映画評「事故物件 恐い間取り」

☆★(3点/10点満点中)
2020年日本映画 監督・中田秀夫
ネタバレあり

題名に興味が湧いたので観てみたが、お粗末にすぎる。松原タニシという芸人の体験(を記したノンフィクション)を映画化したホラー映画。
 ホラーに実績のある中田秀夫が監督をしたのにこの出来栄えでは誠にがっかりさせられる。割合好評なallcinemaの投稿者群より、その一人がうっちゃっておけとする某映画サイトの投稿者たちの評価の方が価値観としては正しいような気がする。 IMDb の平均採点も4.6と低いので、ホラー映画ファンには楽しめる要素があるにしても、どうにも感心できなかった一般人が多いということだろう。

売れない芸人・亀梨和也がピン芸人となって食えそうもなく、放送作家に転身した以前の相方・瀬戸康史の提案で、前住人が自死・殺人などに遭った事故物件に住み、カメラを回して体験を語るという番組を任せられることになる。早速カメラに霊体らしきものが写った為に気を良くしたプロデューサー木下ほうかが続編制作を決める。
 そうそうそんな経験ができるものでもないが、昔からの彼のファンで知り合ったばかりの霊感美人・奈緒に頼るうちに色々と怖い体験をする。放送作家として実績を残せない瀬戸君もこの企画に便乗するうち、両親に次々と不幸が襲い退職したため故郷に戻ることになる。
 番組が好評で遂に東京への進出を決めた亀梨君が最初に住むことになった家に非常な恐怖を感じた奈緒嬢が制止するが、彼は言うことを聞かない。彼女の言う通り家には魔物のような霊体(?)が住んでいて、彼に襲い掛かる。そこへ彼女に続き、故郷に帰るはずの瀬戸君が駆け付け、退散させる為に様々のお祓いの道具を持参して対峙する。

余りにもお粗末な見せ方に僕はずっと笑って観るしかなった。怖くない恐怖映画くらいズッコケるものはない。ドキッとした場面が一か所だけあるが、それは恐怖ではなく、突然出された老婆の顔によるショックである。知力・知性を必要としないショックなる見せ方は下の下というのが僕の映画観だ。

3番目までの事件が日本的亡霊による怪異現象であったのに対し、最後に突然欧米の動的な魔物的騒動になるのも良くない。そのシークエンスで奈緒ちゃんが救出にやって来るのは良いとしても、瀬戸君まで駆けつけるのは変。それなら前段でしかるべき按配をしておかねばならない。

しかも、亀梨君に恐怖物件を紹介してきた不動産会社の江口のりこが、霊研究家のような対策を当事者の亀梨君ではなく瀬戸君に授けるのが益々変である。

最後の最後も不明瞭な見せ方で、どうもモヤモヤする。論理派の僕は、大体非論理的な恐怖映画に良い採点を進呈できないことが多いが、それにしてもお粗末すぎる。

この映画を観た翌日、東京新聞の事故物件に関する特集を読んだ。遅かりし東京新聞!

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