映画評「THE CROSSING~香港と大陸をまたぐ少女~」

☆☆★(5点/10点満点中)
2018年中国映画 監督バイ・シュエ
ネタバレあり

純中国製らしいが、純粋な香港映画のような空気感が漂う作り方であり、内容である。

深圳から香港の高校へ通っている女子高生ペイペイ(ホアン・ヤオ)が、親友ジョー(カーマン・トン)と日本へ行こうと思っている最中、税関で若者から密輸のi-phoneの入った鞄を預けられてしまう。それを契機に旅費稼ぎをしたいが故に密輸グループの一員として便利に使われてしまうが、やがてグループは一網打尽になり、彼女は保護観察という処分が下される。

現在の税関は厳しくなっているのでこういうことはほぼ出来なくなっているという字幕が出るのを見ると、教訓的な目的で作られたわけではなさそうで、無軌道に転落しそうになる一つの青春像を見せようとしたと考えるのが妥当のように思われる。
 その文脈の中で、密輸活動の中で一緒に行動するハオ(スン・ヤン)がジョーのボーイフレンドだった為、誤解したジョーとの仲にも亀裂が入る、といった辺りは典型的な青春模様である。

それは良いのだが、知らない俳優ばかりということもあってお話がよく繋がらないところが多く、例えば、鞄を預けた若者はどうも彼女の知り合い(ハオ?)だったようである。あるいは、ペイペイが裏切ったとボスが糾弾する場面で彼女が何をしたのか全く解らないなど一人合点的な見せ方も目立つ。

背景音楽のエレキ・ベースとリンクしたストップモーションなどみずみずしいところは評価できるものの、新人監督バイ・シュエの展開ぶりはどうも心許なく、全体として余り感心できない。

中国と言えば、女子テニス選手の問題に絡んで、中国と蜜月状態だった女子テニス協会が中国・香港での試合を事案解決まで中止すると決定した。本来は個人の問題だから国を絡めなければ簡単に済むのだけれど、全体主義の国は幹部=国家となるので、それが出来ない。ウイグルやチベットの問題もそうだが、(自由主義と社会主義に基づく)価値観の違いで済む話ではない。

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