映画評「ミッドウェイ」(2019年)

☆☆★(5点/10点満点中)
2019年アメリカ=カナダ=中国合作映画 監督ローランド・エメリッヒ
ネタバレあり

1976年に同じ題名(原題・邦題とも)の戦争映画が作られた。余り感心できなかった。ローランド・エメリッヒ監督の本作は如何だろうか?

1942年6月のミッドウェー海戦は、太平洋戦争における日米の優劣関係を逆転させた戦いとして知られるが、本作は太平洋戦争の発端である日本軍の真珠湾攻撃までもそれなりにがっちり描かれる。個人的にはここまでのほうがそれ以降より楽しめた。
 なかなか史実に忠実に展開しているようなので、梗概はミッドウェー海戦について記した Wikipedia の項目でも読んで下さい。

ニミッツ大将(ウッディー・ハレルスン)以下色々と出て来る中で、米軍勝利に貢献した人物として、実戦面でディック・ベスト大尉(エド・スクライン)、情報合戦面でエドウィン・レイトン少佐(パトリック・ウィルスン)をフィーチャーした内容である。
 日本側の重要人物は、言うまでもなく山本五十六大将(豊川悦司)で、空母飛龍と共に沈没して行った山口多聞少将(浅野忠信)。勿論、南雲忠一中将(國村隼)も出て来る。

内容的に日本人をしゅんとさせるが、それでもかなり型通りと言いながら、日本軍人を馬鹿にするような描写がなく比較的客観的に扱われているのは良い。兵士たちが日本軍(人)について悪い言葉を使うのは戦争中であれば当たり前であろう。

しかし、日米の活動がカットバックの形で描かれる作品として「トラ・トラ・トラ!」(1970年)ほどの面白味がないのは、余りにドキュメントに徹して小ドラマの羅列に推移、大きなうねりを成すドラマがないからである。ドキュメントに徹することが観照的手法として機能することもあるから、一概にかかる手法を否定するものではない。誤解なきよう。

ミッドウェー海戦絡みでは一連の山本五十六映画の方が楽しめる。若い人にはそちらを薦めたい。

アメリカ製の、久々の本格的戦争映画。僕らが子供の頃はTVにかかる洋画と言えば、西部劇か戦争映画かというくらい多かったものだが。どちらもアメリカンニューシネマの台頭により衰退した。

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この記事へのコメント

2021年08月21日 09:52
去年、コロナ禍での数少ない映画館通いによる1本でした。あまり乗り気ではなかったですが。
今の技術で、ミッドウェー前後を映像化して、まとめてみた、といった印象も受けました。おっしゃるとおり、ドラマティックなストーリー的記憶は…ないですね…。
オカピー
2021年08月21日 22:07
ボーさん、こんにちは。

>ドラマティックなストーリー的記憶は…ないですね…。

案外きちんと作っていましたが、お話は面白くなかったです。

VFXもTVで見ると意外と作り物っぽい。評判の悪い日本映画の方がTVで見ると良かったりする。どういうこと?(笑)