「モンスターハンター」というゲームの映画化。 僕はコンピューターを介するゲームの類はトランプのフリーセルしかしたことがないので、世間で言うコンピューター・ゲームは全くしたことがないと言…
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映画評「劇場版 奥様は、取り扱い注意」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年日本映画 監督・佐藤東弥 ネタバレあり 内容に差異のない先日の「スパイの妻<劇場版>」と違って、こちらは本当の劇場版なので、TVシリーズとは内容が違う。TV版について何も知らない僕が言うのも何ですが。 劇場版という角書きが付くものは観ないと言いつつ、最近観ることがちと増えている。本…
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映画評「情熱なき犯罪」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1934年アメリカ映画 監督ベン・ヘクト、チャールズ・マッカーサー 重要なネタバレあり。鑑賞予定の方は鑑賞後にお読み下さい。 ベン・ヘクトとチャールズ・マッカーサーは有名な脚本家コンビで、コンビとしては戦前作が殆ど。代表作は1972年にビリー・ワイルダーが「フロント・ページ」としてリメイクした「…
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映画評「GOGO 94歳の小学生」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2020年フランス映画 監督パスカル・プリッソン ネタバレあり フランス製ドキュメンタリー。  邦題通りの内容で、GOGO(ゴゴ)というのはアフタヌーンのことではなく(笑)、スワヒリ語でおばあちゃんのこと。一緒に通うひ孫や子供たちにそう呼ばれている、本名プリシラ・シティエネルが主人公である。場…
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映画評「飢ゆるアメリカ」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1932年アメリカ映画 監督ウィリアム・A・ウェルマン ネタバレあり 知る人は少ないだろうが、ウィリアム・A・ウェルマン(一部で非常に評価が高い監督)の戦前の代表作である。プライム・ビデオによる鑑賞。 第一次大戦中にリチャード・バーセルメスが負傷し捕虜になる。痛み止めの為にモルヒネを処方…
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映画評「スパイの妻<劇場版>」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・黒沢清 ネタバレあり ベネチア映画祭の銀獅子賞受賞より【キネマ旬報】のベスト1に選ばれたので期待したが、そこまでの手応えはなかった。まず、映像が平べったいのが気に入らない。NHK8Kで放送された元の素材を色補正して映画館仕様にしたようだ。黒沢清監督作品。 1940…
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映画評「サンドラの小さな家」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年アイルランド=イギリス合作映画 監督フィリダ・ロイド ネタバレあり 英国であればケン・ローチが作りそうな、アイルランド映画。主演もしているクレア・ダンの原案・共同脚本を女性監督フィリダ・ロイドが映像化している。 家庭内暴力の夫ゲイリー(イアン・ロイド・アンダースン)と別れて、まだ幼…
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映画評「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年ドイツ映画 監督アンドレアス・ドレーゼン ネタバレあり 東ドイツ時代から炭坑労働者とフォーク歌手の二足の草鞋を履き、東西統合後もバンドを組むが、東独時代に悪名高いシュタージ(秘密警察)のスパイとしていたことを告白した後42歳で夭折したゲアハルト・グンダーマン(1955-1998)なる人物…
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映画評「或る日曜日の午後」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1933年アメリカ映画 監督スティーヴン・ロバーツ ネタバレあり スティーヴン・ロバーツという監督は戦前の監督も比較的知っている僕も、本作以外の作品をすぐに思い出せないが、この作品は落ち着いた、良いところが出る時のアメリカ映画らしい秀作である。原作となったジェームズ・ヘーガンの舞台劇が寄与すると…
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映画評「100日間のシンプルライフ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年ドイツ映画 監督フローリアン・ダーヴィト・フィッツ ネタバレあり 僕は、買った小道具の類を全く大事にしない輩が周囲にいるのが気になって仕方がない。物にも魂があると思うので、作られたからには使ってやり、それも自然に壊れるまで使うのが人としての使命であると考えている。そんな考えのおかげで結果…
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映画評「私は確信する」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年フランス=ベルギー合作映画 監督アントワーヌ・ランボー ネタバレあり 2000年にフランスで実際に起きた主婦失踪事件(ヴィギエ事件)の再審をテーマにした実話もの。監督は新人アントワーヌ・ランボー。解らないことも多いが勉強にもなる。 アメリカで推定無罪の確定判決を受けた事件は二度と沙…
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映画評「砕け散るところを見せてあげる」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2021年日本映画 監督SABU ネタバレあり 竹宮ゆゆこのライト・ノベル(YA小説)をSABUが映画化した作品。ジャンルは何とも言えない。 ヒーローになろうとしている高校3年の男子生徒・濱田清澄(中川大志)は、校内でいじらめているのを目撃した高校1年の女子生徒・玻璃(石井杏奈)の為に立ち上…
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映画評「トムとジェリー」(2021年)

