映画評「ラ・ピラート」

☆☆★(5点/10点満点中)
1984年フランス映画 監督ジャック・ドワイヨン
ネタバレあり

ジャック・ドワイヨンという監督は、名前をよく聞く割に余り観ていない。「愛されすぎて」(1992年)と「ポネット」(1996年)という作品を観たくらいである。後者は、かなり一般的な内容で、主演した幼女ヴィクトワール・ディヴィソルちゃんの演技に瞠目させられた。

妙齢美人マルーシュカ・デトーメルスが少女ロール・マルサックと車の中で、恋人だった既婚婦人ジェーン・バーキンを待つ。マルーシュカはホテルでジェーンを求めるが、ジェーンの夫アンドリュー・バーキンはその奪還の為にナンバー5と呼ばれる探偵フィリップ・レオタールを雇う。埒が明かない状態に遂にご本人も登場するが、どうにも収拾が付かない。
 やがて場所を移動して全員が集った船の中でロールちゃんはジェーンを撃ち、追って来る夫君も撃つ。やがてマルーシュカとロールと重傷のジェーンは車中の人となる。

というよく解らないお話で、ほぼ5人に限られた登場人物、限られた舞台という意味では演劇的でありながら、登場人物の捉え方は映画的、特にヌーヴェルヴァーグ的である。
 フィリップ・レオタールの探偵はジャン=リュック・ゴダール作品二作におけるジャン=ポール・ベルモンドのように変てこだし、鈴木清順監督の「殺しの烙印」(1967年)における殺し屋のように番号(本作では5番目の出演者という意味だろう)で呼ばれる。

台詞の端々で解るのは、ジェーンは誰にでも愛されること、(誰もを愛するが故に)誰も愛せないこと(だからどうだってえの、という気もするが)。そして、それが為に起こる騒動を、一切神話的と思わせないような神話として描いたように左脳人間の僕には思われる。論理的に考えて、最後にジェーンにピストルを放つ少女は神もしくは派遣された天使のように感じられるからである。

僕のような論理的に見る左脳人間の方は10人中9人くらい、これは何じゃらほい、と思うに違いない。他方、感覚的に見られる方は没入できそうな気がする。

何だかよく解らないよん、ドワイヨン。と韻を踏んでみる。

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