映画評「樹海村」

☆★(3点/10点満点中)
2020年日本映画 監督・清水崇
ネタバレあり

清水崇監督による「犬鳴村」に続く廃村シリーズ第2弾だが、本作には村らしい村は出て来ない。樹海の中にあったらしいちょっとした障碍者のコミュニティの遺構らしきものが出て来るだけである。

TV芸能人とは関係ないアッキーナなる少女が樹海を突撃レポート、そのまま帰らぬ人となる。その中継を見ていた同世代の少女・天沢響(山田杏奈)はグループでその樹海に入るが、他のメンバーを置いて早々に逃げて来る。
 彼女とその姉・鳴(山口まゆ)が、結婚をするかしたかの友人たちの引越しに協力するうち、恐らくはその旦那に当たる若者・輝(神尾楓珠)が謎の箱を発見する。その箱の処分を依頼した知人らしき中年男性が車にはねられて死ぬ。
 そこで輝の悪友・真二郎(倉悠貴)の父である僧侶がお祓いを試みるも失敗、やがて火災で死んでしまう。その前に響がその箱に火をつけた映像が残されていた為容疑者となるが、その言動から見えないものが見える統合失調症として病院に入院することになる。

ここまでは樹海村と箱は並行して描かれる形であるが、誰にも想像が付くようにこの箱は樹海村由来という関係がある。その箱にはかつて差別されて捨てられ樹海村を作った障碍者の指が収められてい、その呪いで次々と不審死する人物の指も加えられる。

鳴は母親(安達祐実)が残した記録をつてに再び樹海に入り、亡者に襲われる。それを幽体離脱した響に救われる。現場で樹木と一体化した響は恐らく病院で亡くなったことが確認されるだろう。

というお話で、僕がホラー映画に余り良い点をつけない(ことが多い)のは、左脳人間であるが故に、非論理性が気になってしまうからである。ホラーはその性格故に論理とは相性が悪いのだ。
 本作には論理的にどうなっているか全く解らないものと、明らかに論理的におかしいものという、二種類の非論理性が目立ち、大いに気になった。
 例えば、次々と亡くなる人間の死の順番が不可解で、殊に響(ひびき)を診る医師があの段階で死ぬのは理屈が見い出せない。医師は科学に頼って響の能力を否定する結論を出しているが、それで死ぬならまるで響が呪ったように見えてしまい、納得しかねる。

少し面白いのは、幼年時代の姉妹を冒頭に出し、中盤で母親の謎の自殺を示し、それを鳴(めい)が追体験するという流れである。ホラーの要素を別にすれば、本作は彼女が過去の謎を解くまでの、ミステリー趣向の自分探しの物語と言うこともできると思う。

しかし、全体として、映像機材活用の発端と言い「犬鳴村」の二番煎じばかりで、全くおいしくない。

安達祐実も40歳だそうです。【光陰矢の如し】とは言うが。

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