映画評「ばるぼら」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本=ドイツ=イギリス合作映画 監督・手塚眞 ネタバレあり 手塚治虫の長編漫画を息子の手塚眞が映画化。 平成の谷崎潤一郎(原作が書かれたのは昭和であるが)と言われんばかりの耽美派人気作家・美倉洋介(稲垣吾郎)がスランプに陥っている最中、路上で酔いつぶれた少女ばるぼら(二階堂ふみ)を…
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映画評「コンフィデンスマンJP プリンセス編」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・田中亮 ネタバレあり 昨年の三月に第一作を観た。その時元気に出演していた三浦春馬と竹内結子が、本作の劇場公開前後に相次いで自殺してしまった。二人とも前回ほどの活躍ではないにしても本作で姿を見せているので、どうも怏々とした気持ちで観始め、そのせいもあってか乗れず終い。  …
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映画評「かもめ」(2018年)

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督マイケル・メイヤー ネタバレあり ロシアの作家の中でも特にご贔屓にしているアントン・チェーホフの四大戯曲の一つ。“喜劇”と名付けられた一種の悲劇である。日本劇場未公開作。 19世紀末のロシア。湖のそばにある邸で、作家志望の若者コンスタンチン(ビリー・ハウル)、時々…
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映画評「眉山」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2007年日本映画 監督・犬童一心 ネタバレあり 僕はグレープと初期のさだまさしのセンチメンタルすぎるくらいの叙情路線(グレープ時代の「ほおずき」を一番愛する)が大好きだから、彼の小説も恐らくは内容的には嫌いではないと想像する。  映画化作品に佳作以上と思われるものはなくとも、後味は良いのではな…
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映画評「セブン・チャンス」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1925年アメリカ映画 監督バスター・キートン ネタバレあり 映画ファンを自称するようになってさほど経たない1973年にチャールズ・チャップリンと共にバスター・キートンの作品がシリーズでリバイバルで公開され始めた。日本初公開の時は「キートンの栃麺棒」という、現在ではほぼ意味不明の邦題で公開された…
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映画評「アリバイなき男」

☆★(3点/10点満点中) 1952年アメリカ映画 監督フィル・カールスン ネタバレあり IMDbでの平均点は7.4と、信じがたい高評価を得ているが、この映画は特にお話が良くないだろうと思う。 発端はクェンティン・タランティーノの「レザボア・ドッグス」(1992年)に影響を与えたような感じで、なかなか好調。  即ち、正…
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映画評「人間の時間」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2018年韓国映画 監督キム・ギドク ネタバレあり キム・ギドクが昨年末コロナで亡くなった時日本のTVは殆ど報道しなかった。日本での知名度を考えれば仕方がないのかもしれないが、日本の映画ファンには彼が好きな人は多いし、僕も相当ご贔屓にしている。2010年代に入って形而上的な内容から離れた結果一時…
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映画評「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年フランス=ベルギー合作映画 監督フランソワ・オゾン ネタバレあり アメリカ映画「スポットライト 世紀のスクープ」(2015年)と同工異曲の実話ものである。違うのは、「スポットライト」は記者が公憤の立場からカトリック教会の神父による小児性愛を暴露し、こちらは被害者たちが自ら巨大なカトリッ…
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映画評「ポップ・スター」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督ブラディ・コーベット ネタバレあり 二日続けてのナタリー・ポートマン主演映画で、こちらも評判が誠に悪い。  色々な要因がありそうだが、幕切れにおける唐突な終わり方が結構大きな理由となっていると考える。大衆はもっと明確かつ主張のある幕切れを求めるのである。 200…
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映画評「ルーシー・イン・ザ・スカイ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ノア・ホーリー ネタバレあり リサ・ノワックという女性宇宙飛行士が起こした事件をベースにしたフィクション。日本劇場未公開。 ビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」は直接的には関係ないが、映画の半分を過ぎたところで、リサ・ハニガンによるカバ…
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映画評「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年ポーランド=イギリス=ウクライナ合作映画 監督アグニエシュカ・ホランド ネタバレあり ガレス・ジョーンズというジャーナリストを取り上げた実話ものである。スターリン時代の旧悪がテーマ。 1933年、英国首相ロイド・ジョージ(ケネス・クラナム)の外交顧問だった青年ガレス(ジェームズ・…
