映画評「私をくいとめて」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・大九明子 ネタバレあり 「勝手にふるえてろ」でミュージカルは心の声を表現しているという(当たり前の)ことを明確に示したことと、その軽みの感覚が大いに気に入った大九明子監督が、同じく綿矢りさの小説を映画化した。  パワーアップしてよりポップになったが、ポップさが増せば軽…
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映画評「約束のネバーランド」

☆★(3点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・平川雄一朗 ネタバレあり YA小説を映画化したアメリカの逃亡系ディストピア映画「メイズ・ランナー」「ダイバージェント」をぐっと小規模にしたようなお話。  原作たる白井カイウ(作)、出水ぽすか(画)のコミックが発表されたのは2016年(から)だから、かの映画もしくはその原作…
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映画評「東京無印女子物語」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2012年日本映画 監督・大九明子 ネタバレあり 大九明子監督シリーズ第3弾。  内容は一昨日の「恋するマドリ」より大人っぽく、リアルさも伴っているが、彼女らしい軽みが余り感じられないので何となく寂しい。コミック2編を一本にしたオムニバスで、かなり綺麗に二つに分かれている。 第一話。長野か…
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映画評「ウィンナー・ワルツ」

☆☆★(5点/10点満点中) 1934年イギリス映画 監督アルフレッド・ヒッチコック ネタバレあり アルフレッド・ヒッチコック監督第16作。彼の現存する作品で観ていないのは多分4本あるが、そのうちの一本。 ヒッチコック本人も全く問題にしていない、ワルツ王ヨハン・シュトラウス2世(エズモンド・ナイト)のデタラメ伝記映画であ…
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映画評「恋するマドリ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2007年日本映画 監督・大九明子 ネタバレあり 僕がひそかに注目している大九明子監督の長編デビュー作。 美大の女子学生・新垣結衣が姉の結婚で二人暮らしだった住居から出て独りアパートで暮らし始める。忘れ物を取りに元の家に行くと、インドへ行く前の仮住まいと称する女性建築士・菊地凛子が待っていて…
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映画評「グッバイ、リチャード!」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督ウェイン・ロバーツ ネタバレあり ジョニー・デップ扮する文学教授リチャードが末期の肺ガンに冒されていると知らされる。  大学長と浮気をしていると彫刻家の妻ローズマリー・デウィットが告げても、高校生くらいの娘オデッサ・ヤングが同性愛をカミングアウトしても、余命の少ないこ…
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映画評「渚の恋人たち」

☆☆★(5点/10点満点中) 2015年日本映画 監督・大九明子 ネタバレあり 「勝手にふるえてろ」という映画で僕は俄然、ふわっとした存在感を示す松岡茉優がご贔屓になったし、ミュージカルの登場人物が歌うのは心の声をという(当たり前の)ことをよく示してくれた大九明子という監督の感覚にも注目した。採点を☆☆☆に留めながらも気に入っ…
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映画評「ビューティフル・ボーイ」(2018年)

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督フェリックス・ヴァン・フルーニンゲン ネタバレあり デーヴィッド・シェフとニック・シェフの親子が別々に書いた自伝を合体させ、フェリックス・ヴァン・フルーニンゲンが映画化したドラマ。最近流行気味のドラッグ依存症を主題にしたものである。欧米で問題となる薬は、マフィアが扱うも…
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映画評「天外者」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・田中光敏 ネタバレあり 【天外者】と書いて“てんがらもん”と読む。 2020年度の【キネマ旬報】ベスト選出で珍現象が起きた。うるさ型の批評家と大衆の指向が乖離していた大昔ならともかく、選出するプロが60名に及んで多様化が進む現在で、プロが1点も進呈しないこの作品が読…
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映画評「女の復讐」

☆☆★(5点/10点満点中) 1990年フランス映画 監督ジャック・ドワイヨン ネタバレあり 今回WOWOWが5本特集しているジャック・ドワイヨンの作品のうち3本が未見で全て観るつもりでいるが、「ポネット」以外はどうも僕の言う “面倒臭い” 映画の類で退屈することが多そうだ。昨日の「ラ・ピラート」は、ある時期までのジャン=リュ…
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映画評「ラ・ピラート」

