映画評「仮面病棟」

☆☆★(5点/10点満点中)
2020年日本映画 監督・木村ひさし
ネタバレあり

良い出来が期待できなくてもミステリー映画なら観る。原作者のミステリー作家知念実希人(ちねん みきと)は医療関係者でもあるそうで、医療関係が非常に正確・・・でもないのはご愛敬。

八王子のコンビニでピエロの仮面を被った強盗事件が起きる。交通事故で亡くなった恋人の兄でもある先輩医師・大谷亮平に頼まれて病院の当直を引き受けた若い医師坂口健太郎が、負傷した女子大生・永野芽郁を連れて侵入した強盗犯の事件に巻き込まれる。犯人は元精神科病棟である特殊な環境を利用して医師のほか院長(高嶋政伸)と看護婦二名(内田理央、江口のりこ)を人質に立てこもる。64人いる患者は殆ど認知症の老人である。

さて、この後どう進んでいくか、というお話で、観客が疑問に思っていることがほぼそのままこの事件の裏にある真相を告げているところが面白い。
 つまり、【Yahoo!映画】辺りで投稿者が穴と突っ込んでいる疑問は、登場人物のほぼ全員にそれを行う若しくは行わない理由があるからで、本当に賢い人であれば、突っ込まないほうが無難というものも少なくない。
 例を挙げよう。僕が個人的に一番首を傾げたのは、負傷者として連れ込まれただけの女子大生が縫合手術の直後にも拘らず医師に付いて行動することである。しかし、彼女には敢えてそうする目的であるのだ。
 それに関連するのはこの病院で密かに行われている手術のことで、この日病院にいた院長と看護婦二人が手術のいずれにも関係していることが判明する。これで大体映画の進む先の見当がつく。

詳細には言わないが、やはりこういう復讐譚に触れる時に、余り刑法の立場で見るのはつまらない。
 大体見当がついたと想定して曖昧な形で言うと、病院が絡む巨悪(寧ろ刑法より道徳上の罪が大きい)と、御定法で裁けない巨悪をとっちめる為に刑法上の犯罪を犯す者と比べた時、一般の観客は後者を応援するものである。

復讐譚は、刑法と道徳とが絡み合うものでござる。それ自体をまな板に載せて料理する映画もありました。

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