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映画評「エセルとアーネスト ふたりの物語」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2016年イギリス=ルクセンブルク合作映画 監督ロジャー・メインウッド ネタバレあり 常連の浅野佑都さんのお薦め作品。 アニメ映画「風が吹くとき」(1986年)の原作者として知られる劇画家レイモンド・ブリッグズが書いた両親の伝記劇画をアニメ化した作品である。監督ロジャー・メインウッドと製作…
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映画評「凸凹猛獣狩」

☆☆(4点/10点満点中) 1949年アメリカ映画 監督チャールズ・バートン ネタバレあり バッド・アボットとルー・コステロの凸凹コンビの作品は3本くらい観たことがある。全て凸凹で始まる邦題なので失念して観たものの、実は再鑑賞。物凄く可笑しい若しくは面白いものであれば再鑑賞も厭わないが、この程度では避けたいところで、事前にIM…
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映画評「活きる」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1994年中国=香港合作映画 監督チャン・イーモウ ネタバレあり 邦題は黒澤明監督「生きる」と同じ読み方。今よりは多少表現の自由があった中国と香港の合作映画で、かなりかつての政策を風刺的に捉えているので、中国本土では上映禁止になっているらしい。 中国映画も80年代後半から暫く本作を監督した…
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映画評「ライド・ライク・ア・ガール」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年オーストラリア映画 監督レイチェル・グリフィス ネタバレあり あらゆるスポーツの中で女性が男性と伍することができる競技は馬術と競馬ではないかと思う。勿論どの競技においてもトップの女性選手は、98か99%の男性より速かったり強かったりするわけだが、オリンピックで一緒に競技させるわけには行か…
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映画評「ランボー ラスト・ブラッド」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ=香港=フランス=ブルガリア=スペイン=スウェーデン合作映画 監督エイドリアン・グルンバーグ ネタバレあり 第4作が作られた時もびっくりしたが、それから11年も経ち、ランボーのシルヴェスター・スタローンも撮影時72歳くらいになったのだから、第5弾製作にはそれこそビックリでござる。…
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映画評「仮面病棟」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・木村ひさし ネタバレあり 良い出来が期待できなくてもミステリー映画なら観る。原作者のミステリー作家知念実希人(ちねん みきと)は医療関係者でもあるそうで、医療関係が非常に正確・・・でもないのはご愛敬。 八王子のコンビニでピエロの仮面を被った強盗事件が起きる。交通事故…
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映画評「街燈」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1957年日本映画 監督・中平康 ネタバレあり 短編の名手・永井龍男の小説が原作というのも文学壮年オカピーの心をくすぐるが、中平康の映画をお話に重点を置いて見てもつまらないとは思う。 男子学生が定期券をわざと落として拾ってくれた女性をナンパ等するという行為がお話の発端。弟が落とした定期券を拾…
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映画評「影に抱かれて眠れ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・和泉聖治 ネタバレあり 北方謙三の名前を知って40年くらいは立つだろう。しかし、小説を実際に読むほどの興味はないので、作家としての傾向が少し解るかもしれないと思い、小手調べ的に「抱影」を映像化した本作を観ることにした。 酒場を経営する変わり者の画家・加藤雅也は、画業…
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映画評「ANNA/アナ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年フランス=アメリカ=カナダ=ロシア合作映画 監督リュック・ベッソン ネタバレあり リュック・ベッソン監督としては「ニキータ」(1990年)系列のスパイ・スリラー。「ニキータ」を世評ほど買っていない僕はこちらのほうが面白かったくらい。 ソ連末期のモスクワでマトリョーシカを売っていた美…
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映画評「亀も空を飛ぶ」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 2004年イラク=フランス=イラン合作映画 監督バフマン・ゴバディ ネタバレあり 「存在のない子供たち」の映画評へのコメントで常連のモカさんが紹介してくれたのがこの作品である。「酔っぱらった馬の時間」(2000年)という秀作を放ったイランの監督バフマン・ゴバディの作品だから題名は知っていた。 …
