映画評「アス」

☆☆★(5点/10点満点中)
2020年アメリカ映画 監督ジョーダン・ピール
重要なネタバレあり。未鑑賞の方は要注意デス。

デビュー作の「ゲット・アウト」が当たったジョーダン・ピール監督の第2弾。一度当ててしまうと次作のハードルが高くなって大概の監督が苦労するのだが、さてピール監督の首尾はどうか? 

少女時代遊園地でドッペルゲンガーにあってトラウマを抱える黒人美人ルピタ・ニョンゴが、夫ウィンストン・デュークや長女や長男と一緒にその遊園地へ行くが、やはり思わしくない結果に。その夜自分達と全く同じ様子をした四人家族が彼らの家に現れ、地下に生きて来た云々と言った後、一家を滅ぼそうと襲い掛かり、一家は全力で抵抗する。

というお話の背景が極めて散文的な、科学風刺的なものなのはホラーとしては理に落ちてつまらず、黒沢清よろしくもっと精神的な現象として見せてくれた方が怖かっただろうと思う。

個人ではなく、一家全体のドッペルゲンガーという設定は面白いが、喜べるのは最初だけで、既述したようにその背景が科学によるものであり、同じような現象が一家だけではなく近隣で次々と起こっていることが判る段になると大分興醒めしてしまう。
 また、世代を超えて同じ家族構成になるのはあり得ないわけで、そこだけシュールな設定であるため論理上の疑問が多く、詰めが甘いと言わざるを得ない。

最後のどんでん返しは、序盤少女が失語症になる理由として平仄が合っている。しかし、彼女の両親にとってはどんでん返しでも、観客が感情移入する現在の家族にとってはどんでん返しにならない。そこが弱い。
 また、この種明かしは、僕が映画とは言えないと大批判を展開した「アイランド」(2005年)と同じような意味を持たせるから、かの作品ほどでないにしても不快にならないでもない。

M・ナイト・シャマランと同じタイプの作品を作る監督と見た。ジョーダン(冗談)だけど(というのは嘘だけど)。

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