☆☆★(5点/10点満点中) 1984年フランス映画 監督ジャック・ドワイヨン ネタバレあり ジャック・ドワイヨンという監督は、名前をよく聞く割に余り観ていない。「愛されすぎて」(1992年)と「ポネット」(1996年)という作品を観たくらいである。後者は、かなり一般的な内容で、主演した幼女ヴィクトワール・ディヴィソルちゃんの…
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映画評「ダウントン・アビー」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年イギリス=アメリカ合作映画 監督マイケル・エングラー ネタバレあり 洋の東西を問わず、TVドラマは小学生以来まともに観たことがないので、TVシリーズ「ダウントン・アビー」は勿論観ていない。辛うじて題名を知っている程度。この間英国の不動産相続に関連してコメント欄で言及されてはいたし、2時間…
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映画評「神々の深き欲望」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1968年日本映画 監督・今村昌平 ネタバレあり 一番好きな今村昌平の作品は「にっぽん昆虫記」と思うが、長い割によく見るのはこの作品で、今回が恐らく4回目の鑑賞。今村監督の初カラー作品ということだが、彼はモノクロでもカラーでもパワフルで凄味がある。 舞台は北緯20度あたりにあるくらげ島。 …
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映画評「樹海村」

☆★(3点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・清水崇 ネタバレあり 清水崇監督による「犬鳴村」に続く廃村シリーズ第2弾だが、本作には村らしい村は出て来ない。樹海の中にあったらしいちょっとした障碍者のコミュニティの遺構らしきものが出て来るだけである。 TV芸能人とは関係ないアッキーナなる少女が樹海を突撃レポート、そ…
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映画評「燃ゆる女の肖像」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年フランス映画 監督セリーヌ・シアマ ネタバレあり セリーヌ・シアマという女性監督は初めて観るかと思っていたところ、10年以上前に「水の中のつぼみ」というガールズ・ムービーで経験済みだった。WOWOWでかの作品を含む彼女の映画を3本やったせいか、その特集の日(10月10日)に、書いた本人…
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映画評「キーパー ある兵士の奇跡」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年イギリス=ドイツ合作映画 監督マルクス・H・ローゼンミュラー ネタバレあり 野球選手であれば自分の生まれる前の大リーガーもある程度は知っているが、サッカー選手は全く解らない。サッカー・ファンであれば、本作の主人公をきっと知っている筈で、門外漢の僕とは違う興味をもって観たことであろう。 …
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映画評「チャンシルさんには福が多いね」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年韓国映画 監督キム・キョヒ ネタバレあり 韓国映画には珍しく力の抜けた素敵なコメディーだが、採点上は厳しくした。 映画の女性プロデューサーのカン・マルグムは、ずっと手を組んでいた監督が亡くなって製作のツテも途絶え、映画作りという居場所を失う。丘の上にある家に間借りすることにするが、…
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映画評「ニューヨーク 親切なロシア料理店」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年デンマーク=カナダ=スウェーデン=フランス=ドイツ合作映画 監督ロネ・シェルフィグ ネタバレあり デンマークの監督は概して人間を冷徹にシニカルに描き出すが、ロネ・シェルフィグという女性監督は正反対である。 専業主婦ゾーイ・カザンがDV夫の暴力から逃れる為二人の子供(兄ジャック・フル…
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映画評「声優夫婦の甘くない生活」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年イスラエル映画 監督エフゲニー・ルーマン ネタバレあり ソ連からイスラエルに渡った声優夫婦を主人公にしたコメディー。  終わってみると、邦題が一番の傑作であった。というのも、夫婦の夫がフェデリコ・フェリーニのファンという設定に基づき、配給会社の諸君が「甘い生活」(1960年)をもじっ…
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映画評「ヒトラーに盗られたうさぎ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年ドイツ=スイス=イタリア合作映画 監督カロリーネ・リンク ネタバレあり ジュディス・カーというドイツ出身の児童文学者(絵本作家)の少女時代を描いた伝記もの。彼女自身の自伝的小説が原作だが、姓名が変えられている。原作由来か映画における改変かは不明。 1933年のベルリン。ナチスを批…
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映画評「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年フランス=ベルギー合作映画 監督アレクシス・ミシャリク ネタバレあり 読み始めたものはどんなに難解あるいは退屈でも最後まで読むというポリシーでずっとやってきた僕が、記憶している限り唯一高校時代に、読め始めて早々に放り投げたのがエドモン・ロスタンの有名戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」であ…
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映画評「騙し絵の牙」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・吉田大八 ネタバレあり 新聞社を扱った映画は結構多いが、出版社の内幕を描く作品は殆ど観た記憶がない。作家を中心にしたものなら洋画で幾つかあるが。  本作は、塩田武士の小説を吉田大八監督が映画化した出版社内幕サスペンス。 出版社の大手・薫風社の社長が急死し、保守派と…
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映画評「ストックホルム・ケース」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年スウェーデン=カナダ合作映画 監督ロバート・バドロー ネタバレあり ストックホルム症候群という呼称ができる基になった銀行強盗事件の顛末を描く実話もの。僕がこの用語を知ったのはパトリシア・ハースト事件であるが、あの事件自体はストックホルムの事件の1年後にすぎないので、後年どこかでその名称と…
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映画評「サウンド・オブ・メタル~聞こえるということ~」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ダリウス・マーダー ネタバレあり アマゾン・プライムで見ようとしていたその日に、偶然にもブログ友達として長い付き合いの vivajiji さんから、お薦めのメッセージがあった。虫の知らせと言うか、以心伝心と言うか。  音楽絡みなので注目していたが、アカデミー賞にも色…
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映画評「生きちゃった」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・石井裕也 ネタバレあり 資本が香港(映画祭)から出ているので、厳密には日本映画ではないが、日本映画ということにしておきます。監督は石井裕也だが、いつものとぼけた石井調は少なく、トーンとしてはほぼ一貫してシリアスである。 婚約者までいたのに高校時代から(?)の知り合い…
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映画評「007/カジノ・ロワイヤル」(1967年版)