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映画評「ブリット=マリーの幸せなひとりだち」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年スウェーデン映画 監督ツヴァ・ノボトニー ネタバレあり 50年くらい前に「サッカー小僧」という割合気に入ったスウェーデン映画があった。そんなことを思い起こさせるスウェーデン映画である。 以前から疑っていた、40年連れ添った夫ケント(ペーター・ハーバー)の浮気が発覚したのを契機に63…
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映画評「青くて痛くて脆い」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・狩山俊輔 ネタバレあり 「君の膵臓をたべたい」の住野よるによる同名小説の映画化。色々紆余曲折はあるが、主題は非常に解りやすく、話もそれに沿って簡単にまとめてしまいましょう。 人に近づくことが最終的に他人も自分も傷つけるという人生観をもって生きて来た青年・吉沢亮が。大…
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映画評「ウルフ・アワー」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ=イギリス合作映画 監督アリステア・バンクス・グリフィン ネタバレあり 僕の基準では日本劇場未公開映画に相当するが、ナオミ・ワッツが主演(兼エグゼクティヴ・プロデューサー)していると知って観てみた。  IMDb での平均採点が4.9と相当悪いものの、実力はもう少し高い。面白いか…
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映画評「サイレンサー/殺人部隊」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1966年アメリカ映画 監督ヘンリー・レヴィン ネタバレあり シリーズ第2弾は、喜劇度がほんの少し下がり、歌による心情吐露も僅かに減った。全体として似たり寄ったりの内容、出来栄えと言うべし・・・だが、すっきりした印象があって見やすいかもしれない。残りの二作はアマゾンプライム無償枠では観られず、残念…
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映画評「サイレンサー/沈黙部隊」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1961年アメリカ映画 監督フィル・カールスン ネタバレあり 映画ファンになりたての頃このシリーズはTVで全て観た。「007」シリーズのパロディーというか、コメディー版のような内容。 ビッグOなる謎の組織が、ニューメキシコで行われる核実験場にミサイルを放って、ソ連のせいにして戦争を引き起こし…
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映画評「ミッション・ワイルド」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2014年アメリカ=フランス合作映画 監督トミー・リー・ジョーンズ ネタバレあり 常連モカさんに、プライムビデオ無償枠にあるよと紹介された作品だが、丁度WOWOWに出たのでこちらで観てみた。そのまま永久保存にすることに決定、未公開になったのが実に惜しまれる西部劇の秀作である。  内容の合理性と…
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映画評「痴人の愛」(1934年)

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1934年アメリカ映画 監督ジョン・クロムウェル ネタバレあり サマセット・モームのなかなかに長い自伝的小説「人間の絆」の映画化。 観たことがないと思ってプライムビデオ無料枠で観てみたが、既にIMDbに投票してござった。しかも今回の印象に適う評価ではない。当時の自分を推測するに、モームの原…
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映画評「ジュディ 虹の彼方に」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2019年イギリス=フランス=アメリカ合作映画 監督ルパート・グールド ネタバレあり 没落するスターの代りにその妻がスターになる「スタア誕生」(1954年)を高校時代に観、その解説でジュディ・ガーランドの悲劇を少しかじったことがあるので、このお話自体に吃驚ということはないものの、そのスター残酷物…
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映画評「マチネの終わりに」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・西谷弘 ネタバレあり 平野啓一郎の同名小説の映画化。  監督が西谷弘ということでも解るように、映画版はロマンスの部分が強く印象付けられる作り方になっているが、それでも原作の狙いであったであろう主題らしきものも一応は伝わって来る。 天才的なクラシック・ギタリスト福山…
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映画評「その壁を砕け」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1959年日本映画 監督・中平康 ネタバレあり ご贔屓・中平康監督の倒叙ミステリー。  脚本は新藤兼人、撮影は姫田真砂久、音楽は伊福部昭。オールスター・キャストならぬオールスター・スタッフである。 車修理工の小高雄二が3年かけて溜めた20万円で買った車を駆って、結婚することを誓った恋人・芦…
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