☆☆(4点/10点満点中) 2021年アメリカ映画 監督ティム・ストーリー ネタバレあり 小学生時代にTVで観たことのある「トムとジェリー」が何故か今頃映画になった(調べてみると、シリーズが終了後も現在まで断続的に作られていたようでござる)。動物は全てアニメ、人間は実写という、半実写の映画化というのが特徴であろうが、これがどう…
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映画評「ノッティングヒルの洋菓子店」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年イギリス映画 監督イライザ・シュローダー ネタバレあり 洋画の邦題に洋菓子店という単語はどうかと思うが、それはともかく、総じてありきたりの内容ながら、英国庶民映画の中ではなかなか上品な感じがするところが良い。 アラフォーの女性イザベラ(シェリー・コン)がパティシエの親友サラ(キャン…
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映画評「幻の女」(1944年)

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1944年アメリカ映画 監督ロバート・シオドマーク ネタバレあり コーネル・ウールリッチのサスペンス小説「幻の女」(ウィリアム・アイリッシュ名義で発表)は、大学生のとき先が読みたくて止まらず、一度も中断せずに読み終えてしまった。それから十数年後TV(衛星放送?)で観たが、そんな原作と比較すれば、…
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映画評「最後の戦闘機」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1935年フランス映画 監督アナトール・リトヴァク ネタバレあり ロシア出身の名監督アナトール・リトヴァクはアメリカ映画での印象が強いが、これは渡米する少し前にフランスで撮ったドラマの秀作である。純戦争映画のようなタイトルだが、戦争をモチーフにしたロマンスと言ったほうが近いだろう。  原作「エ…
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映画評「越境者」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1950年イタリア映画 監督ピエトロ・ジェルミ ネタバレあり 「鉄道員」(1957年)以降快打連発のピエトロ・ジェルミの初期作品なので勇んで観たが、IMDbに投票してありました。つまり2回目の鑑賞ですな。すっかり忘れているのでそれは構わない。構わないどころか、いま観ると全く違った思いに駆られる。…
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映画評「西部戦線一九一八年」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1930年ドイツ映画 監督ゲオルク・ヴィルヘルム・パプスト ネタバレあり 先日「炭坑」(1931年)で久しぶりに再会したドイツの名匠ゲオルク・ヴィルヘルム・パプスト(G・W・パプスト)の代表作。50年間観たかった作品だが、実は生涯見られないだろうと諦めていた。従って、僕が観て来たプライム・ビデオ…
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映画評「天使のはらわた 赤い教室」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1979年日本映画 監督・曾根中生 ネタバレあり にっかつロマン・ポルノの後期に当たるのだろうが、石井隆の劇画の映画化「女高生 天使のはらわた」が熱心な邦画ファンの心を掴み、シリーズ化された。しかし、今回のWOWOWのロマン・ポルノ特集では、何故か一作目は登場せず、引き続き曾根中生が監督したこの第…
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映画評「くれなずめ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年日本映画 監督・松居大悟 ネタバレあり 奇々怪々な青春(回顧)映画である。 友人の結婚式に高校の悪友たち成田凌、高良健吾、若葉竜也、浜野謙太、藤原季節、目次立樹の6名が集まる。高校時代の赤フン芸を披露して顰蹙を買ったらしい彼らは、2次会までの長い時間を潰す為にカラオケするなどして、…
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映画評「花束みたいな恋をした」

☆☆★(5点/10点満点中) 2021年日本映画 監督・土井裕泰 ネタバレあり 人気若手俳優が出るロマンス系は甘すぎるものが多いので避けることが多いが、外部の勢いにつられて、観てしまった。題名は意味不明。 就職活動期にある大学生男女、菅田将暉と有村架純が終電車に乗り遅れ、深夜営業のファミレス何かで駄弁るうち、サブカルチャ…
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映画評「再会の夏」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2018年フランス=ベルギー合作映画 監督ジャン・ベッケル ネタバレあり 地味ながら滋味あふれる作品を作るジャン・ベッケル監督の佳品。フランス流のコント(小話)の伝統を強く感じる。 第一次大戦後レジオン・ドヌール勲章を愛犬にかけたことで不敬罪に問われて軍の留置場に収監された元兵士モルラック…
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映画評「THE CROSSING~香港と大陸をまたぐ少女~」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年中国映画 監督バイ・シュエ ネタバレあり 純中国製らしいが、純粋な香港映画のような空気感が漂う作り方であり、内容である。 深圳から香港の高校へ通っている女子高生ペイペイ(ホアン・ヤオ)が、親友ジョー(カーマン・トン)と日本へ行こうと思っている最中、税関で若者から密輸のi-phone…
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映画評「フリー・ガイ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2021年アメリカ映画 監督ショーン・レヴィ ネタバレあり ふーん、なるほど。必ずしも内容そのものではないので誤解しないで戴きたいのだが、僕のお気に入りの二作「主人公は僕だった」(2006年)と「“アイデンティティ”」(2003年)の着想を合わせたような作品である。梗概の中で説明しましょう。 …
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