☆☆☆(6点/10点満点中) 1967年イギリス=アメリカ合作映画 監督ジョン・ヒューストン、ヴァル・ゲスト、ケン・ヒューズ、ロバート・パリッシュ、ジョゼフ・マクグラス ネタバレあり 僕の記憶では日本のTVに初めて登場した007がこれである。前後編に分けて放映され、ほぼカットはなかったと思う。  そそっかしい僕の級友がご本家…
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映画評「新解釈・三國志」

☆☆(4点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・福田雄一 ネタバレあり タイトル通りの内容で、中国=香港映画「レッドクリフ」のコメディー版と思えばほぼ正解である。監督は他愛ないコメディーを色々と作っている福田雄一で、劉備に扮する大泉洋を別にすれば、出演者も福田組と言えるメンバーが多い。 お笑いの要素としては人物の性…
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映画評「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」(地上波放映版)

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・外崎春雄 ネタバレあり TVドラマやTVアニメを見ない人種なので、"劇場版"といった角書(つのがき)がつく日本映画は大体において観ないが、本作はコロナ禍の制限下で、或いは、だからこそ日本歴代1位の興行収入を上げた作品なので、TVで無料で見られるとならば、後学の為さすがに観…
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映画評「朝が来る」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・河瀨直美 ネタバレあり 前回の「Vision ビジョン」は形而上的でピンと来なかったが、最近の河瀨直美監督とは概ね相性が良い。その前の「光」が素晴らしく、今回は辻村深月の小説を映画化したということもあって従来より幅広い観客層に受けそうである。 精子の事情で妊娠を諦…
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映画評「ピータールー マンチェスターの悲劇」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年イギリス映画 監督マイク・リー ネタバレあり 「秘密と嘘」(1996年)という秀作のあるマイク・リー監督の歴史劇だが、映画評として書く事は殆どない。 つまり、1819年、ナポレオン戦争以降混乱したイングランドの北部、マンチェスターの町民有志が男性の普通選挙を実現しようとした結果、…
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映画評「コリーニ事件」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年ドイツ映画 監督マルコ・クロイツパイントナー ネタバレあり ドイツ製の法廷もの。 有名な老実業家ハンス・マイヤーが殺され、新米弁護士ライネン(エリアス・ムバレク)が在ドイツ30年のイタリア人コリーニ(フランコ・ネロ)の国選弁護人に選ばれる。  ここで問題となるのが、被害者が少年…
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