映画評「フェアウェル」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2019年アメリカ=中国合作映画 監督ルル・ワン
ネタバレあり

台湾製アニメ「幸福路のチー」と似ているところがある。

幼年期に両親と共に渡米して帰化した30歳くらいの中国系女性ビリー(オークワフィナ)は、中国にいる父方の祖母ナイナイ(チャオ・シュウチェン)が大好き。しかし、その祖母が末期がんということで、両親ら一族が姻族の結婚=ヒロインの従弟が日本女性(水原碧衣)と結婚=にかこつけて帰郷する。祖母自身には内密である為、感情的なビリーは置いてけぼりを喰らうが、結局後からやって来る。

ここから、一族が祖母と故郷への思いに揺さぶられる様子が描出され、一族に中国に残った組とアメリカや日本に渡った組とがある為、中国と外国(特に米国)との比較論が一つのモチーフとして浮かび上がる。

しかし、女性監督ルル・ワン監督の自伝的内容である本作の中心は、あくまでヒロインのアイデンティティに関する思いである。ビリー即ちルルは、中国で祖母の面倒を見ると言い出すが非現実的と反対され、結局帰国する。それでも、中国での経験を経て彼女は米国で生きる自身を深めていき、現在があるわけである。

東洋には、仏典の挿話を読んでも、 “良い嘘” という観念があり、正統キリスト教とはバッティングするが、シチュエーション・コメディーの要素としての嘘と違って、本作の嘘は仏教的な嘘であり、人情的であると同時にそこはかとなく可笑し味を醸成するのが大変好もしい。

画面にも捨てがたい構成力があるが、背景音楽が本年度の音楽賞に値するくらい素晴らしい。「冒険者たち」の葬送シーンに似たスキャットから始まり、ストレスのない音楽が満載。痺れた。

NHK五輪HPのストリーミングによるソフトボール“アメリカVSカナダ戦”を英語実況で観ながら(聞きながら)書いています。NHK地上波、NHK-BS,民放、配信・・・全部観たい。どうしたらよいのでしょう? 明日のアーチェリーはストリーミングあるのかなあ?

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